鉄道唱歌 北海道編 北の巻第13番 旭川に到着!忠別川の景色

まずは原文から!

原野(げんや)の西に位して
師團(しだん)おかるゝ旭川(あさひかわ)
離宮(りきゅう)は美瑛(びえい)忠別(ちゅうべつ)の 
二川(にせん)の間の神樂(かぐら)岡

さらに読みやすく!

原野(げんや)の西に位して
師団(しだん)おかるる旭川(あさひかわ) 
離宮(りきゅう)は美瑛(びえい)忠別(ちゅうべつ)の 
二川(にせん)の間の神楽(かぐら)岡

さあ、歌ってみよう!

♪げんやのにーしに くらいしてー
♪しーだんおかるる あさひかわー
♪りきゅうはびーえい ちゅうべつのー
♪にせんのあいだの かぐらおかー

(函館本線)
小樽駅→(熊碓トンネル)→銭函駅→手稲駅→琴似駅→札幌駅→厚別駅→野幌駅→江別駅→幌向駅→岩見沢駅→峰延駅→美唄駅→奈井江駅→砂川駅→(神居古潭)→旭川駅

※鉄道唱歌に関係ある主要駅のみ表記

近文駅(ちかぶみえき)を過ぎてさらに上川盆地(かみかわぼんち)の中心部へ向かって走ると、徐々に景色は大都会の様相を呈してきます。北海道第2の都市・旭川市の中心駅、旭川駅(あさひかわえき)に到着です。

旭川駅(北海道旭川市)
旭川駅(北海道旭川市)

北海道旭川市(あさひかわし)は、札幌市(人口約196万人)に継ぐ北海道第2の大きな都市です(人口約33万人)。

旭川駅前にはイオンモールがあり買い物に便利な上、駅の裏側には忠別川(ちゅうべつがわ)の美しい景色があります。
旭川市は様々な商業施設や宿泊施設も充実しており、ここから道北道東へ向かう際の観光・交通の拠点として非常に重要な街です。

シロクマで有名な旭山動物園(あさひやまどうぶつえん)は、日本最北端の動物園です。
私は旭川駅の改札口の少し手前にある、シロクマのぬいぐるみがとても可愛くて好きです。

旭川」という地名は、岩見沢と同じく北海道では珍しい、アイヌ語に由来しないことで知られる地名です。地名由来は現在でも諸説あり、有識者によって様々な見解があると思います。

北海道の地名は街中を流れる川に由来することが多く(北海道でよくある地名の語尾にある「別:ペッ」や「内:ナイ」は、アイヌ語で「川」という意味)、旭川も「川」の文字がつくくらいですから、やはり川に由来するのではないかと思ってしまいます。

旭川を代表する川といえば、駅の真裏を流れる忠別川(ちゅうべつがわ)です。

忠別川(旭川駅南口より撮影)

ただし、他の自治体と同じように「忠別市」となってもおかしくなかったはずです。

忠別川は、東から流れ出て、(旭川駅から向かって左から右に流れて)石狩川に注ぎます。
つまり、朝日の昇る方向から流れる川です。

つまり、

朝日の昇る方向から流れる川

朝日川

旭川

になった、という説。
本当かどうかは、わかりません(諸説あり)。
違っているかもしれませんが、個人的にはこの解釈がロマンティックで美しいと感じています。

私は旭川の名前の由来を様々に調べましたが、人や文献によって説明や見解が結構異なっていたりして、決定的な答えに辿り着くことはできませんでした。
歴史の勉強をする場合、当時の資料や史料は無くなってしまい、もはや今となってははっきり判らない謎のままであり、その解釈を巡って論争になることも多いです。また、アイヌ語を当時のまま理解できる人も時代とともに減ってきていますから、仕方ありません。最終的には皆さんの解釈とロマン次第でよいでしょう。

旭川市は、歌詞にもあるように「師団(しだん、軍隊や自衛隊を構成するチームの1つ)」が置かれ、北海道の北側を諸外国の侵攻から守るための防衛の拠点の1つでした。
旭川市には、現在も旭川駅から北約2kmほどの位置(石狩川の北)に陸上自衛隊旭川駐屯地があります。

駐屯地(ちゅうとんち)とは、いわば「移動可能な基地」であり、陸上自衛隊の基地は主に「駐屯地」と呼ばれます。陸上であれば場合に応じて移動できる、という概念からきているようです。
しかし、海上自衛隊や航空自衛隊は、港や滑走路を移動するわけにはいきませんから、駐屯地ではなく「基地」という呼ばれ方をします。

現在でも、千歳市にも陸上自衛隊駐屯地があり、北海道の防衛の主要拠点としての役割を担っています。

いつの時代も、日本の端に位置する北海道は諸外国からの侵略の危機にありました(それは九州も同じ)。北海道(や九州)がもし占領されれば、そこをベースにして本州も占領され、最終的には日本が滅ぶということになりかねません。
旭川は、歴史的にそうした北海道の防衛の拠点であり、陸上自衛隊が置かれている現在でもそうであるということでしょう。

歌詞にある「離宮(りきゅう)」「神楽岡(かぐらおか)」とは、旭川駅から南東約1km行ったところにある「上川神宮」のことです。

上川神宮(かみかわじんぐう)は、歌詞にあるように忠別川と、美瑛川(びえいがわ)の2つの川の間に位置します。
つまり、歌詞における「二川の間(にせんのあいだ)」とは、2つの川の間、という意味になります。

どんな神社にも、何らかの神様が祀(まつ)られています。例えば、「天満宮(てんまんぐう)」であれば、学問の神様と言われた菅原道真公が祀られているため、受験生などが合格祈願のために太宰府天満宮(福岡県)、大阪天満宮といったところに初詣などにするわけですね。

上川神宮で祀られている神様は、主に天照大神(あまてらすおおかみ)です。

天照大神(あまてらすおおかみ)とは、「古事記」「日本書紀」などの日本神話に登場する、初代天皇とされる神武天皇(じんむてんのう)の祖先にあたる神様です。
女性の神様で、太陽の神様と言われます。

上川神宮は、明治時代の北海道の開拓の際に、北海道の安全や防衛、発展などを願って、天照大神を祀ることで建てられたそうです。

話が長くなってしまいましたが、さあ、ここまで函館本線をはるばると北上してきました。
鉄道唱歌の歌詞では再び室蘭本線に戻ることになるわけですが、旭川はここから道北、道東へ向かうための交通の拠点となるわけです。

旭川駅から北へ、つまり宗谷本線を北上すると、比布(ぴっぷ)・塩狩(しおかり)・和寒(わっさむ)・名寄(なよろ)と北上していきます。

名寄から先はいよいよ秘境駅・無人駅も多くなり、日本の最果ての地へ向かって進んでいきます。
音威子府(おといねっぷ)・雄信内(おのっぷない)・幌延(ほろのべ)・抜海(ばっかい)などのように駅は続き、日本最北端の駅である稚内(わっかない)に到着するわけです。

旭川から東へ向かうと、石北本線を経由して上川(かみかわ)・白滝(しらたき)・遠軽(えんがる)・留辺蘂(るべしべ)・北見(きたみ)と経由し、網走(あばしり)に至ります。

網走からはさらに知床斜里(しれとこしゃり)、清里町(きよさとちょう)、摩周(ましゅう)と経由し、釧路(くしろ)に至ります。
釧路からは花咲線を経由して東に向かい、日本最東端の地・根室(ねむろ)へ至ります。

こうした道北・道東のエリアに関しては、また別の枠を設けてその数多くの魅力を解説したいと思います。

まずは旭川に着いたら、旭川ラーメンでもいただいてパーッとやりましょう。函館本線の旅、お疲れさまでした。

次は、再び室蘭本線の岩見沢駅に戻ります!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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