鉄道唱歌 北陸編 第12番 両毛線に乗り換え、前橋へ 群馬県の県庁所在地

まずは原文から!

町の東北(とうほく)前橋(まえばし)へ 
汽車(きしゃ)にてゆけば十五分(じゅうごふん) 
群馬縣廳(ぐんまけんちょう)所在(しょざい)の地(ち) 
上野一(こうづけいち)の大都會(だいとかい)

さらに読みやすく!

町の東北(とうほく)前橋(まえばし)へ 
汽車(きしゃ)にてゆけば十五分(じゅうごふん) 
群馬県庁(ぐんまけんちょう)所在(しょざい)の地(ち) 
上野一(こうづけいち)の大都会(だいとかい)

さあ、歌ってみよう!

♪まーちのとうほく まえばしへー
♪きしょにてゆけば じゅうごふん
♪ぐんまけんちょう しょざいのち
♪こうづけいちのー だいとかいー

(両毛線)
高崎駅→新前橋駅→前橋駅→伊勢崎駅→桐生駅→足利駅→(至・小山駅)

※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記

高崎からは、両毛線で前橋へ

高崎駅から両毛線(りょうもうせん)へ東北へ進むと、列車で約10分~15分ほどで群馬県の県庁所在地である前橋市の中心駅である、前橋駅(まえばしえき、群馬県前橋市)に到着します。

群馬県の県庁所在地・前橋市

群馬県前橋市(まえばしし)は、群馬県の最大の都市ではありませんが(1位は高崎市)、群馬県の県庁所在地ということで、それなりの大きなスケールの街になります。
また上野国(こうずけのくに)とは、現在の群馬県のことをいいます。

群馬県の県庁所在地は「前橋市」であり、「群馬市」では決してありませんのでご注意しましょう。
このあたりは比較的テストにも引っかけ問題などで出る場所だったりします。

他にも、間違えやすい県庁所在地の例を以下に列挙します。

栃木県→宇都宮市(うつのみやし)
茨城県→水戸市(みとし)
山梨県→甲府市(こうふし)
神奈川県→横浜市(よこはまし)
兵庫県→神戸市(こうべし)
愛知県→名古屋市(なごやし)
石川県→金沢市(かなざわし)
宮城県→仙台市(せんだいし)
岩手県→盛岡市(もりおかし)
香川県→高松市(たかまつし)
沖縄県→那覇市(なはし)
福岡市の中心駅→博多駅(はかたえき)
福岡駅→富山県の駅

この辺りの知識は鉄道で日本各地を旅行する際にも覚えておくと便利です。

群馬県の交通事情について考察

前橋市のメインの駅である前橋駅は両毛線(りょもうせん)の駅であり、高崎駅から両毛線に乗り換えて来なければなりません。
そのため、新幹線が停車する高崎駅(高崎市)と比較すると、前橋市は県庁所在地としてはその地位がやや見劣りする印象もあります。

これは、山口県において山陽新幹線のルートから外れている県庁所在地の山口市(やまぐちし)が、最大の都市・下関市(しものせきし)と比べてややその地位が低いのと似ています。

山口県の場合
(1)山口市は、新山口駅から山口線に乗り換えて来る必要がある
(2)最大の都市は下関市

群馬県の場合
(1)前橋市は、高崎駅から両毛線に乗り換えて来る必要がある
(2)最大の都市は高崎市

こうしてみると、やはり山口市前橋市の両者に共通している点はいずれも「新幹線のルートから外れている」「主要幹線から乗り換えて来ないといけない」ことに起因する交通の不便さが考えられます。

歴史的には山口市前橋市も重要な街として発展してきています。
また戦国時代くらいまでは、現代のように海沿いの地域よりも、むしろ内陸部の方が発展することもありました。
それは、内陸部の方が防御力に優れている面があったからです。
例えば、小高い山に城を築けば、そこを防御の拠点とすることができます。
しかし、戦国時代の末期になるとお堀(ほり)を城の周りにめぐらせることで防御力が上がるため、山に城を築く必要はなくなり、より便利のよい平地にも城を築くことが可能になりましました。
そのため、町の発展の中心は内陸部よりも、むしろ海沿いに移っていくことになります。

そして明治・大正・昭和となるにつれて鉄道や自動車などの交通網が発展してくると、その事情はさらに変わってきます。
簡単にいえば、交通の便がよくなった町は発展し、鉄道や幹線から取り残された町は衰退する、という人類の歴史で何度も繰り返されてきた不変の事象が起こるわけです。

さらに新幹線ができると、沿線の地域は新幹線の駅の周りを中心に発展してゆくことになります。
新幹線の駅ができれば、地元に東京などの大都市からたくさんの人々が、乗り換え無しでやってきてくれるチャンスになり得ます。
また東京の人々は全国の他地域に比べて年収が高い傾向にありますから、東京の人々に来てもらえれば地元にたくさんのお金を落としてもらえる(観光利益が上がる)可能性があります。
そのため、新幹線の駅ができれば街の発展のチャンスです。
逆に、新幹線の駅を誘致(ゆうち)できなければ(誘致に失敗すれば)、他の誘致に成功した街に客を奪われるリスクもあります。
なので、全国の各地域は、なんとしても地元に新幹線の駅が欲しいわけです。

