鉄道唱歌 山陽・九州編 第21番 宮島を観光 海に浮かぶ幻想的な厳島神社

まずは原文から!

海にいでたる廻廊(かいろう)の
板を浮かべてさす汐(しお)に
うつる燈籠(とうろ)の火の影(かげ)は
星か螢(ほたる)か漁火(いさりび)か

さらに読みやすく!

海にいでたる廻廊(かいろう)の
板を浮かべてさす汐(しお)に
うつる灯籠(とうろ)の火の影(かげ)は
星か蛍(ほたる)か漁火(いさりび)か

さあ、歌ってみよう!

♪うーみにいでたる かいろうのー
♪いーたをうかべて さすしおにー
♪うーつるとうろの ひのかげはー
♪ほーしかほたるか いさりびかー

(山陽本線)
神戸駅→兵庫駅→鷹取駅→須磨駅→舞子駅→明石駅→加古川駅→姫路駅→相生駅(旧・那波駅)→岡山駅→倉敷駅→福山駅→尾道駅→糸崎駅→三原駅→海田市駅→広島駅→西広島駅(旧・己斐駅)→五日市駅→宮島口駅→岩国駅→柳井駅→徳山駅→防府駅(旧・三田尻駅)

※鉄道唱歌に関係ある主要駅のみ表記
※鉄道唱歌のできた当時(1900年)は、防府駅(旧・三田尻駅)から先は開通していなかったため、徳山港から船で門司(九州)へ

厳島神社(いつくしまじんじゃ)は、広島県廿日市市の日本三景・宮島にある、イチキシマヒメノミコトという海の交通安全を守る女性の神様を祀る神社です。
また、よく写真でご存じのように、厳島神社の鳥居は海の上建っています

宮島はいわば「聖なる島」という扱いなので、島の陸地ではなく、海の上に鳥居が立っています。

宮島は島全体が御神体(ごしんたい)であり、島に対して鳥居を建てることは神に対する冒涜という風に言われていたからです。

また、これは前回も解説しましたが、宮島では島の土に遺体を埋葬することは神に対してや島に対して穢(けが)すと言われているので、島民が亡くなられた際には本土まで遺体を運んで墓に埋葬されているそうです。

宮島は、かつて平清盛(きよもり)が瀬戸内海(せとないかい)の水道航路を発展させるために整備しました。
その理由は、日宋貿易(にっそうぼうえき)といって、貿易によって大きな利益を挙げるために、その水路となる宮島や瀬戸内海の交通の便を整備する必要があったからです。
そのため、宮島をはじめ瀬戸内海の航路の発展は、平清盛の政権において重要だったのです。

瀬戸内海(せとないかい)の主な港湾施設は、兵庫の神戸の大輪田泊(おおわだのとまり。和田岬のこと)に始まり、岡山県倉敷市(くらしきし)の玉島港(たましまこう)や、広島県福山市(ふくやまし)の鞆の浦(とものうら)、尾道(おのみち)の港湾などが挙げられます。

昔は現在のように鉄道による貨物輸送も、また航空輸送や長距離トラック輸送などもなかったため、こうした舟に大量の荷物をのせて運ぶというのは貿易においても非常に重要だったのです。

また、皆さんご存じのように、宮島にはたくさんの鹿がおられます。
宮島の鹿は、奈良公園の鹿と並んで有名ですね。

宮島の鹿

宮島の鹿は、宮島が約6,000年前に本土から分離されたた時に、そのまま連れてこられた鹿の子孫が、現在も残っているからだそうです。

ちなみに奈良の鹿は、茨城県の鹿島神宮(かしまじんぐう)からタケノミカヅチという「戦いの神様」を乗せてやってきたとされています。

なので、宮島の鹿と奈良の鹿は、関連性はないようです。

宮島の鹿と、大久野島(おおくのしま)のウサギは、広島県の観光に訪れた際にはセットで見に行きたいものですね。

歌詞の意味としては、
海に浮かんでいる回廊(歩く場所)の、板を浮かべている(夜の)海の水に、映る燈籠(むかしの灯台のようなもの)の火の影は、星なのか蛍なのか、それか漁り火なのかわからない。(それほど美しくて綺麗だ。)

などの意味になるでしょう。

回廊(かいろう)」とは、厳島神社は海に浮かんでいるので、その人々が歩くスペースのことをいいます。

燈籠(とうろう)」とは、現代の灯台と同じ役割を果たす建造物です。つまり、夜の海を明るく照らして、舟人の道しるべになっていたものです。

漁り火(いさりび)」とは、夜の海に映る漁師たちが発する光のことです。

その海に映る燈籠の光は、まるで星のようだったり、蛍の光のようだったり、または漁り火のようだったりしてとても美しく綺麗だというわけですね。

考えただけでも、幻想的で美しい光景の歌詞だといえます。

次回は、「厳島の戦い」について解説します!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
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