鉄道唱歌 山陽・九州編 第32番 九州の東海岸沿いを南へ 城野・行橋・宇島を過ぎ、やがて中津へ

まずは原文から!

これより汽車(きしゃ)を乘(の)りかへて
東の濱(はま)に沿(そ)ひゆかば
城野(じょうの)行橋(ゆくはし)宇島(うのしま)を
すぎて中津(なかつ)に至るべし

さらに読みやすく!

これより汽車(きしゃ)を乗(の)りかえて
東の浜(はま)に沿(そ)いゆかば
城野(じょうの)行橋(ゆくはし)宇島(うのしま)を
すぎて中津(なかつ)に至るべし

さあ、歌ってみよう!

♪これよりきしゃを のりかえてー
♪ひがしのはまにー そいゆかばー
♪じょうのゆくはし うのしまをー
♪すーぎてなかつに いたるべしー

(鹿児島本線)
門司港駅→門司駅→小倉駅→西小倉駅

(日豊本線)
西小倉駅→城野駅→行橋駅→宇島駅→中津駅→宇佐駅

(鹿児島本線)
小倉駅→折尾駅→箱崎駅→博多駅

※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記
※鉄道唱歌ができた当時(1900年)は宇佐駅より南側は開通していなかったため(1910年開通)、小倉駅に一旦戻って折尾・博多方面へ進む

小倉駅からは、日豊本線に乗り換えて行橋・中津方面へ寄り道

鉄道唱歌の九州の旅では、まずは西小倉駅(にしこくらえき)から日豊本線(にっぽうほんせん)に乗り換えて、城野駅(じょうのえき)、行橋駅(ゆくはしえき)、宇島駅(うのしまえき)、中津駅(なかつえき)という具合に、九州の東海岸国東半島(くにさきはんとう)の方面へ進みます

本格的に始まる、九州の鉄道の旅

ここから本格的に、九州の鉄道の旅が始まります。

是非とも、JR九州の鉄道旅をするときは鉄道唱歌もそうですが、併せてJR九州の社歌「浪漫鉄道(ろまんてつどう)」の歌を覚えてゆきましょう。

YouTubeで近年リニューアルされた「浪漫鉄道」のPVがJR九州からアップされていますので、このPVを思い出しながら車窓を眺めると、九州の鉄道旅の面白さがアップします。

かつてたくさんの石炭が採れた、筑豊炭田

城野駅(じょうのえき、福岡県北九州市小倉南区)は、日田彦山線(ひたひこさんせん)との分かれ道になります。
日田彦山線は、歴史的にたくさんの石炭を運んでいたのです。それは筑豊炭田(ちくほうたんでん)という、九州の北部に石炭がガッポリ採れる山があったからです。
明治時代は、鉄道など何を動かすにも石炭が必要であり、掘れば掘るほど売れる時代でした。
これは北海道の夕張炭鉱(ゆうばりたんこう)や幌内炭鉱(ほろないたんこう)、その他全国の炭鉱などにも同じことがいえます。

日田市(ひたし)は、大分県の内陸部にある自治体であり、豊肥本線からも向かうことができます。日田市にある、日田彦山線の終点である夜明駅(よあけえき、大分県日田市)は、その特徴的な名前から鉄道ファンより人気があります。

英彦山(ひこさん)とは、大分県と福岡県にまたがる、かつて神様が宿るとされてきた威容ある山です。

行橋市に到着

福岡県行橋市(ゆくはしし)は、かつてより豊前(ぶぜん)地域の中心部の繁華の町として栄えてきました。

行橋駅(福岡県行橋市)

かつて江戸時代までは、中津街道(なかつかいどう)といって、徒歩又は馬で何日もかけて移動していた道路があったのでした。

豊前国(ぶぜんのくに)とは、現在の福岡県の東部のことをいいます。

「九州」という言葉の由来 「九州」と呼ぶ理由

ちなみに「九州(きゅうしゅう)」という名前の由来ですが、これはかつて律令制において「9つの国」があったことに由来します。

現在の九州は

01 福岡県
02 佐賀県
03 長崎県
04 熊本県
05 大分県
06 宮崎県
07 鹿児島県
08 沖縄県

の8県しかないので、なぜ「九州」というのか誰もが疑問に思ったことがあるはずです。
かつての九州は、以下のように9の州(国)がありました。

01 筑前(ちくぜん)福岡県北西部
02 筑後(ちくご)福岡県
南西部
03 豊前(ぶぜん)福岡県東部、大分県北東部
04 肥前(ひぜん)佐賀県、長崎県
05 肥後(ひご)熊本県
06 豊後(ぶんご)大分県
07 日向(ひゅうが)宮崎県
08 薩摩(さつま)鹿児島県西部
09 大隅(おおすみ)鹿児島県東部

※シーケンス番号は公式のものではなく、こちらで便宜上一意に振ったものです。

以上のように、九州は昔は9つの国(州)に別れていたので、「九州」というわけです。ちなみに沖縄県は、江戸時代までは「琉球王国(りゅうきゅうおうこく)」という日本とは別の国でした。琉球王国が沖縄県として日本の一部になったのは明治時代からです。これは北海道が明治時代に「蝦夷地」から「北海道」に改められ、正式に日本の一部になったのと似ています。

ちなみに福岡県は、現在は筑前(ちくぜん)・筑後(ちくご)という二つの地域にわかれてますが、これはかつて筑紫国(つくしのくに)が二つの国に分割されたことに由来しています。
そして、律令制度が始まってから筑紫国は筑前国(ちくぜんのくに)と筑後国(ちくごのくに)に分割されてしまいました。
もし分割されていなければ、九州ではなく八州だったかもしれません。

これはかつて吉備国(きびのくに)が、備前国(びぜんのくに)、備中国(びっちゅうのくに)、備後国(びんごのくに)の3つに分割されたのと似ています。

なお、簡単にですが、だいたい

備前国→岡山市あたり
備中国→倉敷市あたり
備後国→福山市あたり

ということは覚えておきましょう。

宇島駅(福岡県豊前市)を過ぎて、大分県・中津へ

やがて列車は、福岡県豊前市(ぶぜんし)の宇島駅(うのしまえき)を過ぎて、やがて大分県中津市(なかつし)の中津駅(なかつえき)に至ります。

宇島駅(福岡県豊前市)
宇島駅(福岡県豊前市)

次回は、中津市(なかつし)および耶馬渓(やばけい)の話題について触れていきます!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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