鉄道唱歌 北海道編の歌詞について、わかりやすく解説してゆきます!
旭川の観光と歴史について、初心者でも楽しめるよう解説してゆきます!
↓まずは原文から!
師團おかるゝ旭川
離宮は美瑛忠別の
二川の間の神樂岡
さらに読みやすく!
師団おかるる 旭川
離宮は美瑛 忠別の
二川の間の 神楽岡
さあ、歌ってみよう!
♪しーだんおかるる あさひかわー
♪りきゅうはびーえい ちゅうべつのー
♪にせんのあいだの かぐらおかー
小樽駅→(熊碓トンネル)→銭函駅→手稲駅→琴似駅→札幌駅→厚別駅→野幌駅→江別駅→幌向駅→岩見沢駅→峰延駅→美唄駅→奈井江駅→砂川駅→(神居古潭)→旭川駅
※鉄道唱歌に関係ある主要駅のみ表記
広大な上川盆地へ 旭川駅に到着
近文駅(ちかぶみえき、北海道旭川市)を過ぎて、さらに
- 上川盆地(かみかわぼんち)
の中心部へ向かって走ると、徐々に景色は大都会の様相を呈してきます。
やがて、北海道第2の都市・旭川市の中心駅、
- 旭川駅(あさひかわえき)
に到着です。

旭川駅(北海道旭川市)

旭川駅(北海道旭川市)
北海道第二の都市・旭川市
北海道旭川市(あさひかわし)は、札幌市(人口約196万人)に継ぐ、北海道第2の大きな都市です。
2024年の人口は、約32万人となっています。
旭川駅前にはイオンモールがあり買い物に便利な上、駅の裏側には
- 忠別川(ちゅうべつがわ)
の美しい景色があります。
旭川市は様々な商業施設や宿泊施設も充実しており、ここから道北・道東へ向かう際の観光・交通の拠点として非常に重要な街です。
旭川の日本最北端の動物園・旭山動物園
シロクマで有名な
- 旭山動物園(あさひやまどうぶつえん)
は、日本最北端の動物園です。
私は旭川駅の改札口の少し手前にある、シロクマのぬいぐるみがとても可愛くて好きです。
「旭川」の由来 やはり忠別川にあり?
「旭川」という地名は、岩見沢と同じく北海道では珍しい、アイヌ語に由来しないことで知られる地名です。
地名の由来は現在でも諸説あり、有識者によって様々な見解があると思います。
川に由来することが多い、北海道の地名
北海道の地名は、街中を流れる川に由来することが多いです。
北海道でよくある地名の語尾にある、
- 「別:ペッ」
- 「内:ナイ」
は、アイヌ語で「川」という意味になります。
旭川も、やはり川に由来する?
旭川も「川」の文字がつくくらいですから、やはり川に由来するのではないかと思ってしまいます。
旭川を代表する川といえば、駅の真裏を流れる
- 忠別川(ちゅうべつがわ)
です。

