鉄道唱歌 山陽・九州編 第37番 折尾から博多へ進む 海を守る女神の宗像大社も

まずは原文から!

走る窓より打(う)ち望(のぞ)む
海のけしきのおもしろさ
磯(いそ)に貝(かい)ほる少女(おとめ)あり
沖(おき)に帆(ほ)かくる小舟(おぶね)あり

さらに読みやすく!

走る窓より打(う)ち望(のぞ)む
海のけしきのおもしろさ
磯(いそ)に貝(かい)ほる少女(おとめ)あり
沖(おき)に帆(ほ)かくる小舟(おぶね)あり

さあ、歌ってみよう!

♪はーしるまどより うちのぞむー
♪うーみのけしきの おもしろさー
♪いーそにかいほる おとめありー
♪おきにほかくるー おぶねありー

折尾駅を過ぎると、今度は引き続き鹿児島本線で博多方面へ向かっていきます。

途中、遠賀川駅(おんががわえき)、教育大前駅(きょういくまええき)、赤間駅(あかまえき)、東郷駅(とうごうえき)、福間駅(ふくまえき)、古賀駅(こがえき)、ししぶ駅、香椎駅(かしいえき)・・・などのように進んでいきます。

小倉~博多間は、新幹線ではわずか15分の距離なので、そんなに距離が離れていないような印象ですが、新幹線での15分は在来線で1時間の距離であり、在来線(鹿児島本線)で小倉~博多間を移動すると、約1時間の距離となることは考えておく必要があります。
青春18きっぷユーザーも、予算に余裕あるときは、この区間に限って新幹線で移動するのもありです。乗車券+自由席で計2,160円なので(2023年現在)、ダイヤにもよりますが小倉~博多間であればのぞみ・さくら・こだまどれに乗っても同じでOKなため、1時間の短縮が期待できるのはコスパが良いです。

遠賀川駅(おんががわえき)は、遠賀町(おんがちょう)の中心駅であり、また遠賀川(おんががわ)の下流の駅になります。
新幹線でも遠賀川は通りますが比較的上流(山側)を通るため、在来線であれば下流の川幅の大きい遠賀川を眺めることができます。

教育大前駅は、文字通り福岡教育大学の最寄駅となります。福岡教育大学は、あの金八先生で有名な武田鉄矢さんの出身校です。また、金八先生も武田さんと同じく福岡教育大学出身という設定です。

赤間駅(あかまえき)および東郷駅(とうごうえき)は、今回主に概説する宗像市の中心駅であり、宗像神宮の辺津宮への最寄駅です。
しかし、実際には宗像神宮へはかなりの距離があり、徒歩では厳しいかと思われます。
宗像神宮については、この後詳しく述べます。

福間駅は、福津市の駅です。
駅名は福間ですが、自治体名は福津市なので、混同しないように気をつけたいところです。

古賀駅(こがえき)は、古賀市の中心駅です。
なお余談ですが、筆者の社会経験上、福岡出身の方には「古賀(こが)」という苗字の方が多いという印象です。
言葉の訛りが「やっとーよ」「しとうと?」「すっちゃね」などで、苗字が「古賀」だった場合、ほぼ100パーセント福岡出身の方です(^^;)
(福岡の方をディスる意図はありませんので、誤解なきようお願いします<(_ _)>)

ししぶ駅は、いわゆる難読駅名として知られます。
「ししぶ」を漢字で書くと、なんと「鹿部」であり、北海道の函館本線鹿部駅(しかべえき)と同じ漢字なのです。
北海道の鹿部駅は、北海道駒ヶ岳(渡島富士)の外側を(勾配を避ける目的で)大きく迂回する「砂原支線(さわらしせん)」の駅です。
北海道の鹿部駅と混同を避けるために、ひらがなの駅名となったそうです。

香椎駅(かしいえき)は、香椎線(かしいせん)との分岐駅です。

歌ではまるで、このあたりは窓の右側に海が見えることのにようになっていますが、実際には 海岸線には近いところを走っていないので、この辺りで海が見えることはほぼないでしょう。
鉄道唱歌の当時と現代では海岸線が異なっていたのかもしれません。
(散々調べましたが、確かな情報にたどり着けませんでした。)

このあたりの名物といって思いつくのはやはり 宗像大社(むなかたたいしゃ)です。
宗像大社は、福岡県宗像市(むなかたし)にある神社です。

宗像大社は、宗像三女神(むなかたさんじょしん)という海にまつわる3人の女神を祀(まつ)る神様として知られています。

昔は海の航海というものは、現代と比べて非常に危険でした。コンパスもなく方角も分からず、風に頼って走り、またいつ荒れ狂うかもわからない航海は非常に危険だったのです。
現代のような高性能な灯台もありませんでした(灯籠(とうろう)はありました。)。

そんな危険な航海から船乗組員たちを守るために昔からよく崇拝されてきたできた神様が、宗像三女神だったというわけです。
なお、広島の宮島(みやじま)にある、厳島神社(いつくしまじんじゃ)で祀られているイチキシマヒメノミコトは、宗像三女神の一人に挙げられます。

宗像大社は、実は三つあります。

一つ目は福岡県宗像市の内陸部にある神社で、辺津宮(へつぐう)といいます。ここの参拝が街中より最も近く、最も参拝者が多いとされています。

二つ目つはさらに西北へ向かった海に浮かぶ大島(おおしま)にあり、中津宮(なかつぐう)といいます。ここもなんとか船で来れば、参拝できるようです。

三つ目はさらに50kmほど北西の沖ノ島という、相当遠い島に鎮座(ちんざ)する沖津宮(おきつぐう)です。
この沖ノ島は、島自体が御神体であり、なんと古くからの宗教上の習わしより女性は立入禁止です(これが「女性差別だ」という意見も)。
男性であっても、島への上陸はかなり厳しい条件が課されます。

宗像大社はこのように三つとも全て参拝するにはかなりハードルが高いため、最も街中に近い辺津宮(へつぐう)のみの参拝のみでOKだと(一般的には)されているようです。

なお、歌詞にある「磯に貝ほる乙女」というのは、もしかしたら宗像三女神のことなのかとも思ったのですが、多分全然違います(^^;)

列車はいよいよ福岡市に近づいてきます。
次回は、筥崎宮(はこざきぐう)について解説していきます!!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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