鉄道唱歌 北海道編 南の巻第13番 比羅夫駅とは、どんな駅か

まずは原文から!

紅葉(もみじ)の如き赤心(せきしん)を
櫻(さくら)の如く香(かお)らせし
阿部の比羅夫(あべのひらふ)の忠勇(ちゅうゆう)を
紀念(きねん)に殘(のこ)す比羅夫(ひらふ)驛(えき)

もう少し読みやすく!

紅葉(もみじ)のごとき赤心(せきしん)を
桜のごとく香(かお)らせし
阿部比羅夫(あべのひらふ)の忠勇(ちゅうゆう)を
紀念(きねん)に残(のこ)す比羅夫(ひらふ)駅

さあ、歌ってみよう!

♪もみじのごとき せきしんを
♪さくらのごとく かおらせし
♪あべのひらふの ちゅうゆうを
♪きねんにのこす ひらふえき

(函館本線)
函館駅→桔梗駅→七飯駅→新函館北斗駅→大沼公園駅→駒ヶ岳駅→森駅→八雲駅→国縫駅→長万部駅→黒松内駅→比羅夫駅→倶知安駅→然別駅→余市駅→蘭島駅→塩谷駅→小樽駅

※鉄道唱歌に関係ある主要駅のみ抜粋

黒松内駅を過ぎて尻別川(しりべつがわ)沿いに山深い区間を行くと、蘭越駅(らんこしえき、北海道磯谷郡蘭越町)、昆布駅(こんぶえき、北海道磯谷郡蘭越町)、ニセコ駅(ニセコえき、北海道虻田郡ニセコ町)と過ぎていきます。
やがて、倶知安町(くっちゃんちょう、北海道虻田郡)に入ります。
虻田郡は「あぶたぐん」と読みます。

倶知安町に入ると、やがて羊蹄山(ようていざん、標高1,898m)の麓(ふもと)にある比羅夫駅(ひらふえき、北海道虻田郡倶知安町)に止まります。

比羅夫駅(北海道虻田郡倶知安町)

比羅夫駅(ひらふえき)は、ニセコ駅と倶知安駅の間にある駅で、飛鳥時代にこの地域を平定した阿倍比羅夫(あべのひらふ)に由来する駅です。

阿倍比羅夫(あべのひらふ)とは、飛鳥時代に当時の蝦夷(えぞ。北海道の古い呼び名)を制したと伝わる人物で、「日本書紀」という神話に登場します。

冬の比羅夫駅

その大昔、北海道は蝦夷(えぞ)と呼ばれていました。
蝦夷は日本の端にあるため、諸外国からの侵略の危機に常に晒されていました。
そのため、「蝦夷が諸外国からの侵略に遭うかもしれない」という危機感が、本州に住む日本人からは常にあったようです。なぜなら、蝦夷がもし諸外国に乗っ取られた場合、次は本州を侵略されるのは時間の問題だからですね。これは九州でも同じで、北九州は歴史的に諸外国からの防衛の拠点でした。
蝦夷や九州を侵略され、そこに本州侵略の基地などを建設されて、そこから本州に攻め込まれたら日本人としてはたまったもんじゃありませんよね。

そのため、大昔から日本人は「蝦夷に文明を持ち込み、産業も農業も強い土地にして、諸外国からの侵略に備えられる強い土地にしよう!」と動いてきたわけです。とりわけ、明治時代から行われたそれを「開拓(かいたく)」といいます。

この蝦夷地開拓は、明治時代になって本格化していきました。また、蝦夷も明治時代になって「北海道」と改められました。

しかし、蝦夷を守る必要があったのは、明治時代も飛鳥時代も変わらなかったことでしょう。

阿倍比羅夫は、そのうちの一人だったのかもしれません。飛鳥時代に大和朝廷に命じられて、蝦夷地を強く豊かな地域にするために蝦夷に送られたのが阿倍比羅夫ということでしょう。
阿倍比羅夫に関する記述には諸説あり、私もあまり歴史に詳しくないので、もう少し勉強します。

なお、歌詞の原文は現代人の我々にとっては少しわかりにくいため、私なりに歌詞の意味(意訳)を考えてみました。
赤心(せきしん)」や「忠勇(ちゅうゆう)」「紀念(きねん)」って、現代ではあまり使わないない言葉ですよね。私も、少なくとも鉄道唱歌で初めてこうした語句を知りました。

赤心→真っ赤に燃える心
忠勇→いさましい功績
紀念→「記念」とほぼ同じ意味?

以下、私なりに考えた意訳です。

もみじのように真っ赤に染まる心を、
桜のように香らせた男。
その阿倍比羅夫の勇ましき戦績を
記念に残すのは、この比羅夫駅なのだ!

・・・みたいな意味でしょうか。(笑)
もう少しカッコよく訳せればいいんですけどね。

次は、羊蹄山(蝦夷富士)の解説です!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
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