鉄道唱歌 奥州・磐城編の歌詞を、わかりやすく解説してゆきます!
鉄道旅行を楽しむためのノウハウを、初心者でも楽しめるよう解説してゆきます!
↓まずは原文から!
あそぶも旅の樂しみよ
店にならぶは津輕塗り
空に立てるは津輕富士
さらに読みやすく!
あそぶも旅の 楽しみよ
店に並ぶは 津軽塗り
空に立てるは 津軽富士
さあ、歌ってみよう!
♪あそぶもたびのー たのしみよー
♪みーせにならぶは つがるぬりー
♪そーらにたてるは つがるふじー
青森駅→新青森駅→川部駅→弘前駅
※鉄道唱歌に関連する主要駅、および乗り換え駅などを表記
青森まで来たら、津軽地方へ寄り道
青森まで来たら、やはり津軽地方の旅もしてみたいものです。
青森駅からは、奥羽本線に乗り換えて、弘前方面へ向かうことができます。

津軽富士・岩木山(青森県)
川部駅から分かれる「五能線」
弘前に向かう途中、
- 川部駅(青森県南津軽郡田舎館村)
という、五能線との分岐駅があります。
五能線は、青森県の北西部分の日本海側を経由して、秋田県の
- 東能代駅(秋田県能代市)
に至る路線です。
- 「五所川原」
- 「能代」
の頭文字を取って「五能線」というわけですが、実際には五所川原駅が起点ではなく、川部駅が起点になっています。
快速「リゾートしらかみ」は、なるべく海側のA席を確保
五能線を経由して秋田へ向かう快速「リゾートしらかみ号」は、座席指定券840円(※注意)を払えば、
- 「青春18きっぷ」
- 「北海道&東日本パス」
でも乗ることができます。
日本海側の景色は絶景なので、何としても「A席」を確保しましょう!!
もちろん、山側のD席であっても、窓が十分な大きさであるため、海を見ることは可能です。
けどやはり、A席の方がより海を広く見渡せるため、海をメインに楽しみたい場合は、A席を予約することをおすすめします。
五能線の旅について、簡単に解説
五能線の沿線について、簡単に紹介します。
川部駅を出発すると、津軽半島を徐々に北上し、五所川原市方面へ向かって進みます。
まずは、窓の景色がリンゴ畑に包まれます。
日本一のりんごの名産地・青森
青森県は、日本一のリンゴの産地です。
それは、青森県の夏でも冷涼な環境が、リンゴの生育に適しているからとのことです。
青森のりんごは、その美味しさから、全国的のみならず海外からも高い評価を得ています。
津軽富士・岩木山が登場
そして、窓の左側には、青森県で最も高い山である岩木山が登場します。

津軽富士・岩木山(青森県)
岩木山(いわきさん、標高1,625m)は、青森県で最も高い山(最高峰)です。
また、通称「津軽富士」と呼ばれます。
- 津軽地方にること
- 山の姿が、まるで富士山のようであること
から、津軽富士と呼ばれるわけです。
いわゆる、
- 北海道の「渡島富士(北海道駒ヶ岳のこと)」
- 「蝦夷富士(えぞふじ。羊蹄山のこと)」
などのような、いわゆる郷土富士(きょうどふじ)の1つです。
五所川原駅(五所川原市)に到着
しばらく北上すると、津軽鉄道(つがるてつどう)との分岐点でもある
- 五所川原駅(ごしょがわらえき、青森県五所川原市)
に到着します。

五所川原駅(青森県五所川原市)
津軽鉄道との分岐点・五所川原駅
津軽鉄道(つがるてつどう)は、津軽五所川原駅をスタートして北上し、津軽半島の真ん中あたりの
- 津軽中里駅(つがるなかざとえき、青森県北津軽郡中泊町)
までを走る私鉄路線です。
冬は「ストーブ列車」といって、この地域ならではの楽しさを味わえます。
太宰治の出身地の沿線を走る、津軽鉄道
また、沿線は小説家の
- 太宰治(だざい おさむ)
の出身地ということもあり、車両は主にオレンジ色の津鉄21型列車(走れメロス号)が運転されます。
車内では、
- 女性の車掌さんが津軽弁で沿線で解説してくれる
- 太宰治の小説「津軽」の朗読をしてくれる
という、ファンにはたまらないおもてなしがあります。
嘉瀬駅(金木町)に到着

