鉄道唱歌 山陽・九州編の歌詞(姫路の観光・歴史など)について、鉄道に詳しくない方にもわかりやすく解説してゆきます!
まずは原文から!
姫路は城の名にひゞく
こゝより支線に乘りかへて
ゆけば生野は二時間餘
さらに読みやすく!
姫路は城の 名にひびく
ここより支線に 乗りかえて
ゆけば生野は 二時間余
さあ、歌ってみよう!
♪ひめじはしろのー なにひびくー
♪ここよりしせんに のりかえてー
♪ゆーけばいくのは にじかんよー
神戸駅→兵庫駅→鷹取駅→須磨駅→舞子駅→明石駅→加古川駅→姫路駅→相生駅(旧・那波駅)→岡山駅→倉敷駅→福山駅→尾道駅→糸崎駅→三原駅→海田市駅→広島駅→西広島駅(旧・己斐駅)→五日市駅→宮島口駅→岩国駅→柳井駅→徳山駅→防府駅(旧・三田尻駅)
※鉄道唱歌に関係ある主要駅のみ表記
※鉄道唱歌のできた当時(1900年)は、防府駅(旧・三田尻駅)から先は開通していなかったため、徳山港から船で門司(九州)へ
姫路駅へ到着
加古川駅(かこがわえき、兵庫県加古川市)からさらに西へ進むと、姫路駅(ひめじえき、兵庫県姫路市)へ到着します。

姫路駅(兵庫県姫路市)

姫路駅(兵庫県姫路市)
姫路駅は、北の
- 生野
- 和田山
方面へ向かう播但線、そして岡山県の
- 津山
- 新見
方面へと向かう姫新線との分岐駅でもあります。

姫路市の街並み(兵庫県姫路市)
世界遺産・国宝「姫路城」
兵庫県姫路市は、世界遺産の姫路城で有名です。
姫路城は、日本初の世界遺産として登録されました。
姫路城は外観・風貌がとにかく美しいことで知られています。見た目も美しいですし、防御面でも優れた平和の象徴ともいえます。

姫路城(兵庫県姫路市)
姫路城は江戸時代には、中国地方や九州地方の大名を監視したり防御したりするために、西日本の防衛の重要拠点とされていました。
中国地方や九州地方には、関ヶ原の戦いで「西軍」という、徳川家康に対して敵対した大名が多く配置されています(外様大名)。
こうした外様大名は関ヶ原の戦いの罰として多くの領地を減らされて配属になった者もいたため(「減封」といいます)、徳川家に対して恨みを抱いている可能性もあります。
そのため、江戸幕府としてはこうした中国地方や九州地方の大名が謀反や反乱を起こさないように監視する必要がありました。その監視の重要拠点が、姫路城だったわけです。
しかし江戸時代、姫路城の城主は何度も家系が変わっています。
その理由は城主が幼少で政治のスキルが足りていなかったり、幕府から信頼されていなかったりと様々でした。
中国地方や九州地方の防衛の要だっただけあって、姫路城の城主の配置には幕府も相当神経質だったようです。
また、姫路城は太平洋戦争(大東亜戦争)において、空襲で奇跡的に破壊されずに残ったというエピソードもあります。
なぜ姫路城だけが破壊されずに無事だったのかは、米軍による配慮があったことや、姫路城のお堀が米軍のレーダーに映らなかったために攻撃目標として察知できたなかった(つまり、お堀によって空襲から守られた)など様々な説があります。

姫路の景色(姫路城より)
姫路駅から北の生野方面へ分かれる播但線
姫路駅からは、播但線という生野方面へ向かう鉄道路線が出ています。
歌詞では「支線に乗り換えて」とありますが、鉄道唱歌の当時はあくまで山陽線の「支線」であったようです(?実際には1890年代の「播但鉄道」という私鉄が起源であり、真偽は不明)。
つまり、本線に附属した路線だったということです。
現在では播但線という独立した路線です。
播但線は、「播磨」と「但馬」のを結ぶ路線という意味合いからきています。
「播磨国」とは、現在の兵庫県西部をいいます。
「>但馬国たじまのくに」とは、現在の兵庫県北部をいいます。
生野銀山や竹田城跡 播但線の名所
播但線は、兵庫県姫路市の姫路駅と、兵庫県朝来市の和田山駅を結ぶ路線です。
途中には、
- 歌詞にあるように生野銀山で有名な生野
- 「天空の城」で有名な竹田城跡のある竹田駅
があります。
竹田城跡は、いわゆる「天空の城」として有名です。
なぜ天空の城なのかというと、比較的低い位置に霧ができるので、山の上にある城は雲海を見下ろすことができます。
これにより、天空の城と呼ばれるわけです。
ここから生野方面の列車が分かれていますが、姫路駅から生野駅・竹田駅・和田山駅まで直通する列車は少ないようです 。
したがって、途中で
- 寺前駅(てらまええき、兵庫県神崎郡神河町)
で乗り換えが必要です。
したがって、播但線も残念ながら、
- 加古川線
- 広島県の木次線
などと同様に、山陽~山陰を結ぶ陰陽連絡路線としての機能はちょっと弱いようです。
現代での山陽~山陰間の移動は「真っ直ぐで走りやすい高速道路」が充実しているため、高速バスが圧倒的優位となっています。
速さ・値段の面で鉄道が高速バスに優位に勝つのは、特急列車などを設定しない限り(したとしても)なかなか難しいといえます。
生野銀山は、幕府の直轄地であり、また明治時代には官営模範銀山として発展しました。
直轄地とは、幕府が直接経営する場所のことです。
こうした直轄地は、島根県の石見銀山も該当します。
模範銀山とは、幕府によって「この銀山の仕組みを見習って運営せよ」と他の銀山に示す銀山です。
歌詞冒頭の「阿弥陀」とは?
なお歌詞冒頭の「阿弥陀」とは、人々を幸せに導いてくれる(救済してくれる)仏様のことです。
「南無阿弥陀仏」とは、阿弥陀様に帰依します、という意味になります。
そしてこれを唱えた人は幸せになれる(救済される)いう仕組みです。
しかしこの地域と「阿弥陀様」との関連性は散々調べたのですが、よく分かりませんでした。
また分かり次第、加筆するかもしれません。
姫路からは相生・岡山方面へ 乗り換えがややシビア

姫路駅(兵庫県姫路駅)
姫路駅から先は相生方面へ向かいたいわけですが、姫路駅では
- 網干行き
- または、播州赤穂行き
の、いずれかに乗りかえます。
ここでは、
- まずは播州赤穂行きに乗り換えて
- 途中の相生駅で、山陽線に乗りかえる
という、やや複雑な乗りかえになります。
というのも、網干行きに乗り換えるとそれ以上先(相生方面)へ行くには、どのみちまた乗り換えが発生するからです。
また、相生駅で山陽線のうち
- 上郡方面
- 岡山方面
へ乗りかえなければ、赤穂線に入ってしまいます。
播州赤穂駅による予定出ない場合は山陽線のルートから外れるため、相生駅で山陽線への乗りかえになります。
そして、姫路駅や相生駅では乗り換え時間がわずか2分とシビアになりがちです。
列車を降りた瞬間みんなでダッシュして次の列車に急ぐという光景が(特に青春18きっぷのシーズンには)よくみられます。
次は、相生駅に止まります!
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