鉄道唱歌 北陸編 第32番 冬の雪の線路を下る 妙高高原を一気に下り、直江津へ

まずは原文から!

雪にしるしの竿(さお)たてゝ 
道をしへしも此(こ)のあたり
ふゞきの中にうめらるゝ
なやみはいかに冬の旅

さらに読みやすく!

雪にしるしの竿(さお)たてて(立てて)
道おしえし(教えし)もこのあたり
ふぶき(吹雪)の中にうめ(埋め)らるる
なやみ(悩み)はいかに冬の旅

(現代意訳)
雪の上に道しるべの竿(さお)を立てて、
道を教えていたのもこの辺り(妙高高原駅~高田駅の区間)である。
吹雪(ふぶき)の中に(線路が)埋められてしまうという、
悩みはいかにすべきか、冬の旅路よ。

(北しなの線)
長野駅→豊野駅→牟礼駅→黒姫駅(旧・柏原駅)→妙高高原駅(旧・田口駅)

(えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン)
妙高高原駅→二本木駅→新井駅→上越妙高駅→高田駅→春日山駅→直江津駅

※鉄道唱歌に関連する主要駅と、その他主要と思われる駅を筆者の独断と偏見でピックアップ

妙高高原からは、一気に山を下り直江津方面へ

妙高高原駅(みょうこうこうげんえき、新潟県妙高市)からは新潟県に入り、ここからは第三セクター線の「えちごトキめき鉄道 妙高はねうまライン」に乗って山を下り、直江津(なおえつ)方面へ向かいます。

この区間は、標高510mの標高差を一気に下ります。

冬には「はねうま」が浮かび上がる妙高山

なお、えちごトキめき鉄道のこの区間は「妙高はねうまライン」といいます。
はねうま」とは、妙高山(みょうこうさん。標高2,454m)という山の中腹に、冬の雪景色になると、まるで「跳ね馬」のシルエットが浮かぶことから、このような名前が着いています。

妙高山(長野県・黒姫駅付近より)

妙高山(みょうこうさん。標高2,454m)は、妙高高原駅の裏側にある神々(こうごう)しいルックスの山です。
いかにも神様が宿っていそうな形の山で、昔は本当に山に神様が宿ると信じられていました(山岳信仰)。

妙高(みょうこう)とは、インド神話において「世界の中心となる山」のことです。
確かに妙高山はそれに相応しい形をしているので、昔の人々からそう信じられてきても無理はなかったでしょう。

元々は北陸新幹線の開業により、第三セクターへと経営分離された区間だった

えちごトキめき鉄道妙高はねうまラインも、元々はJR信越本線の一部でした。
しかし、北陸新幹線の開業により、長距離移動の役割は特急列車から新幹線に譲られたことにより、特急列車は廃止となってしまいます。
特急料金はJRにとって貴重な収入源でしたから、特急列車廃止ということは、在来線の利益が減少することに繋がり、JRとしては在来線存続は大きな負担となるため、本来は廃止したいところです。しかし、在来線を廃止すると地元住民が困るため、地元住民のために配慮して経営が移管されたものが、第三セクターの路線ということになります。

ここから先は、越後国・新潟県の旅

ここからは、えちごトキめき鉄道妙高はねうまラインに乗って、直江津(なおえつ)方面へ向かって進んでいきます。
妙高高原駅の標高は約510mであり、直江津駅の標高は約4mですから、この500m差を一気に駆け下りてくることになります。

妙高高原駅にある、「標高510m」の表記(新潟県妙高市)

妙高高原駅を出ると、ここからは新潟県の旅になります。
新潟県は非常に南北が広いので、その旅は気の遠くなる長さになることもあり、それなりの気持ちの準備をする必要があります。
その距離は九州でいうと、実に福岡から鹿児島までの距離に相当します。

新潟県はとても広いので、新潟県は京都に近い順に、上越(じょうえつ)・中越(ちゅうえつ)・下越(かえつ)に分かれています。
上越の中心都市は上越市、中越の中心都市は長岡市、下越の中心都市は新潟市になります。

スイッチバックが残ることで有名な、二本木駅

山を一気に下りると、一旦上越市の市域に入り、二本木駅(にほんぎえき、新潟県上越市)に着きます。
二本木駅(にほんぎえき)は、珍しいスイッチバックの駅として有名です。スイッチバックとは、一旦枝分かれした路線にバックして入り、お客さんを乗り降りさせてから再び本線に戻る方式の線路をいいます。昔の列車は坂道や勾配に弱かったので、少しでも列車の負担を軽減するためにこの形式が用いられていました。このスイッチバックは、これから列車が急な坂を登るのに、一旦枝分かれした線路に退避し、ここから加速のための助走をして一気に登るために設けられました。現在では列車の性能も向上しているため、スイッチバックは不要となり廃止されていくのが一般的ですが、二本木駅は現在でも残るスイッチバックとして、もはや観光名所のような価値があります。

再び妙高市に戻り、新井駅へ 市境を二度通過する

二本木駅あたりの市境(しきょう)は複雑で、二本木駅は一旦上越市に入るのですが、すぐまた市境を過ぎ、妙高市に戻ります。

えちごトキめき鉄道・新井駅(新潟県妙高市)

新井駅(あらいえき、新潟県妙高市)は、妙高市の中心駅です。
かつては新井市の駅でしたが、合併により妙高市になったため、妙高市の中心駅となっています。

北陸新幹線も止まる駅・上越線妙高駅

やがて、再び上越市に入り、新幹線の停車する上越妙高駅(じょうえつみょうこうえき、新潟県上越市)に着きます。
上越妙高駅は、上越市妙高市がその駅名を巡って、かなり揉めたそうです。

北陸新幹線・上越妙高駅(新潟県上越市)

なお、上越市や上越妙高駅の「上越(じょうえつ)」とは、上越新幹線が止まる駅、という意味ではありません
上越新幹線の「上越」 とはあくまで上野国(こうづけのくに。群馬県)と越後国(えちごのくに。新潟県)を結ぶという意味です。

上越妙高駅はあくまで北陸新幹線の駅であるため、上記のことを知らないと、「なぜ上越新幹線の駅じゃないの!?」と疑問に思ってしまうことになります。

高田駅を過ぎ、春日山駅へ 上杉謙信の本拠地

高田駅(たかだえき、新潟県上越市)は、前回も説明した通り、高田市の中心だった駅です。
高田市は現在は無く、合併により上越市となっています。

やがて上越市の中心地域ともいえる、春日山駅(かすがやまえき、新潟県上越市)に着きます。

えちごトキめき鉄道・春日山駅(新潟県上越市)

春日山城(かすがやまじょう)は、かつての上杉謙信の居城であります。
春日山(かすがやま)の由来は、奈良県の春日大社(かすがたいしゃ)から神様をお招きしたことに由来します。

上杉謙信は、戦国時代最強と言われた武田信玄川中島(かわなかじま)で互角に戦った人物として知られます。
また、上杉謙信は戦いの神様と言われ、生涯で無敗伝説をほこり、毘沙門天(びしゃもんてん)の化身と言われました。
あの織田信長も、「手取川の戦い」では上杉謙信に敗れたという風に言われています。

春日山駅の近くには上越市の市役所があって、この辺りがだいたい上越市の中心であるともいえます。
春日山駅の近くには青春18きっぷのユーザーの強い味方である「快活CLUB上越市役所前店」があります。

次回は、直江津駅に到着

いよいよ日本海沿岸も近くなり、列車はやがて直江津に到着します。

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
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