鉄道唱歌 北海道編 南の巻第15番 倶知安に到着!

鉄道唱歌 北海道編の歌詞を、わかりやすく解説してゆきます!
鉄道旅行を楽しむためのノウハウを、初心者でも楽しめるよう解説してゆきます!

↓まずは原文から!

裾野すその俱知安くっちゃん大原野だいげんや
オンコ椴松とどまつならかつら
はやしてんおお
面積めんせきほとんど三十里さんじゅうり

さらに読みやすく!

裾野すその俱知安くっちゃんの 大原野だいげんや
オンコ椴松とどまつ ならかつら
はやしてんを おお
面積めんせきほとんど 三十里さんじゅうり
さあ、歌ってみよう!
♪すそのはくっちゃんの だいげんやー
♪オーンコとどまつ ならかつらー
♪はやしはてーんを うちおおいー
♪めんせきほとんど さんじゅうりー
(函館本線)
函館駅→桔梗駅→七飯駅→新函館北斗駅→大沼公園駅→駒ヶ岳駅→森駅→八雲駅→国縫駅→長万部駅→黒松内駅→比羅夫駅→倶知安駅→然別駅→余市駅→蘭島駅→塩谷駅→小樽駅

※鉄道唱歌に関係ある主要駅のみ抜粋

倶知安駅(倶知安町)に到着

羊蹄山のふもとから、倶知安方面へ(函館本線)(北海道)

羊蹄山のふもとから、倶知安方面へ(函館本線)(北海道)

比羅夫駅(ひらふえき、北海道虻田郡倶知安町)を出て、

  • 蝦夷富士(えぞふじ)・羊蹄山(ようていざん)

を右にしつつ進むと、窓の景色は徐々に、町らしい様相を呈してきます。

やがて

  • 倶知安駅(くっちゃんえき、北海道虻田郡倶知安町)

に到着します。

倶知安駅(北海道虻田郡倶知安町)

倶知安駅(北海道虻田郡倶知安町)

後志総合振興局の振興局所在地・倶知安町

倶知安町(くっちゃんちょう、北海道虻田郡)は、長万部と小樽のちょうど真ん中あたりにある町でたり、

  • 後志総合振興局(しりべしそうごうしんこうきょく)

振興局所在地です。

つまり、

  • 蘭越町(らんこしちょう)
  • ニセコ町

などで形成される、後志地方の中心地的な町ということもできるでしょう。

小樽市も、後志総合振興局のエリア内(管内)

なお、小樽市も後志総合振興局のエリア内になります。

このように、後志総合振興局は、振興局所在地が「市」ではなく「町」(倶知安町)であることでも知られています。

ニセコアンヌプリへのスキー拠点・倶知安町

倶知安駅(北海道虻田郡倶知安町)

倶知安駅(北海道虻田郡倶知安町)

倶知安町は、羊蹄山(ようていざん)と並んでこの地域の大きな山である

  • ニセコアンヌプリ

へ向かう人や、スキーへ行く人達の拠点ともなっているようです。

私はスキーに詳しくないのでわかりませんが、

  1. スキーを行う人々は、
  2. 倶知安町内のホテル等に宿泊し、
  3. そこからニセコのスキー場に向かう

・・・といったスキー旅行スタイルで合ってますかね。

スキーを何日もやる人は、倶知安町が衣食や宿泊の拠点になるわけですね。

ニセコアンヌプリとは?

ニセコアンヌプリ(標高1,308m)は、倶知安町の西にある山であり、名称の由来はアイヌ語です。

ニセコアンヌプリの裾野(すその:「ふもと」の意味)では、スキー場で賑わい、多くのスキーヤーが訪れるそうです。

ニセコアンヌプリ(写真奥、雲がかかっています)(函館本線の車窓より)(北海道)

ニセコアンヌプリ(写真奥、雲がかかっています)(函館本線の車窓より)(北海道)

「ニセコ」とはどういう意味?

ニセコ」とは、アイヌ語で

  • (がけ)
  • 峡谷に

などのことをいうようです。


つまり、川で浸食された深く入り組んだ崖(峡谷)、という意味になるでしょうか。

ニセコアンヌプリの西に流れる

  • ニセコアンベツ川

は、深く入り組んだ峡谷に流れる川、といった意味合いの言葉であるようです。


簡単にいえば、以下のように単語に区切れば、アイヌ語の日本語訳がわかりやすいでしょう。

  • ニセコ」→崖に、峡谷に
  • アン」→ある、そこに存在する
  • ヌプリ」→山
  • ベツ」→川

つまり、

ニセコ(峡谷に)アン(ある)ヌプリ(山)
→峡谷にある山
ニセコ(峡谷に)アン(ある)ベツ(川)
→峡谷にある川

このように語句ごとに分解すれば、それぞれの名前の由来がわかりやすいでしょう。

なぜ、「ニセコ」はカタカナなのか?

