鉄道唱歌 東海道編(鳴海絞り・桶狭間・大高など)について、鉄道に詳しくない方にもわかりやすく解説してゆきます!
↓まずは原文から!
鳴海に近き大高を
下りておよそ一里半
ゆけば昔の桶狹間
さらに読みやすく!
鳴海に近き 大高を
下りておよそ 一里半
ゆけば昔の 桶狭間
さあ、歌ってみよう!
♪なるみにちかきー おおだかをー
♪くだりておーよそ いちりはんー
♪ゆーけばむかしの おけはざまー
浜松駅→舞阪駅→弁天島駅→豊橋駅→蒲郡駅→岡崎駅→南大高駅→大高駅→熱田駅→名古屋駅→岐阜駅→大垣駅→関ヶ原駅→米原駅
※鉄道唱歌に関係ある主要駅のみ抜粋
岡崎駅を出て、大高(おおだか)・名古屋方面へ
岡崎駅(おかざきえき、愛知県岡崎市)を過ぎ、
- 安城(あんじょう)
- 刈谷(かりや)
- 大府(おおぶ)
を過ぎると、右手に豊富な緑のある大高緑地(おおだかりょくち)のあるエリアに着きます。
大高周辺には、伝統的な染め物で有名な
- 鳴海(なるみ)
- 有松(ありまつ)
といった地域、そして1560年の「桶狭間の戦い」で有名な桶狭間古戦場(おけはざまこせんじょう)があります。
尾張藩によって保護されてきた名産・鳴海絞り
- 「鳴海絞り(なるみしぼり)」
- 「有松絞り(ありまつしぼり)」
とは、この地域で有名な染め物のことです。
「染め物」とは?
染め物とは、織物に対して、いわゆる「模様」をつけたりする手法のことです。
美しい模様をつけることで、高級感やおしゃれ感を演出することができます。
その模様がとても美しいため、鳴海絞りは有名だというわけです。
鳴海絞りは、江戸時代に東海道を行き交う旅人たちに、お土産品としてよく購入されたそうです。
尾張藩のサポートを受けながら発展してきた
そして、鳴海絞りは、尾張藩の保護を受けてながら盛んになりました。
つまり、おそらくですが藩から財政的なサポートや、知名度アップのための宣伝などもあったことでしょう。
これは現在の自治体が、
- 観光客を誘致するために、そこに予算を掛けたりする
- SNSなどで大々的にPRする
といったことと同じことですね。
また、質の低い偽物が出回らないように、尾張藩によって厳しく取り締まられたことでしょう。
高度な技術が要求される、鳴海絞り
鳴海絞りは、非常に高度な技術を必要とし、何十年もの熟練を要してできるものになります。
なので、素人がそう簡単に作れるものでありません。
仮に作ったとしても、全てそれらは劣化コピーか、偽物ということになってしまいます。
多地域の「染め物」
他にも染物で有名なのは、京都の友禅染(ゆうぜんぞめ)があります。
また福島にも「しのぶ文字摺り石(もじずりいし)」という、石に布をつけて模様を出す手法の染色技術もありました。
また、その石も現在では福島市の観光名所となっています。
鉄道唱歌 奥州・磐城編 第23番でも歌われていますね。
詳しくは、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

大高から約数キロ、桶狭間へ
歌詞にあるように、大高緑地(おおだかりょくち)から桶狭間古戦場(おけはざまこせんじょう)へは約2~3キロの道になります。
1里は約1.6km、半里は0.8km。合計2.4kmです。
徒歩でいくと約20分ほどの距離があるので、気を付けていきましょう。

桶狭間古戦場公園(愛知県名古屋市緑区)
織田信長と今川義元が戦った、桶狭間の戦い
桶狭間の戦いは、1560年に起こった戦いです。
織田信長がわずか3,000の兵で、15,000人の今川義元の軍団を破った戦いとして知られます。
桶狭間の戦いは、織田信長が奇襲戦をかけたことで勝利したとされます。また、天気や地形などをうまく利用したともいわれています。
現在の静岡県にあたる駿河(するが)地域を支配していた今川氏でしたが、この戦いで敗れたことを機に一気に衰退していくことになります。
そして今川氏の滅亡とともに、それまで人質だだった徳川家康も自立し、自由の身となるのです。