忠別川(旭川駅南口より撮影)
なぜ「忠別市」にならなかった?
ただし、他の自治体と同じように「忠別市」となってもおかしくなかったはずです。
忠別川は、東から流れ出て、(旭川駅から向かって左から右に流れて)石狩川に注ぎます。
つまり、
ということです。
つまり、
↓
「朝日川」
↓
「旭川」
になった、という説。
本当かどうかは、わかりません(諸説あり)。
違っているかもしれませんが、個人的にはこの解釈がロマンティックで美しいと感じています。
現在でもはっきり判らない、謎のまま
私(筆者)も旭川の名前の由来を様々に調べましたが、人や文献によって説明や見解が結構異なっていたりして、決定的な答えに辿り着くことはできませんでした。
歴史の勉強をする場合、当時の資料や史料は無くなってしまい、もはや今となってははっきり判らない、謎のままでとなっています。
また、その解釈を巡って論争になることも多いです。
また、アイヌ語を当時のまま理解できる人も時代とともに減ってきていますから、仕方ありません。
最終的にはあなたの解釈とロマン次第でよいでしょう。
旭川に置かれた「師団」 現在でも陸上自衛隊の駐屯地が存在
旭川市は、歌詞にもあるように
- 「師団(しだん:軍隊や自衛隊を構成するチームの1つ)」
が置かれ、北海道の北側を諸外国の侵攻から守るための防衛の拠点の1つでした。
旭川市には、現在も旭川駅から北約2kmほどの位置(石狩川の北)に陸上自衛隊旭川駐屯地があります。
陸上自衛隊の「駐屯地」とは?
駐屯地(ちゅうとんち)とは、いわば「移動可能な基地」であり、陸上自衛隊の本拠地は主に「駐屯地」と呼ばれます。
陸上であれば場合に応じて移動できる、という概念からきているようです。
しかし、海上自衛隊や航空自衛隊は、港や滑走路を移動するわけにはいきません。
そのため、駐屯地ではなく「基地」という呼ばれ方をします。
北海道の防衛の主要拠点
現在でも、千歳市にも陸上自衛隊駐屯地があり、北海道の防衛の主要拠点としての役割を担っています。
いつの時代も、日本の端に位置する北海道は諸外国からの侵略の危機にありました(それは九州も同じ)。
北海道(や九州)がもし占領されれば、
そこをベースにして本州も占領され、最終的には日本が滅ぶということになりかねません。
旭川は、歴史的にそうした北海道の防衛の拠点であり、陸上自衛隊が置かれている現在でもそうであるということでしょう。
かつて離宮予定地だった、旭川の土地・「神楽岡」
歌詞にある
とは、旭川駅から南東約1km行ったところにある地域のことです。
美瑛川・忠別川の2つの川に囲まれた、神楽岡
神楽岡(かぐらおか)は、歌詞にあるように
- 忠別川
- 美瑛川(びえいがわ)
の2つの川の間に位置します。
つまり、歌詞における
とは、2つの川の間、という意味になります。
「離宮」とは?
ここで離宮(りきゅう)とは、天皇の別荘のうち、大きいバージョンです。
一方、天皇の別荘のうち、小さいバージョンのことを御用邸(ごようてい)といいます。
元々は離宮が建てられる予定だった、神楽岡
明治時代に、ここ・神楽岡の地に離宮を建てる計画があったのでした。
そして、「離宮」を建てる予定がなされていたその場所こそが、まさに現在の神楽岡だったのでした。
しかし、この計画は実現することはなかったのでした。
神楽岡に鎮座する、上川神社
その後、上川神社(かみかわじんじゃ)が、神楽岡へと移築されました。
神社で祀られている、様々な「神様」
どんな神社にも、何らかの神様が祀(まつ)られています。
例えば、「天満宮(てんまんぐう)」であれば、学問の神様と言われた菅原道真公が祀られています。
そのため、受験生などが合格祈願のために
- 太宰府天満宮(福岡県)
- 大阪天満宮
といったところに初詣などにするわけですね。
上川神宮で祀られている、天照大神
上川神宮で祀られている神様は、主に天照大神(あまてらすおおかみ)です。
天照大神(あまてらすおおかみ)とは、
- 「古事記」
- 「日本書紀」
などの日本神話に登場する、初代天皇とされる神武天皇(じんむてんのう)の祖先にあたる神様です。
女性の神様で、太陽の神様と言われます。
明治時代、北海道の安全や防衛、発展などを願って建立された
上川神宮は、明治時代の北海道の開拓の際に、北海道の安全や防衛、発展などを願って、天照大神を祀ることで建てられたそうです。
道北・道東への旅の拠点・旭川
話が長くなってしまいましたが、さあ、ここまで函館本線をはるばると北上してきました。
鉄道唱歌の歌詞では再び室蘭本線に戻ることになるわけですが、旭川はここから道北、道東へ向かうための交通の拠点となるわけです。
宗谷本線で、道北・稚内へ
旭川駅から北へ、つまり宗谷本線を北上すると、
- 比布(ぴっぷ)
- 塩狩(しおかり)
- 和寒(わっさむ)
- 名寄(なよろ)
と北上していきます。
名寄から先はいよいよ秘境駅・無人駅も多くなり、日本の最果ての地へ向かって進んでいきます。
- 音威子府(おといねっぷ)
- 雄信内(おのっぷない)※2025年廃止
- 幌延(ほろのべ)
- 抜海(ばっかい)※2025年廃止
などのように駅は続き、日本最北端の駅である稚内(わっかない)に到着するわけです。
道北への旅については、以下の記事でもわかりやすく解説していますので、ご覧ください。

石北本線で、道東・オホーツク方面へ
旭川から東へ向かうと、石北本線(せきほくほんせん)を経由して、
- 上川(かみかわ)
- 白滝(しらたき)
- 遠軽(えんがる)
- 留辺蘂(るべしべ)
- 北見(きたみ)
と経由し、網走(あばしり)に至ります。
網走からはさらに
- 知床斜里(しれとこしゃり)
- 清里町(きよさとちょう)
- 摩周(ましゅう)
と経由し、釧路(くしろ)に至ります。
釧路からは花咲線(はなさきせん)を経由して東に向かい、日本最東端の地・根室(ねむろ)へ至ります。
道東の旅については、以下の記事でもわかりやすく解説していますので、ご覧ください。

旭川で休憩 次回からは再び岩見沢・室蘭本線へ
まずは旭川に着いたら、旭川ラーメンでもいただいてパーッとやりましょう。
函館本線の旅、お疲れさまでした。
次は、再び室蘭本線の岩見沢駅に戻ります!
コメント