また、新幹線は時速260kmくらいの高速運転をするため、真っ直ぐなルートの確保が必要です。
そのため、やや内陸部にある山口市や前橋市に新幹線の線路を通すことも難しかったでしょう。

※本記事では、山口市と前橋市の負の側面を書いていますが、決してディスる意図はありません
ちょっとデリケートな話題なので、書くのを少し躊躇いましたが、町の発展や衰退の現象についての考察のために敢えて載せることにしました。
もし、山口市と前橋市の方々が不快な思いをされたら申し訳ございません
なるべく正当な「批評」「言論」の範囲のつもりで(両市の名誉を損なわないように)書くように配慮したつもりなので、「法的措置」だけは勘弁してください(^^;)
もし問題あるようでしたら修正・削除しますので、ご指摘願えれば幸いです

ちなみに「法的措置」といえば、群馬県の山本知事が2021年の「都道府県魅力度ランキング」において第44位という不本意な結果に終わったことを受け、「法的措置を取る」と発言されたことで話題になりました(2022年度も前年と同じ44位でしたが、この時は知事は慎重な姿勢をみせられました)。

たくさんある、群馬県の魅力

しかし、群馬県には榛名山(はるなさん)とそれを取りまくたくさんの温泉地があり、探せば探すほど魅力がたくさん(宝のように)出てくる場所だと思っています。
本サイトでもできるだけ(鉄道唱歌の歌詞などを通じて)群馬県の魅力を沢山紹介していきたいと思っています。

前橋市は、歌詞では「上野(こうづけ)一の大都会」と歌われていますから、昔から前橋は群馬県において重要な位置を占めていたことはわかります。

両毛線に沿って小山方面へ進むと、赤城山の下に雄大な前橋市市街地の景色が広がります。

赤城山の麓に広がる、雄大な前橋市の風景(両毛線の車窓より)

私はこの光景に驚き、前橋市は非常に大きな都会だなと思いました!

新前橋駅から分かれる、上越線

新前橋駅からは、新潟県に続く上越線(じょうえつせん)が出ております。

新前橋駅(群馬県前橋市)

かつて明治時代、東京から新潟へ行くには、信越本線(しんえつほんせん)を使って

群馬→軽井沢→長野→直江津→長岡→新潟

というルートで移動していました。

つまり、鉄道唱歌 北陸編のルートです。
これは、当時11時間ほどかかったそうです。

この鉄道ルートは群馬~軽井沢間にある碓氷峠(うすいとうげ)という難所がボトルネックではあったものの、江戸時代までは上越国境(じょうえつこっきょう)という険しい山岳地帯を徒歩で越えなければならず、しかも約10日~20日くらいはかけて江戸から越後(えちご。新潟県のこと)まで徒歩(または馬)で移動していたわけです。
それが明治時代に鉄道ができてからは、わずか11時間で(1日で)移動できるようになったわけですから、当時としては非常に画期的で、とても移動のハードルが下がったといえます。

しかし、やはり碓氷峠(うすいとうげ)を越える鉄道ルートは、やはり難所でありボトルネックでした。
また、碓氷峠では全部で26もあるトンネル内で蒸気機関車の吐く煙で窒息するなどの事故も多発し、当時は問題となっていたようでした。

そこで、1930年代に上越線ができました。
これは「清水トンネル」という、群馬県と新潟県の県境をなす約9700メートルの長いトンネルを掘ることが、この時代には可能になったからです。
鉄道開業当初の明治時代にはトンネルといってもそこまで長いトンネルを掘る技術はなかったと思いますが、1930年代になると約8000メートル以上の長いトンネルを掘ることが可能となっていました
静岡県の熱海(あたみ)~三島(みしま)間を結ぶ丹那トンネル(たんなトンネル、約8km)も、1930年代に開通していますよね。

この「清水トンネル」の開通により、上越線を経由した東京~新潟の移動は、約7時間で結ぶことが可能になりました。
それまでは碓氷峠経由で約11時間で結んでいたわけですから、4時間の短縮がなされたことになります。

ちなみに川端康成の小説「雪国」に出てくる「国境の長いトンネル」とは、この上越国境(じょうえつこっきょう)の清水トンネルのことだと言われています。

上越国境(じょうえつこっきょう)とは、上野国(こうづけのくに。現在の群馬県)と、越後国(えちごのくに。現在の新潟県)の間の国境です。
昔は都道府県ではなく国(くに)だったので、「国境」という表現が用いられるわけですね。
現代でいうところの群馬県と新潟県の県境のことであり、また険しい山岳地帯を越えなければなりません。
また、「死者数世界一」のギネスブック認定として知られる谷川岳(たにがわだけ)や、「日本一のモグラ駅」として知られる土合駅(どあいえき、群馬県利根郡みなかみ町)もあります。

新前橋駅の近くには、青春18きっぷユーザーの強い味方である「快活CLUB新前橋店」があります。
ただ駅からは徒歩で行くと若干遠いので(徒歩10分くらい)、夜は暗い道を注意してゆきましょう。

次は、群馬県の温泉の解説をします!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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