鉄道唱歌 北陸編の歌詞を、わかりやすく解説してゆきます!
碓氷峠の観光・歴史などを、初心者でも楽しめるよう解説してゆきます!
↓まずは原文から!
ともし火うすく晝くらし
いずれば天地うちはれて
顔ふく風の心地よさ
さらに読みやすく!
灯火うすく 昼くらし
出ずれば天地 うちはれて
顔ふく風の 心地よさ
さあ、歌ってみよう!
♪ともしびうすくー ひるくらしー
♪いずればてーんち うちはれてー
♪かおふくかぜのー ここちよさー
高崎駅→安中駅→磯部駅→松井田駅→横川駅
(バス)
横川駅→軽井沢駅
※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記
※横川駅~軽井沢駅は現在は廃止区間のため、路線バスのみ
中山道の難所・碓氷峠を越える
碓氷峠は、群馬県と長野県の県境をなす難所です。
また、江戸時代までの「中山道」という、まだ鉄道が無かった時代に旅人たちが徒歩で通っていた「難所中の難所」であり、また険しい山岳地帯になります。
明治時代に信越本線が開業したときも、碓氷峠は鉄道にとっても依然として難所でした。
その坂道の険しさは、66.7パーミル(‰)といわれています。
パーミルとは、1,000m進んだときにどれだけ登るか、という指標です。
これだけだと難しいので、ざっくり例を挙げると、
- 20パーミル→そこそこきつい坂
- 30パーミル→かなりきつい坂
- 60パーミル→アプト式じゃないと無理
といったところでしょうか(^^;)
なお、
- 広島県の瀬野八は、22.6パーミル
- 福島県と山形県の県境にある板谷峠は、38パーミル
とされています。
全部で26のトンネルを越えた、碓氷峠
鉄道は坂道に弱いので、こうした坂道を克服するために「アプト式」という、当時のドイツで使われていた技術を採用しました。
「アプト式」とは、線路の真ん中に歯車を付けて坂道を登ったり降りたりするという方式です。
また、アプト式を導入するだけでは足りずに、目の前に険しい山が存在している場合は、トンネルを掘って山を貫くしかなかったのでした。
そのため、歌詞にあるように、碓氷峠には26ものトンネルを掘り進めることになりました。
明治時代の1900年頃は、トンネルを掘る技術もそこまで発展していなかったのでした。
そのため、手作業で掘り進めることも多かったでしょうから、相当な難工事だったことが予想されます。
その26のトンネルを越える際にも、蒸気機関車の吐く煙で、窒息する人がかなりいたそうです。
トンネルの中は煙が充満する上に、またトンネル内は酸素が行き届きにくいので、酸素不足の状態で石炭を燃やすと不完全燃焼によって一酸化炭素中毒になったりして確かに危険そうですよね。
現代の北陸新幹線では、
を非常に長大かつまっすぐなトンネルでスムーズに過ぎてゆきます。
そのため、かつてここが碓氷峠という難所であったことは、新幹線に乗っていては微塵も感じさせません。
新幹線という文明の利器は改めてすごいと思い知らされます。
「アプトの道」と「碓氷第三橋梁めがね橋)」
現在の碓氷峠では「アプトの道」という、歩いて楽しむための道(遊歩道)が整備されています。
廃線跡も残されております。
途中で、「碓氷第三橋梁」、通称・「めがね橋」という珍しい橋も登場します。
なぜ眼鏡橋のようにアーチ状の橋が存在するのかというと、昔はアーチ状にすることによって、橋の丈夫さをつくっていたのです。
アプトの道には、途中で旧・熊ノ平駅という、かつての信越本線の廃線跡の駅があります。
昔の人が本当に苦労して越えた、碓氷峠
また、中尾川や碓氷川に沿って、どんどん軽井沢の方へ向かってきつい坂を登っていきます。
現在は、「碓氷バイパス」という(昔に比べれば綺麗な車道が整備されています。
しかし、それでも元がやはり険しい山岳地帯ですから、ヘアピンカーブが多く、勾配がきついために難所区間であることは変わりないです。
バス等で軽井沢まで向かわれる場合には、車酔いしやすい人は注意しましょう。

碓氷峠・バスからの車窓(群馬県~長野県)
なお、スーツさんが2021年に行われた「自転車で行く 中山道の旅」において、スーツさんが碓氷峠を越えるシーンは壮絶極まりないものでした。
スーツさんはこの難所を克服しようと、あらゆる限りの手を尽くしながらこう言います。
これは個人的に、スーツさんの歴史上に残る名言だと思っています!
私も、普段の生活の中でよくスーツさんのこの言葉が頭をよぎります。
本当に昔の人は、険しい道のりの碓氷峠を、本当に大変な思いをしながら越えていたんだと思います。
現代では、前述の通り北陸新幹線であっという間に越えてしまいますね(^^;)
文明の力は素晴らしいものであり、まさに「人に翼の汽車の恩」です。
険しい碓氷峠を越え、軽井沢へ
険しい険しい峠道を越えると、夏の高原地帯・軽井沢はもうすぐそこです!
次回は、軽井沢に着きます!
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