鉄道唱歌 北陸編の歌詞を、わかりやすく解説してゆきます!
織物の名所(群馬県)の歴史などを、初心者でも楽しめるよう解説してゆきます!
↓まずは原文から!
かたにすゝめば織物と
製絲のわざに名も高き
桐生足利とほからず
さらに読みやすく!
かたにすすめば 織物と
製糸のわざに 名も高き
桐生足利 遠からず
さあ、歌ってみよう!
♪かたにすすめばー おりものとー
♪せいしのわーざに なもたかきー
♪きりゅうあしかが とおからずー
高崎駅→新前橋駅→前橋駅→伊勢崎駅→桐生駅→足利駅→(至・小山駅)
※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記
高崎駅から東に延びる、両毛線
高崎駅(群馬県高崎市)から両毛線に乗って東へ行くと、前々回紹介した前橋駅をはじめ、
- 伊勢崎駅
- 桐生駅
- 足利駅
などの駅を過ぎます。

伊勢崎駅(群馬県伊勢崎市)

桐生駅(群馬県桐生市)

足利駅(栃木県足利市)
後述するように、この地域は織物の名産地になります。
さらに、
- 佐野市
- 栃木市
をも過ぎてゆくと、やがて栃木県第二の都市である小山市に至ります。
生糸・織物の名産地 群馬県と栃木県
この辺りは、前回も解説したように「桑畑」「養蚕」「生糸」「織物」などで有名な場所であります。
「織物」は、現代のように「しまむら」「ユニクロ」などが無かった時代に、職人さんや工業機械などを用いて作っていた昔の着物や布などのことです。
織物は、生糸をより合わせて造られ、中でも機械で近代的に製造するものは東京都八王子市などの「機織り」が有名です。
「生糸」は、カイコ(蚕)という幼虫が生み出す糸のことです。
「カイコ(蚕)」は、ガの幼虫の一種で、生糸を生み出す虫になります。
カイコは桑を食べて育つので、カイコを育てる「養蚕」にはたくさんの桑が必要になります。
そのため、養蚕地の周りには、桑を栽培する桑畑も近隣にあった方が、運送にかかるコストカットの面でも都合がよかったというわけです。
「桑」は、カイコの餌になる植物です。
そのため、前回も解説したように、群馬県一体には(鉄道唱歌の当時は)、これらを栽培する桑畑が、たくさんあったものと思われます。
上記を簡単にまとめると、以下のようになります。
- 桑→カイコが食べる植物。
- カイコ(蚕)→生糸を生み出す幼虫。
- 生糸→織物を造る材料。
- 織物→昔の和服。
新前橋駅から分かれる、両毛線
両毛線は、高崎駅を出発すると上越線との分かれ道でもある
- 新前橋駅(群馬県前橋市)
を過ぎて利根川を渡り、前々回も解説したように
- 前橋駅(群馬県前橋市)
に至ります。
すると
- 伊勢崎駅(群馬県伊勢崎市)
- 桐生駅(群馬県桐生市)
- 足利駅(栃木県足利市)
などの駅を過ぎていきます。
さらに、桐生駅から先はいわゆる渡良瀬川に沿って進みます。
相沢忠洋が発見した、岩宿遺跡
両毛線上の岩宿(群馬県みどり市)には、かつて1949年に相沢忠洋という考古学者が、岩宿遺跡を発見した場所として知られます。
それまでの考古学の常識では、
というのが定説でした。
つまり「旧石器時代」は存在しない、と思われていたのです。
しかし、相沢忠洋が関東ローム層の中から、旧石器時代の石器が発見したことで、旧石器時代の存在が明らかになったのでした。
足利氏発祥の地・栃木県足利市
栃木県足利市は、あの室町幕府を開いた足利将軍の発祥の地ともいわれます。
また、足利市には日本最初の学校ともいわれる、足利学校がある場所でもあります。
森高千里さんの曲で有名な「渡良瀬橋」もあります。
かつて静岡県「裾野駅」と駅名が重複していた、佐野駅
佐野駅(栃木県佐野市)はかつて、静岡県裾野市の裾野駅と駅名が重複していたようでした。
つまり静岡県の裾野駅も、かつて「佐野駅」という名前だったのでした。
しかし、栃木県の裾野駅と重複を避けるために、富士山の裾野(「ふもと」という意味)にあることから「裾野駅」に変わり、自治体名も裾野市に変わったという経緯があります。
栃木市の巴波川(うずまがわ)

巴波川の町並み(栃木県栃木市)
栃木市には、巴波川の町並みがあります。
ここはかつて、日光例幣街道における、水運の拠点として栄えた町であり、江戸時代の蔵が並ぶ、とても風情がある町並みになっています。
詳しくは、以下の記事でもわかりやすく解説していますので、ご覧ください。

次は高崎駅から西へ 信越本線で安中・横川方面へ
やがて小山駅(栃木県小山市)に至ります。
小山市は、栃木県で二番目の都市です。

小山駅(栃木県小山市)
次はいよいよ高崎駅を出発し、信越本線に乗り換え、西へ長野方面へ向かってゆきます!
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