鉄道唱歌 奥州・磐城編 第59番 筑波山と、その戦いの歴史

まずは原文から!

雲井(くもい)の空に耳二つ(みみふたつ)
立てたる駒(こま)の如(ごと)くにて
みゆる高嶺(たかね)は男體(だんたい)と
女體(にょたい)そびゆる筑波山(つくばやま)

さらに読みやすく!

雲井(くもい)の空に耳二つ(みみふたつ)
立てたる駒(こま)の如(ごと)くにて
みゆる高嶺(たかね)は男体(だんたい)と
女体(にょたい)そびゆる筑波山(つくばやま)

さあ、歌ってみよう!

♪くもいのそーらに みみふたつー
♪たてたるこまのー ごとくにてー
♪みーゆるたかねは なんたいとー
♪にょたいそびゆる つくばやまー

(常磐線)
仙台駅→(※注1)→岩沼駅→相馬駅(旧・中村駅)→原ノ町駅→浪江駅→双葉駅(旧・長塚駅)→富岡駅→木戸駅→広野駅→久ノ浜駅→いわき駅(旧・平駅)→内郷駅(旧・綴駅)→湯本駅→泉駅→勿来駅→大津港駅(旧・関本駅)→磯原駅→高萩駅→日立駅(旧・助川駅)→常陸多賀駅(旧・下孫駅)→水戸駅→友部駅→石岡駅→土浦駅→松戸駅→北千住駅→南千住駅→日暮里駅(※注2)

※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記
※注1 仙台駅→岩沼駅は東北本線の区間
※注2 当時は田端駅が終端

土浦駅(つちうらえき、茨城県土浦市)を過ぎると、窓の右側、もしくは右後ろには、筑波山(つくばやま)という、二つのトンガリ帽子のような山がそびえ立ちます。

筑波山(画像不鮮明ですみません)(しかも写真は水戸線の車窓のものです)

筑波山(つくばやま、標高877m)は、男体山(なんたいさん)と女体山(にょたいさん)の二つの大きな山からなる山です。

霞ヶ浦(かすみがうら)からもはっきり見える上、茨城県龍ケ崎市(りゅうがさきし)にある牛久沼(うしくぬま)からの筑波山の眺めもまたいいものです。

昔は「山には神様が宿っている」または「山そのものが神様である」という考え方があったため(山岳信仰)、筑波山もその山岳信仰の対象とされてきた歴史があります。

筑波山は、幕末に「筑波山の戦い」が起きた場所でもあります。

筑波山の戦い」は、幕末の水戸浪士とよばれる人達が決起した戦いです。
水戸浪士とは、水戸学の影響を受けた、「外国からの影響を排除して、自分たちの力だけでよい国を作ろう!」と決意した武士たちです。
つまり、尊王攘夷(そんのうじょうい)という考え方です。しかし、「口で言っても聞かない相手には、武力など実力行使をもってしてでも、国を変えてやる!」という考え方のため、当然ながら「外国の考え方を受け入れて、新しい国を作っていこう」という考え方の人達との間で争いが起きてしまいます。

こうして、筑波山で水戸浪士の1グループである天狗党(てんぐとう)」が決起して京都を目指し、尊王攘夷を実現するために西へ西へと進んでいきます。
そして、群馬県から中山道ルートを通じて長野県に入り、軽井沢と諏訪湖(下諏訪町)の間にある中山道の難所・和田峠(わだとうげ)に入り、ここで争いが勃発します。
これを「和田嶺合戦(わだみねがっせん)」といい、中央線鉄道唱歌35番でも「下社の森の木立には 水戸の浪士の物語り」と歌われています。

和田峠を攻略した天狗党は、京都を目指してさらに西へ進んでいきますが、京都に入る前に足止めを食らい、劣勢に立たされて、北の敦賀(つるが。福井県敦賀市)まで退却します。
ここで力尽き、天狗党のリーダーだった武田耕雲斎(たけだこううんさい)は、斬首されてしまいます。

幕末の外国からの影響により新たな国を作ろう、という雰囲気があった中で、最期まで天皇や国に誇りを持ちながら散っていった武田耕雲斎のことは、鉄道唱歌 北陸編 第67番でも
身を勤王にとおしたる 耕雲斎の碑をとえば 松の木かげを指さして あれと子供はおしえたり
と歌われていますね。

このように、茨城県の筑波山、長野県の下諏訪町、福井県敦賀市は、やはり歴史を通じて関連性があります。
そういう意味では、鉄道唱歌は、すごく歴史の勉強になる、優れた教材となります
こうして、鉄道や地理を通じて、歴史について知っていくのもとても面白いといえます。
歴史について知れば、鉄道の旅も面白いものになります

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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