鉄道唱歌 北陸編 第10番 深谷・本庄・神保原を過ぎる 左側には、秩父の山々

まずは原文から!

深谷(ふかや)本庄(ほんじょう)神保原(じんぼはら)
左に雲のあひだより
みゆる秩父(ちちぶ)のふもとなる 
大宮(おおみや)までは馬車(ばしゃ)もあり

さらに読みやすく!

深谷(ふかや)本庄(ほんじょう)神保原(じんぼはら)
左に雲のあいだより
みゆる秩父(ちちぶ)のふもとなる 
大宮(おおみや)までは馬車(ばしゃ)もあり

さあ、歌ってみよう!

♪ふかやほんじょう じんぼはらー
♪ひだりにくものー あいだよりー
♪みーゆるちちぶの ふもとなるー
♪おおみやまではー ばしゃもあり

(東北本線)
上野駅→田端駅→王子駅→赤羽駅→蕨駅→浦和駅→大宮駅

(高崎線)
上尾駅→桶川駅→鴻巣駅→吹上駅→熊谷駅→深谷駅→本庄駅→神保原駅→新町駅→倉賀野駅→高崎駅

※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記

熊谷駅(くまがやえき、埼玉県熊谷市)を過ぎると、ここから先は深谷駅(ふかやえき、埼玉県深谷市)、本庄駅(ほんじょうえき、埼玉県本庄市)、神保原駅(じんぼはらえき、埼玉県児玉郡上里町神保原町)などのように、中山道の旧ルートに沿って進んで行きます。
そして高崎方面へ向かって、北西へどんどん進んでいきます。

また、熊谷までは荒川(あらかわ)と並行して進んでいましたが、熊谷で荒川は秩父(ちちぶ)方面へ向かって南西へ向きを変えます。

そして、熊谷~高崎~前橋間はどちらかというと利根川(とねがわ)に並行して進むことになります。

高崎駅を出ると、籠原駅(かごはらえき、埼玉県熊谷市)という駅を通ります。この駅を境に、15両編成の列車は、5両分の列車の切り離し作業を行い、10両編成にします。その理由は、籠原駅~高崎駅の間に、15両編成に対応していない駅があるからです(ホームの長さが、15両編成の長さに対応しておらず、はみ出てしまう、などの理由)。そのため、高崎寄りの前5両に乗っている人は、この駅でみんな後ろ10両の車両に移動する必要があります。このことは車内で何度もアナウンスされますし、切り離し作業はおおよそ5分ですので、間違えないように車両移動しましょう。籠原駅に着いたときに「あれ?みんな降りていくぞ?車内は自分しかいなくなったぞ?」と感じたときは、車両切り離し作業を疑ってみるといいでしょう。もちろん、高崎駅→大宮駅の逆方向のときは、籠原駅で車両連結作業を行うわけです。

青春18きっぷで静岡県の熱海駅(あたみえき)方面から東京へ向かうときには、「高崎線直通・籠原行き」や「宇都宮線直通・小金井行き」ってよくありますよね。その「籠原」というのが、この籠原駅というわけです。ちなみに小金井駅(こがねいえき、栃木県下野市)は、栃木県の宇都宮駅の少し手前(南)にある駅です。

籠原駅を出ると、やがて深谷駅(ふかやえき、埼玉県深谷市)に着きます。

深谷駅(埼玉県深谷市)

埼玉県深谷市(ふかやし)にはかつて中山道(なかせんどう)の宿場町・深谷宿(ふかやしゅく)があり、 かつて飯盛女(めしもりおんな)とよばれる女性たくさんいたとのことです。
飯盛女(めしもりおんな)とは、宿場町で男性の客をもてなす女性のことです。
彼女たちがいれば宿場町は「飲めや歌えや踊れや」でドンチャン騒ぎで盛り上がるので、飯盛女がいる宿場町といない宿場町では、いる方が賑わうことは容易に想像つきます。
また、当時の江戸時代の宿場町は、となりの宿場町に旅人客を取られないよう、あの手この手で勧誘をしていたのです。

一方、1つ手前の熊谷宿(くまがやしゅく)には、風紀を乱すという意味で飯盛女は置かれていませんでした。
しかし男性たるもの、やはり女性がいないよりはいた方が楽しいでしょうから、飯盛女がいた深谷宿は必然的に人気となったようです。

深谷市はあの渋沢栄一(しぶさわ えいいち)の出身地としても知られます。
渋沢栄一はこれまで何回も説明してた通り、東京都の王子(おうじ)に紙を作る会社(製紙会社)を建てたことで知られます。この会社を「抄紙会社(しょうしがいしゃ)」といいます。
これは現代の王子製紙(おうじせいし)の原型になります。
人口と消費が増大するとお札の重要性も増し、また新聞や書籍などの出版物の重要性も増すため、多くの紙が必要となります。
このことから、渋沢栄一は早くから紙幣やお金の経済の重要性に気づいていたのでしょう。
渋沢栄一は、「日本経済の父」と言われています。
そして渋沢栄一は、2024年からの一万円札のモデルとなります。

