鉄道唱歌 奥州・磐城編 第28番 仙台の歴史的名物・産物などについて解説

まずは原文から!

阿武隈川(あぶくまがわ)の埋木(うもれぎ)も
仙臺平(せんだいひら)の袴地(はかまぢ)も
皆この土地の産物(さんぶつ)ぞ
みてゆけこゝも一日(いちにち)は

さらに読みやすく!

阿武隈川(あぶくまがわ)の埋木(うもれぎ)も
仙台平(せんだいひら)の袴地(はかまぢ)も
皆この土地の産物(さんぶつ)ぞ
みてゆけここも 一日(いちにち)は

さあ、歌ってみよう!

♪あぶくまがーわの うもれぎもー
♪せんだいひらのー はかまぢもー
♪みなこのとーちの さんぶつぞー
♪みてゆけここもー いちにちはー

(東北本線)
福島駅→伊達駅(旧・長岡駅)→越河駅→白石駅→岩沼駅→仙台駅→岩切駅→国府多賀城駅→塩釜駅→松島駅→鹿島台駅→小牛田駅→石越駅→花泉駅→一ノ関駅→平泉駅→盛岡駅

※鉄道唱歌に関係ある主要駅のみ抜粋

今回は、仙台の名物・産物などについて解説します。
仙台の歴史的名物は、歌詞にもあるように「埋もれ木(うもれぎ)」「仙台平(せんだいひら)」などであり、また現代の仙台の名物として誰もが思いつくのが、やはり「牛タン」でしょう。

まずは「埋もれ木」について解説します。

埋もれ木とは、いわば約500万年前の「木の化石」のようなもので作った、木工品です。
「埋もれ木細工(ざいく)」と言ったりしますが、木で作った、日用品や生活用品などです。
筆箱や入れ物などですかね。

神奈川県の箱根にも「寄木細工(よせぎざいく)」という名物がありますが、これも伝統的に昔から行われてきた、木を使って作った工芸品になります。

ではなぜ「埋もれ木」というのかというと、仙台の中心的な川である広瀬川(ひろせがわ)の中流に埋まっていた木が、長い年月をかけて石炭のように炭化したものです。木などの植物が長い間土の中に埋まっていると、その時にかかる圧力や温度の変化などで形を変えていきます(炭化)。
歌詞には「阿武隈川の埋木」とありますが、実際には阿武隈川は仙台市のかなり南を流れていますから、埋もれ木といえば広瀬川や名取川(なとりがわ)の埋もれ木を指すことが一般的です。

石炭の場合も、植物が長い年月に地中に埋まり、炭化したことでできる、いわば「植物の化石」ということができますが、埋もれ木も同じように植物の化石ではあるものの、石炭ほどは炭化していないものをいうもので、「亜炭(あたん)」と呼ばれます。特に、仙台のものは「仙台亜炭(せんだいあたん)」と呼ばれます。

次に、「仙台平」について解説します。

仙台平(せんだいひら)は、江戸時代の仙台藩の頃から伝統的に現代まで受け継がれてきた絹織物の一つです。
なお、「袴(はかま)」とは、下半身に身につける着物の一種です。

織物(おりもの)とは、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を交互に折りあわせて布から着物を作る、伝統的な衣服です。
そして、服に模様などを着色するときには染め物(そめもの)などの技術によって着色します。

仙台平は、独特かつ高度な技術によって作られてきたため、作ることができる職人さんの数は限られてきます。また、工程にも独自のこだわりある高度な技術によって丁寧に時間をかけて行うため、まず凡人ができるものではありません。それだけ価値のあるものです。
その上、明治時代以降に産業革命が起こると、安く大量に衣服を生産できる技術が発展してくるため、必然的に仙台平を製造する職人さんは減少してしまい、現代では「合資会社 仙台平」さんのみがその高度な技術を受け継ぎ、生産されています。

なお、「仙台平」というネーミングは、現在ではこの「合資会社 仙台平」さんの登録商標になっているため、他の職人さんや会社の方が仙台平という商品名で販売することはできません。
商標登録されている理由は、おそらく「仙台平の歴史的工法を(本当の意味)で継承している人が他にいない」ため、下手に新規に参入されて、偽物とはいなかいまでも、品質の低い仙台平を作られては仙台平のブランドに傷がついて困るからでしょう。仙台平は重要文化財にも指定されており、それだけ歴史的価値のあるものです。

そして、現在の仙台の名物として誰もが思い浮かべるであろう、「牛タン」について解説します。

牛タンは、元々は戦後に仙台にいたアメリカ軍が牛肉を食べていたときに、牛の舌(タング)を捨てていたため、食料困難に陥っていた人々がタングを食べたことが牛タンの起こりだそうです。
そして1948年に仙台で佐野敬史郎という人物によって開かれた牛タン専門店「味太助」は牛タン発祥の店であるとされています。

なお、「ホルモン」という名称についても、大阪弁で「ほるモン(捨てるもの。「ほる」とは大阪で「捨てる」という意味)」ということが語源とされていますが(私も大阪出身の人からそう言われたことがあります)、真偽のほどは定かでありません。
また、前回の記事で「伊達メガネ」の語源も伊達政宗にあると少し触れましたが、こちらも諸説あり真偽のほどは定かではないようです。
こうしたトリビア雑学)は、ごく親しい間柄同士、友人または家族同士で行うに留めておきましょう(^^;)

次回は、仙台の観光について解説します!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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