津軽鉄道・嘉瀬駅(青森県五所川原市金木町)
嘉瀬駅(青森県五所川原市金木町嘉瀬)は、歌手の吉幾三さんの出身地ということで知られています。
金木駅(金木町)に到着

津軽鉄道・金木駅(青森県五所川原市金木町)
- 金木駅(青森県五所川原市金木町)
に到着します。
金木町には、太宰治の生まれた家を博物館のようにした、
- 斜陽館
があり、ファンにはたまらなすぎる展示で溢れています。
津軽・金木町出身の、太宰治
太宰治(1909年生・1948年没)は、青森県五所川原市金木町出身の小説家です。
代表作に「走れメロス」「人間失格」「斜陽」「津軽」などがあります。
幼少期からイケメンで成績は非常に優秀でしたが、社会にうまく適合できす、精神が安定せず、愛人と5回に及ぶ自殺未遂を繰り返しました。
最期は東京都三鷹市の玉川上水で自殺し亡くなられました。38歳という若さでした。
太宰治の小説は、日本を代表する作家として現在も多くの人々に読まれ続けています。
五所川原から西・日本海側へ
五所川原駅を出て西へ行くと、日本海側へ出てきます。
ここから、日本海の美しい景色が眺められます!

五能線・海の景色(青森県)
鰺ヶ沢駅(鰺ヶ沢町)に到着
しばらく行くと、
- 鰺ヶ沢駅(青森県西津軽郡鰺ヶ沢町)
に着きます。

鰺ヶ沢駅(あじがさわえき、青森県西津軽郡鰺ヶ沢町)
鯵ヶ沢町は、「ヒラメのヅケ丼」で有名な町で知られます。
かつて鰺ヶ沢には、白い犬の「わさお」さんがいました。
わさおさんは残念ながら2020年に亡くなられたようです。
千畳敷駅(深浦町)に到着
鯵ヶ沢駅を過ぎると、
- 千畳敷駅(青森県西津軽郡深浦町)
に着きます。

千畳敷駅(青森県西津軽郡深浦町)

千畳敷駅(青森県西津軽郡深浦町)
千畳敷とは、まるで千枚の畳を敷いた岩場のような海岸であることからこう呼ばれます。
千畳敷駅では、リゾートしらかみ号ならば便によっては観光のため約15分も停車してくれるものもあります。
ただし日本海側は風が強いため、外に出るときは十分注意しましょう。
スーツさんにゆかりある、広戸駅
さらに五能線で日本海側を南下すると、今や鉄道系YouTuberスーツさんにゆかりのある
- 広戸駅(青森県西津軽郡深浦町広戸)
に到着します。
スーツさんが2022年3月の動画でご自身の本名を「藤田裕人」であることを公表され、
- 藤田駅(福島県伊達郡国見町)
から広戸駅までの旅行の一部始終が動画で公開されています。
YouTubeで「スーツ 名前」で検索したら一発で出てきます。
とても勉強になるので、必ずチェックしましょう。
広戸駅からの近くには、
- 行会崎海岸
という海岸があります。
深浦駅を過ぎ、白神山地の横を通る
さらに
- 深浦駅(青森県西津軽郡深浦町)
を過ぎ、白神山地の西側を南下します。
白神山地は、「快速リゾートしらかみ」の名称の由来となっています。
また、ブナの原生林があります。
原生林とは、人類が生誕してから一度も手を加えられていない林のことをいいます。
つまり、地球が誕生したときのまま手が付けられずに残っているため、貴重というわけです。
東能代駅(秋田県能代市)に到着
秋田県に入り、奥羽本線との合流駅であり五能線の終着点である
- 東能代駅(秋田県能代市)
に到着します。

東能代駅(秋田県能代市)
スイッチバックの後、奥羽本線で秋田方面へ
リゾートしらかみ号はここ(東能代駅)でスイッチバックします。
その後、川部駅以来の奥羽本線に再び入ります。
そして、かつて湖を干拓(湖の水を干上がらせて平地を作ること)して出来た
- 八郎潟
を過ぎます。
男鹿線と分岐駅・追分駅
また、男鹿線との分岐点である
- 追分駅(秋田県秋田市)
も過ぎます。
秋田駅(秋田市)に到着
やがて秋田県の県庁所在地の秋田市の中心駅である、
- 秋田駅(秋田県秋田市)
に至ります。

秋田駅(秋田県秋田市)
五能線の旅についてさらに詳しくは、以下の記事でも解説
・・・かなり五能線の話にスペースを割いて申し訳ありません。
正直、五能線の旅についてはもっと語りたいことがあるのですが、今回はメインでないので、また別の機会にじっくり解説したいと思います!
2024年追記:以下の各記事にて書いております!