なぜ「ニセコ」はカタカナなのかというと、漢字などを当てようにも、当て字が定着しなかったなど理由は様々あるようです。

ニセコ駅(北海道虻田郡ニセコ町)

ニセコ駅(北海道虻田郡ニセコ町)

倶知安町は、

  • 西には「ニセコアンヌプリ
  • 東には「羊蹄山(ようていざん)」

が存在し、この辺りは自然豊かな場所といえるでしょう。

ニセコ駅(北海道虻田郡ニセコ町)

ニセコ駅(北海道虻田郡ニセコ町)

歌詞の内容を解説

では、鉄道唱歌の歌詞の解説をします。

裾野(すその)」とは、山の麓(ふもと)にある広がった平野のことをいいます。

例えば、静岡県の富士山の東側の麓に

  • 裾野市(すそのし)」

という街があります。
これは、恐らく富士山のふもとの街、という意味合いがあるのでしょう。
なお、裾野市の由来は、裾野駅からだそうです。駅名から自治体名が決まった一つの例となります。

裾野市(静岡県)については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください

鉄道唱歌 東海道編 第15番 御殿場に到着 富士登山の拠点の街
御殿場市は、かつてより富士登山の拠点となってきました。そして御殿場駅を過ぎても窓の右側には巨大かつ美しい富士山が眺め続けられます。 鉄道唱歌の歌詞について、わかりやすく解説します!

歌詞の1行目について

歌詞の1行目は、

羊蹄山の麓に広がるのは、倶知安の大原野だ

という意味合いになるでしょう。

歌詞の2行目における、様々な植物の名前

歌詞の2行目にある、

  • オンコ
  • 椴松(とどまつ)」
  • (なら)」
  • (かつら)」

はすべて、植物の名前になります。

「オンコ」とは

オンコ」は北海道の方言だそうです。

イチイという、赤くて綺麗な花を咲かせる植物です。

「椴松(とどまつ)」とは

椴松(とどまつ)」は、北海道に広く分布するマツ科の一種です。

「楢(なら)」とは

(なら)」は、建築材や木材として使われる植物です。

北海道産のそれは、特に有名だそうです。

「桂(かつら)」とは

(かつら)」は、全国的に広く分布している植物(広葉樹)」です。
こちらも建築材や木材として広く使われるようで、北海道産のそれもやはり有名だとか。

たくさんの植物の名前を入れる、作者さんのセンス

このように、歌詞の中にこれだけテンポよく、北海道ならではの植物の名称を入れているわです。

そのため、1906年にこの曲を作詞した

  • 大和田建樹(おおわだ たけき)さん

の作詞センスと知識には、素晴らしさを感じます。

歌詞全体を意訳・まとめ

ここまでを踏まえて、歌詞全体を意訳すると、以下のようになるでしょうか。

羊蹄山の麓の裾野には、倶知安の大原野が広がる。
それは、オンコ、椴松、楢、桂など北海道ならではの美しい植物で様々だ。
林はあまりにも深く、まるで空は覆われてしまう。
その面積は約100平方km(※)にも達するだろう。

1里は約3~4kmくらいだと理解しているため、あえて30里を約100kmとさせていただきました。

さらに、面積100kmということはありえないわけです(これだと、札幌方面や函館方面まで達してしまいます)。

そのため、

  • 10km×10km=平方100km

という理解としました。

羊蹄山のふもと一帯がだいたい半径10km以内に収まっているため、この計算方法で合ってると思います。

まるで北欧のような木々の景色が広がる、函館本線の景色

函館本線・冬の景色(北海道)

函館本線・冬の景色(北海道)

確かに、電車で函館本線のこの付近を走っていると、まるでクリスマスツリーのように細くて華奢でスリムな木や林、森が多いような印象を受けます。

まるで北欧の針葉樹林のようです。

北海道には、スリムな植物が多い?

本州の植物は、もっと横に太くてそこまで真っ直ぐじゃない木も多い気もします。

しかし、北海道のこの地域は豪雪地帯なので、木が横に太くて葉っぱも大きいと、雪が木の上に積もりまくって重さに耐えられなくなります。

そのため、北海道の植物はあまり積雪の影響を受けないように、華奢で真っ直ぐでスリムな木や林が多いのでしょうね(他にも理由はあるかもしれませんが)。

次回からは、倶知安を出て小樽方面へ

ニセコ大橋(北海道虻田郡ニセコ町)

ニセコ大橋(北海道虻田郡ニセコ町)

次は、倶知安を出て小樽方面へ函館本線を進みます!

ちゅうい!おわりに

この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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