桶狭間古戦場(愛知県名古屋市緑区)
大高駅を出て、笠寺駅へ 東海道新幹線と間近に並走する
桶狭間古戦場公園と、大高緑地からは南大高駅(みなみおおだかえき)が近いので、ここから乗っていくと仮定します。
南大高駅(みなみおおだかえき、愛知県名古屋市緑区)を過ぎると、さらには笠寺駅(かさでらえき、愛知県名古屋市南区)をも過ぎていきます。
新幹線がすぐ横を猛スピードで過ぎ去る、笠寺駅
笠寺駅(かさでらえき)は、ホームの真横を新幹線がいきなり轟音で走っていきます。
そのため、駅のホームで列車を待つ際には(私だけだと思いますが)勇気が要ります(^^;)
私は度胸がないヘタレなので、
と、ホームで列車を待つ際にはガクガクブルブル状態です。
しかし、駅ホームで待つ(地元民の)他の皆さんは慣れているのか、皆平気な顔をされているので、凄いなと思ってしまいます。
新幹線とほぼ「密着状態」のこの地域
ちなみにこの地域(大高周辺)は、車道と新幹線の線路がほぼ密着しているエリアが多いという印象です。
新幹線は、全国的には基本的に高架の上を走ったり、人里離れた場所に線路があることが多いため、これだけ民家や住宅地に密着した場所に新幹線の線路があることは珍しいと思っています。
そして、私が「のぞみ」「ひかり」に乗ったときに、この地域(大高緑地付近)でスマホのGPSアプリで測ったら時速285kmと出ていて、ビックリしました。
そして慣れていないヨソ者の私が、新幹線の線路と密着した大高周辺の公道を通りかかったとき、いきなり新幹線N700系が猛スピードと轟音で走り去ったので、おったまげたことがあります(^^;)
新幹線の線路は、原則立入禁止
なお、新幹線の線路は厳重な立ち入り禁止区域であり、高い金網と有刺鉄線で厳重に隔離されています。
もしも万一線路に侵入すると犯罪となるため、新幹線の線路付近を通行するときは、うっかり入ってしまわないよう、充分に気をつけなければなりません。
というか、普通に危ないですからね・・・。
笠寺駅付近の「日本ガイシホール」
笠寺駅の近くにはあの「日本ガイシホール」があります 。
日本ガイシホールはアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」で、Aqoursが「MIRAI TICKET」という曲を歌った会場のモデルとされています。
いわゆる「リアクタンス(抵抗)」
ガイシは「碍子」と書きます。
「碍」には「妨げる」という意味があります。
例えば、「障害者」という表記が好ましくないシチュエーションのときに「障碍者」と書くことがありますが、あの「碍」と同じ意味です。
では、何を妨げるのかというと、電気です。つまり、電気抵抗のことをいいます。リアクタンスともいいます。
「オームの法則」が、こんなところで役立っている!
中学生のときに「オームの法則」を習ったと思いますが、なぜ電気抵抗が必要なのかというと、まともに電線に触れると感電して事故に繋がります。
そのため、それを防ぐためにゴムなどの電気抵抗値が高い被覆で電線を覆い、感電することを防いでいるのです。
100万ボルトもの送電線は非常に危険であり、感電事故などを防ぐために碍子(ガイシ)は役立っているのです。
Aqoursについて少し余談
余談ですが、名古屋市と「ラブライブ!サンシャイン!!」は2022年時点でもコラボレーションが多く、名古屋駅や栄(さかえ)でアニメの装飾がなされていたりして、ファンとしては嬉しい限りです。
名古屋市には、Aqoursのメンバーがライブ出演のためにしばしば遠征し、沼津や函館、秋葉原などに次ぐアニメの舞台となっており、「名古屋テレビ塔」「ナナちゃん人形」なども登場します。
次回は、熱田駅へ
笠寺駅を過ぎると、次は熱田駅に止まります!
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