川部駅から、奥羽本線をそのまま南下 弘前駅へ寄り道
話を再び川部駅に戻します。
川部駅から奥羽本線をそのまま南下すると、青森県第3の都市であり、津軽地方の中心都市である弘前市の中心駅、
- 弘前駅(青森県弘前市)
に到着します。

弘前駅(青森県弘前市)
かつて弘前駅から出て行った、就職列車
上野駅のところでも解説しましたが、1960年代には「就職列車」といって、
- 義務教育を追えた若者の皆さんが、
- 当時人手不足だった東京へ、
- ここ弘前駅から就職列車に乗って、
- 夢と希望を抱いて上野駅まで旅立ってきた
というわけです。
これを「集団就職」といいます。
かつて「金の卵」といわれた立役者
青森をはじめ東北地方出身の彼らは「金の卵」と呼ばれ、高度経済成長期の東京を支えた率役者として、尊敬の念を集めています。
また、就職列車については青森県出身の井沢八郎という歌手によって
- 「あゝ上野駅」
という曲で歌われています。
弘前は「ひろさき」と読む
弘前は「ひろさき」と読みます。「ひろまえ」ではありません。
私(筆者)は大学受験のとき、いわゆる「赤本(過去問題集)」を探していたときに、本屋に「弘前大学」とありました。
そこで、初めて「ひろまえだいがく」の存在を知ることになります。
私は当時17歳、右も左もわからない世間知らずだったときのことです。
しかし、塾(予備校)で周りに平気で「ひろまえだいがく」と言ってしまい、誰かに
と言われて大恥をかきました。
当時の私は、周りよりも明らかに常識知らずの世間知らずだったため、色んな所でいわゆる「恥の多い生涯」を送っていました(太宰治には親近感が湧きます)。
学校でも、バイトをやっても、会社に入っても、自分だけがなぜか怒られ続けました。
何で自分だけこんなに出来ないんだろうと思っていました。
いわゆる、「社会不適合者」です。
発達障害(ADHD)などの先天的要素ありです。
(ここから先は話すと長くなるので、この話はここで止めておきます)
青森県唯一の国立大学・弘前大学
弘前大学は、青森県唯一の国立大学です。
国立大学で県名と大学名が一致していないのは、珍しいパターンではあります。
「青森大学」という名称の大学も存在しますが、あくまで私立大学であり、青森県内の国立大学は弘前大学です。
青森県第三の都市・弘前市
青森県弘前市は、青森市、八戸市に次ぐ青森県第3の都市であり、また津軽地方の中心都市です。
弘前市には、かつて江戸時代に津軽氏の居城だった、弘前城があります。

弘前城跡(青森県弘前市)

弘前城跡(青森県弘前市)
津軽名物「ねぷた祭り」
弘前市、五所川原市など津軽地方では夏の風物詩として「ねぷた祭り」があります。
これは、毎年8月上旬に行われるお祭りです。
青森市では「ねぶた」ですが、弘前市や五所川原市など津軽地方では「ねぷた」に変わるので、混同しないよう注意しましょう。
ねぷたまつりの起源は、青森市の青森ねぶた祭と同じように、坂上田村麻呂に由来するようです。
平安時代に坂上田村麻呂が蝦夷をおびき寄せるためにわざとお祭り騒ぎを起こした、という話でしたね。
「東北3大祭り」
なお、以下の3つを合わせて「東北3大祭り」と呼ばれます。
- 青森ねぶた祭り(青森県)
- 竿灯(かんとう)祭り(秋田県)
- 仙台七夕まつり(宮城県)
津軽名物「津軽塗」
歌詞にある「津軽塗り」についてです。
津軽塗は、
- 津軽地方ならではの、安価で加工しやすい丈夫な原材料を用いて、
- 地元のスペシャリストによる高度な技術によって製造される、
- とても耐久性に優れた伝統工芸品
となります。
次回からは、「帰り」の行程へ
弘前や津軽地方の観光が終わったら、次回からはいよいよ帰りの行程になります!
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