さらに、深谷市は「レンガの街」としても有名です。
明治時代~大正時代にかけての建築物にはレンガ造りのものが多いことは想像できると思います。
この時代の関東地方の建物には、深谷で造られたレンガがふんだんに使われたようです。
東京駅のレンガも、深谷市で造られたものです!
なお東京駅の設計は、佐賀県唐津市(からつし)出身の辰野金吾(たつの きんご)さんという明治時代の建築家の設計です。

深谷駅の駅舎は、とても豪華なレンガ造りの建物になっています!東京駅にもひけをとらない駅舎で、まるでヨーロッパのお城のような豪華な駅舎です。

豪華なレンガ造りの、深谷駅舎(埼玉県深谷市)

深谷駅を出て高崎方面へしばらく行くと、本庄駅(ほんじょうえき、埼玉県本庄市)に到着します。

本庄駅(埼玉県本庄市)

埼玉県本庄市(ほんじょうし)には早稲田大学のキャンパスがあるので、本庄早稲田駅(ほんじょうわせだえき、埼玉県本庄市早稲田の杜)という上越新幹線の駅があります。
本庄早稲田駅は、早稲田大学の学生さん達が乗り降りするために利用されている駅です。

また、中山道の宿場町だった本庄宿(ほんじょうしゅく)は、なんと中山道最大の宿場町だったようです。
その理由について調べてみると、「利根川の水運によって栄えたから」とあります。
さらにその理由について私なりに考えたのですが、埼玉県本庄市は利根川にかなり近い場所にあります。
利根川は、昔は多くの荷物を運んだりするのに重要でした。
理由は、昔は貨物列車も長距離トラックなどもなく、舟に荷物を運んだりする方が効率よかったからです。
そして、利根川にほど近い本庄は、舟に荷物を載せたり、また降ろしたりの仕事をする人々によって栄えたことと思います。そこで働く人が増えるということは、彼らをもてなすための茶屋や飲食店、宿場などが必要になり、また繁盛してくるということです。
また、本庄は江戸から(歩いて)1日で来られる距離ではないので、やはり当時の利根川沿いで仕事をする人々にとっては本庄の宿場町は泊まる場所として重要だったことでしょう。

さらに、神保原駅(じんぼはらえき、埼玉県児玉郡上里町)を過ぎます。

神保原駅(埼玉県児玉郡上里町)

そして歌詞にあるように、深谷駅・本庄駅・神保原駅のこの区間を走っていると、窓の左側には、徐々に秩父の山々が姿を現してきます。

秩父の山々(高崎へ向かって、左側の車窓)

上記の写真ですが、写真中央に遠く小さくわずかに見えている富士山のような高い山が、恐らく東京都最高峰雲取山(くもとりやま、標高2,017m)ではないかと思われます。雲を取れるほど高い山であることから、「雲取山」の由来となったようです。

歌詞にある秩父(ちちぶ)の大宮(おおみや)とは、現在の埼玉県秩父市(ちちぶし)のことになります。
秩父市には、秩父神社(ちちぶじんじゃ)という、「大宮」という名前の由来となった神社があります。
なので、「氷川神社」や東北新幹線「大宮駅」で有名な埼玉県の「大宮」とは違います。
ただし、こちらの「大宮」も氷川神社が由来となっているのて、共通点はあります。

秩父方面へは、熊谷駅(くまがやえき)から秩父鉄道(ちちぶてつどう)に乗って行くことができます。途中、小前田駅(おまえだえき、埼玉県深谷市小前田)という面白い駅名の駅があります。
高知県南国市(なんこくし)の後免駅(ごめんえき)と並んで、「お前だ!」「ごめん!」みたいな洒落や遊びができそうですね(^^;

途中で長瀞駅(ながとろえき、埼玉県秩父郡長瀞町)だったり、また荒川(あらかわ)の上流の美しい景色が眺められたり、和同開珎(わどうかいちん)の由来となった和銅黒谷駅(わどうくろやえき、埼玉県秩父市黒谷)があります。

和同開珎(わどうかいちん)は、奈良時代の少し前にできた我が国初の貨幣として有名です(実は後に、「富本銭」というもっと古い貨幣が発見されました)。
それは奈良時代より前の708年に、埼玉県の秩父のこの地域で銅がガッポリと産出され、これが朝廷に差し出されました。
このとき、日本の銅→和銅(わどう)となり、さらに銅の文字が簡易化・省略されて「和同」となりました。
この「和同」が当時の元号となり、和同開珎の由来となりました。
(諸説あり)

秩父についてはまだまだ語ることがあるのですが、今回はメインではないので、また別の機会に語りたいと思います!

次は、いよいよ群馬県に入ってゆきます!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました