まずは原文から!
出船(でぶね)入船(いりぶね)たえまなき
商業繁華(しょうぎょうはんか)の三田尻(みたじり)は
山陽線路(さんようせんろ)のをはりにて
馬關(ばかん)に延(の)ばす汽車(きしゃ)のみち
さらに読みやすく!
出船(でぶね)入船(いりぶね)たえまなき
商業繁華(しょうぎょうはんか)の三田尻(みたじり)は
山陽線路(さんようせんろ)のおわり(終わり)にて
馬関(ばかん)に延(の)ばす汽車(きしゃ)のみち
さあ、歌ってみよう!
♪でーぶねいりぶね たえまなきー
♪しょうぎょうらんかの みたじりはー
♪さんようせんろの おわりにてー
♪ばかんにのーばす きしゃのみち
(山陽本線)
神戸駅→兵庫駅→鷹取駅→須磨駅→舞子駅→明石駅→加古川駅→姫路駅→相生駅(旧・那波駅)→岡山駅→倉敷駅→福山駅→尾道駅→糸崎駅→三原駅→海田市駅→広島駅→西広島駅(旧・己斐駅)→五日市駅→宮島口駅→岩国駅→柳井駅→徳山駅→防府駅(旧・三田尻駅)
※鉄道唱歌に関係ある主要駅のみ表記
※鉄道唱歌のできた当時(1900年)は、防府駅(旧・三田尻駅)から先は開通していなかったため、徳山港から船で門司(九州)へ
三田尻(みたじり)とは、防府(ほうふ)、つまり現在の山口県防府市(ほうふし)のことです。
防府駅(ほうふえき、山口県防府市)は、明治時代の1898年の開業当時は三田尻駅(みたじりえき)といっていました。
防府(ほうふ)の由来はかつて周防国(すおうのくに)の国府(こくふ)があったことに由来します。
周防国(すおうのくに)は、現在の山口県の東部のエリアをいいます。これは奈良時代の律令制(りつりょうせい)における、現代でいう都道府県のようなエリア分けのことをいいます。
周防国(すおうのくに)の領域には、岩国市、柳井市、光市、周南市、防府市、そして山口市などが含まれます。
国(くに)とは、先述の通り、現在の都道府県にあたる日本古代からのエリア分けをいいます。
国府(こくふ)とは、現代でいうところの県庁のようなものであり、その国の政治の中心機関となった場所です。
防府は、菅原道真(すがわらの みちざね)公にゆかりある防府天満宮(ほうふてんまんぐう)で有名です。
平安時代の西暦900年、あまりにも天才ぶりに嫉妬をかった菅原道真公は、身に覚えのない罪を着せられて、九州・福岡の大宰府(だざいふ)に左遷(させん)となってしまいました。
左遷(させん)とは、罰として不自由かつ不便な場所に飛ばされてしまう仕打ちのことです。
なぜ死刑にならずに流罪(るざい)や左遷(させん)という処置が取られるのかについては、あえて僻地(へきち)で惨めな思いをさせるという、これはこれで残酷な仕打ちになるからでしょう。
ただ、大宰府(だざいふ)は古代から北九州の政治の中心地域であり、また現代でも交通の便のいい場所なので、そこまで不便な場所ではないと思います。
本当に不便な場所であれば、例えば島流し(しまながし)など、もっと惨めで何もない場所に飛ばされてしまいます。
菅原道真公は、西国街道(さいこくかいどう)という京都から九州までの街道を通って大宰府に向かいましたが、防府天満宮は菅原道真公が途中で防府に立ち寄ったことに由来します。
菅原道真公が大宰府で亡くなったのは西暦903年ですが、防府天満宮はその翌年の西暦904年に造られたので、かなり早い段階でできた神社といえます。
したがって、防府天満宮は「日本最初に創建された天神様」というそうです。
「天神様」とは、言うまでも無く菅原道真公のことを神様として慕って言う呼び名であり、福岡ならでは繁華街である「天神」の由来も菅原道真公に由来します。
それは、福岡天神の那珂川(なかがわ)の近くには、水鏡天満宮(すいきょうてんまんぐう)という、同じく菅原道真公を祀る神社があるからです。
さて、山陽線の旅は、鉄道唱歌の時代(西暦1900年)には歌詞にあるように、ここ防府駅(当時は三田尻駅)で止まっていました。
防府駅から下関駅まで開通したのは、この少し後の1901年のことです。
参考までに、新山口駅(旧・小郡駅)・厚狭駅までが開業したのは西暦1900年、そしてその翌年には先述の通り、下関駅(当時は馬関駅)まで開業しています。
話を戻しますが、上記の理由により鉄道唱歌の旅では防府駅(旧・三田尻駅)から一旦徳山港まで戻り、そこから船で北九州の門司(もじ)まで行くことになります。
次回は、徳山~門司(九州)への行程になります!
注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
コメント