鉄道唱歌 北陸編 第20番 碓氷峠の26ものトンネルを過ぎる この難所を越えれば軽井沢

まずは原文から!

くゝ゛る(くぐる)トン子ル(トンネル) 二十六(にじゅうろく)
ともし火(び)うすく 晝(ひる)くらし
いずれば天地(てんち) うちはれて
顔ふく風の 心地よさ

さらに読みやすく!

くぐるトンネル 二十六(にじゅうろく)
灯火(ともしび)うすく 昼くらし
い(出)ずれば天地(てんち)うちはれて
顔ふく風の 心地よさ

さあ、歌ってみよう!

♪くーぐるトンネル にじゅうろく
♪ともしびうすくー ひるくらしー
♪いずればてーんち うちはれてー
♪かおふくかぜのー ここちよさー
 
(信越本線)
高崎駅→安中駅→磯部駅→松井田駅→横川駅

(バス)
横川駅→軽井沢駅

※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記
※横川駅~軽井沢駅は現在は廃止区間のため、路線バスのみ

碓氷峠(うすいとうげ)は、群馬県長野県の県境をなす難所であり、また江戸時代までの「中山道(なかせんどう)」という、まだ鉄道が無かった時代に旅人たちが徒歩で通っていた難所中の難所であり、また険しい山岳地帯になります。

明治時代に信越本線(しんえつほんせん)が開業したときも、碓氷峠は鉄道にとっても依然として難所でした。

その坂道の険しさは、66.7パーミル(‰)といわれています。
パーミルとは、1,000m進んだときにどれだけ登るか、という指標です。
これだけだと難しいので、ざっくり例を挙げると、

20パーミル→そこそこきつい坂
30パーミル→かなりきつい坂
60パーミル→アプト式じゃないと無理

といったところでしょうか(^^;)

なお、広島県の瀬野八(せのはち)は、22.6パーミル、福島県と山形県の県境にある板谷峠(いたやとうげ)は38パーミルとされています。

鉄道は坂道に弱いので、こうした坂道を克服するために「アプト式」という、当時のドイツで使われていた技術を採用しました。「アプト式」とは、線路の真ん中に歯車を付けて坂道を登ったり降りたりするという方式です。
また、アプト式を導入するだけでは足りずに、目の前に険しい山が存在している場合はトンネルを掘って山を貫くしかありませんから、歌詞にあるように碓氷峠には26ものトンネルを掘り進めることになりました。
明治時代の1900年頃はトンネルを掘る技術もそこまで発展していなく、手作業で掘り進めることも多かったでしょうから、相当な難工事だったことが予想されます。

その26のトンネルを越える際にも、蒸気機関車の吐く煙で、窒息する人がかなりいたそうです。
トンネルの中って煙が充満する上に、またトンネル内は酸素が行き届きにくいので、酸素不足の状態で石炭を燃やすと不完全燃焼によって一酸化炭素中毒になったりして確かに危険そうですよね。

現代の北陸新幹線では、高崎~安中榛名~軽井沢間を非常に長大かつまっすぐなトンネルでスムーズに過ぎてゆくため、かつてここが碓氷峠という難所であったことは、新幹線に乗っていては微塵も感じさせません。
新幹線という文明の利器(りき)は改めてすごいと思い知らされます。

現在の碓氷峠では「アプトの道」という、歩いて楽しむための道(遊歩道)が整備されています。
廃線跡も残されております。
途中で、「碓氷第三橋梁(きょうりょう)」、通称・「めがね橋」という珍しい橋も登場します。

なぜ眼鏡橋(めがねばし)のようにアーチ状の橋が存在するのかというと、昔はアーチ状にすることによって、橋の丈夫さをつくっていたのです。

アプトの道には、途中で旧熊ノ平駅(くまのだいらえき)というかつての信越本線の廃線跡の駅があります。
また、中尾川(なかおがわ)や碓氷川(うすいがわ)に沿って、どんどん軽井沢の方へ向かってきつい坂を登っていきます。
現在は「碓氷(うすい)バイパス」という(昔に比べれば)綺麗な車道が整備されていますが、それでも元がやはり険しい山岳地帯ですから、ヘアピンカーブが多く勾配がきついために難所区間であることは変わりないです。バス等で軽井沢まで向かわれる場合、車酔いしやすい人は注意しましょう

碓氷峠・バスからの車窓

なお、スーツさんが2021年に行われた「自転車で行く 中山道の旅」において、スーツさんが碓氷峠を越えるシーン壮絶極まりないものでした
スーツさんはこの難所を克服しようと、あらゆる限りの手を尽くしながらこう言います。

「道って、何の努力もなしに開けるもんじゃないですからね。」

これは個人的に、スーツさんの歴史上に残る名言だと思っています!
私も、普段の生活の中でよくスーツさんのこの言葉が頭をよぎります。

本当に昔の人は、険しい道のりの碓氷峠を本当に大変な思いをしながら越えていたんだと思います。
現代では、前述の通り北陸新幹線であっという間に越えてしまいますね(^^;)
文明の力は恐ろしいものであり、まさに「人に翼の汽車の恩」です。

険しい険しい峠道を越えると、夏の高原地帯・軽井沢(かるいざわ)はもうすぐそこです!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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