山陰鉄道唱歌 第1番 京都を出発!山陰地方の鉄道の旅へ

まずは原文から!

千有餘年(せんゆうよねん)の其(そ)の昔
開けし都(みやこ)京都市(きょうとし)を
今朝(けさ)たち出(い)づる汽車の旅(たび)
山陰諸州(さんいんしょしゅう)へ向(むか)ふなり

さらに読みやすく!

千有余年(せんゆうよねん)のその昔
開けし都(みやこ)京都市(きょうとし)を
今朝(けさ)たち出(い)ずる汽車の旅(たび)
山陰諸州(さんいんしょしゅう)へ向うなり

さあ、歌ってみよう!

♪せんゆうよねんの そのむかしー
♪ひらけしみやこー きょうとしを
♪けさたちいーずる きしゃのたび
♪さんいんしょしゅうへ むかうなりー

(山陰本線)
京都駅→二条駅→嵯峨嵐山駅→亀岡駅→園部駅和知駅→綾部駅→福知山駅→上川口駅→下夜久野駅→上夜久野駅→梁瀬駅→和田山駅→養父駅→八鹿駅→江原駅→豊岡駅→玄武洞駅→城崎温泉駅

※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記

山陰鉄道唱歌(さんいんてつどうしょうか)は、明治時代末期の1911年に、岩田勝市(いわた かついち?正式な読みは調べたのですが、不明でした)という方によって作詞された曲です。
鉄道唱歌の作詞者としてお馴染みなのは大和田建樹(おおわだ たけき)さんですが、大和田建樹さんは1910年に亡くなられているので、別の方の作詞という形になります。

歌詞は、以下のサイトに原文が載っています。

鉄道唱歌/山陰鉄道唱歌 - Wikisource

原文ではかなり難しい文字コードを使用しているらしく、まともに使用すると更新の際にシステム上エラになる関係上、やむを得ず(なるべく同一性を保持した上で)通常の旧字体へ統一しておりますことを、ご理解とご賢察願います。

また、上記サイトの末尾には「作者が1955年に亡くなっているため、パブリックドメインの状態にあります」との旨の記載があったため、当サイトでも山陰鉄道唱歌はパブリックドメインであるとの前提で進めさせていただきます。ただ、万が一著作権が有効な場合であっても、法32条の学術研究を目的とした「引用」の範囲で進めてゆくため、問題ないと考えています。

パブリックドメイン」とは、著作権が失効し、誰でもその著作物(だったもの)を自由に使用してよい、という意味になります。
2018年12月30日」という日付は、いわゆる「環太平洋パートナーシップ協定」という各国の取り決めが発効された日付であり、この日の時点で没後50年過ぎている場合には「パブリックドメイン」という扱いとなり著作権が失効します。
環太平洋パートナーシップ協定」とは、2016年に署名され、2018年12月30日に発効した、日本やアメリカを含む、太平洋をとりまく12カ国との間で結ばれた協定です。
逆に、この2018年12月30日の時点で没後50年経っていない場合は、著作権の有効期限が70年に延びるという、ちょっと複雑な決まりになっています。
例えば、「伊豆の踊子」「雪国」で有名な川端康成さんは、1972年に没しています。つまり、2018年の時点で没後50年を経過して”いない”ため、著作権の保護期間が”70年”となり2042年にパブリックドメイン(著作権失効)となります。
一方、「人間失格」や「走れメロス」で有名な太宰治さんは1948年に没しているため、2018年の時点で没後50年経過しているので、彼の小説はパブリックドメインになっています。
ネット上で太宰治さんの小説はいくらでも無料で読めるのに、川端康成さんの小説は無料では読めないのはそのためですね。

話がかなり逸脱しましたが、元の話題に戻します。

鉄道唱歌には、無数の替え歌が存在することでも知られ、また様々な路線のバージョンがあります。

山陰線は、京都駅を出発して北西に進み、日本海側に出て、鳥取県・島根県を経由してずっと西へ進み、しまいには遥か西の山口県下関市(しものせきし)に至る、長大路線となります。
しかし鉄道唱歌では下関までは行かず、出雲大社隠岐島のある島根県がゴールとなっています。

スタート地点は京都駅(きょうとえき、京都府京都市)になります。
京都は、桓武天皇(かんむてんのう)が794年に平安京を建てて以来、千年の悠久(ゆうきゅう)の歴史を持つ街です。

京都駅(京都府京都市)。山陰本線(嵯峨野線)のホームより。

京都を出発すると、まず二条城に近い二条駅(にじょうえき)を過ぎます。二条城は、大政奉還(たいせいほうかん)といって江戸幕府が朝廷に政権を返還した城です。明治時代には天皇の別荘である、離宮(りきゅう)が置かれました。

二条城(京都府京都市)

二条駅を過ぎると西へ大きく曲がり、嵯峨野(さがの)とよばれる、平安時代の天皇や貴族の皆さんが余暇やリフレッシュを過ごした地域にさしかかります。嵐山(あらしやま)と、桂川(かつらがわ)にかかる渡月橋(とげつきょう)は、京都のベスト観光スポットです。

嵐山を過ぎると、トンネルを過ぎて、保津川(ほづがわ)のなす峡谷である保津峡(ほづきょう)にさしかかります。

さらにトンネルをくぐると、京都府の北西地域である丹波(たんば)地域に入り、亀岡(かめおか)・園部(そのべ)といった地域を過ぎてゆきます。
そして次は由良川和知川(わちがわ)沿いに進みます。

胡麻駅(ごまえき)や鍼灸大学駅(しんきゅうだいがくえき)、和知駅(わちえき)などをすぎ、やがて綾部駅(あやべえき、京都府綾部市)に至ります。

綾部(あやべ)からは一旦、舞鶴線(まいづるせん)に乗り変えて、舞鶴駅(まいづるえき、京都府舞鶴市)まで行きます。

舞鶴からはさらに寄り道して、宮津湾(みやつわん)をめぐり日本三景天橋立(あまのはしだて)へ向かいます。

舞鶴の観光から戻ってきたら、今度は綾部から福知山駅(ふくちやまえき、京都府福知山市)まで行きます。
福知山は、明智光秀(あけち みつひで)の拠点として知られます。

福知山城(京都府福知山市)

福知山からは兵庫県北部の但馬(たじま)地域に入り、播但線(ばんたんせん)との分岐駅である和田山(わだやま)・養父(やぶ)・八鹿(ようか)を過ぎて、やがて豊岡駅(とよおかえき、兵庫県豊岡市)、そして城崎温泉(きのさきおんせん)に至ります。また、綺麗な六角形の柱からなる玄武洞(げんぶどう)の近くを通ります。

やがて日本海側に出て香住(かすみ)に着きます。
そして西へ向かうと、高さ40mにも及ぶ余部鉄橋(あまるべてっきょう)という大きな橋を渡ります。

餘部鉄橋を渡る(兵庫県美方郡香美町)

さらに日本海沿いに浜坂(はまさか)・居組(いぐみ)を過ぎて、因幡国(いなばのくに)、すなわち鳥取県に入ると岩美(いわみ)、そして鳥取駅(とっとりえき、鳥取県鳥取市)に着きます。

鳥取には、(民間人が立ち入れる中で)日本最大の砂丘である「鳥取砂丘」があります。

鳥取砂丘(鳥取県鳥取市)

鳥取を出ると、千代川(ちよがわ)を越えて、湖山池(こやまいけ)を横に進みます。
鳥取砂丘コナン空港」や、白兎神社(はくとじんじゃ)があります。

この辺りは、日本神話で因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)を、大国主命(おおくにぬし)が救った場所になります。

そして日本海沿岸を進み、宝木駅(ほうぎえき)・浜村駅(はまむらえき)・青谷駅(あおやえき)と進みます。
やがて(とまり)を過ぎ、さらに南西には三佛寺投入堂(さんぶつじなげいれどう)という崖っぷちのお寺があります。

やがて、倉吉駅(くらよしえき、鳥取県倉吉市)に着きます。
倉吉は、鳥取と米子の中間にある重要な町になります。

倉吉駅を出ると、
由良駅(ゆらえき)、八橋駅(やばせえき)、赤崎駅(あかさきえき)のように進んでゆきます。

由良駅のある北栄町(ほくえいちょう)は、「名探偵コナン」の青山剛昌先生の生まれた町としても有名です。

また、このあたりは隠岐の島に流された後醍醐天皇名和長年(なわ ながとし)によって助けられた場所でもあり、伯耆富士(ほうきふじ)・大山(だいせん)がそびえ立ちます。

大山(だいせん)は、中国地方一の山として知られます。

やがて伯耆国(ほうきのくに)・米子市(よなごし)に着きます。
ここから弓ヶ浜(ゆみがはま)を北上すると、境港(さかいみなと)に着きます。
鳥取県境港市(さかいみなとし)は、かつて貿易港として栄えたほか、今では「ゲゲゲの鬼太郎」で有名な水木しげるさんの故郷として有名です。

米子を出ると、中海(なかうみ)に沿って島根県に入り、安来駅(やすぎえき、島根県安来市)に着きます。
安来(やすぎ)を過ぎると、荒島駅(あらしまあき)、旧・馬潟駅(まかたえき)を過ぎます。
馬潟駅(まかたえき)とは、現代の東松江駅になります。

島根県の県庁所在地である松江市には、国宝・松江城があります。
また、松江市は宍道湖(しんじこ)と、それにかかる大きな橋も魅力的です。
宍道湖は、シジミという貝で有名です。

松江を出ると、宍道湖に沿って、西の出雲方面へ進みます。

出雲市駅(いずもしえき、島根県出雲市)からは、出雲大社へと向かうことになります。
出雲大社は大国主命(おおくにぬし)を祀(まつ)る神社です。
大国主命は日本神話で「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」を助けたことで知られ、またその噂を聞いた八上姫(やかみひめ)に結婚を申し込まれたことから、婚活や良縁祈願の神様としても人気があります。

出雲からさらに西の石見(いわみ)地方へ向かえば、大田市(おおだし)・江津市(ごうつし)・浜田市(はまだし)や益田市(ますだし)、そして山口線を経由して津和野(つわの)へと至ります。

山陰本線・日本海の景色

さらに日本海へ船出して、隠岐の島(おきのしま)の西郷港(さいごうこう)に着きます。

鉄道唱歌ではどこから隠岐の島へ向かったのかはわかりまんが、現代では境港(さかいみなと)から向かうことになります。

隠岐島には、「ローソク島」という、まるでローソクに火が付いたような美しい島があります。

これをもって、山陰線の旅はゴールとなります。

さあ、これから魅力満載な山陰線の旅へと向かいましょう!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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