鉄道唱歌 北陸編 第49番 佐渡から直江津に戻り、富山へ 伏木・越中国

鉄道唱歌 北陸編の歌詞を、わかりやすく解説してゆきます!
越中・伏木の歴史などを、初心者でも楽しめるよう解説してゆきます!

↓まずは原文から!

波路なみじやすけく直江津なおえつ
かへりてきけば越中えっちゅう
伏木ふしきにかよふ汽船きせんあり
いざりかへて渡海とかいせん

さらに読みやすく!

波路なみじやすけく 直江津なおえつ
かえりてきけば 越中えっちゅう
伏木ふしきにかよう 汽船きせんあり
いざりかえて 渡海とかいせん

さあ、歌ってみよう!

♪なーみじやすけく なおえつにー
♪かえりてきけばー えっちゅうの
♪ふしきにかーよう きせんありー
♪いざのりかえてー とかいせんー
(佐渡汽船)
小木港→直江津港

(えちごトキメキ鉄道日本海ひすいライン)

直江津駅→糸魚川駅→市振駅

(あいの風とやま鉄道線)

市振駅→泊駅→入善駅→黒部駅→新魚津駅→滑川駅→富山駅

(北陸新幹線)

上越妙高駅→糸魚川駅→黒部宇奈月温泉地駅→富山駅

※直江津から富山へ鉄道で移動する際の主なルートを表記

佐渡の観光を終え、直江津に戻る

佐渡さどの観光を終えると、また船に乗って直江津なおえつ (新潟県上越市)に戻ってくることになります。

新潟県佐渡市さどし小木港おぎこうから直江津港なおえつこうまでは、佐渡汽船さどきせんによるフェリーが出ています。
2等席で大人1人3,380円です(2023年現在)。
所要時間は約2時間40分、1日わずか2便(10時台と17時台)ですので、時刻には注意が必要です


ただし、小木港までゆくバス自体も、本数が限られています。
また、17時台のフェリーに乗れたとしても、直江津港への到着が夜の20時になってしまいます。

しかも、調べたところ直江津港から直江津駅(または上越妙高駅)までのバスも出ていないようです(ただし、直江津駅までのタクシー代をポンと出せる人は、関係ないかもしれませんが)。


したがって、、あくまで「鉄道唱歌の旅にこだわる場合」は、

  1. 小木港までバスでゆき、
  2. 直江津港からは夜道をタクシー等を使って、直江津駅まで戻る

とう選択肢もアリでしょう。


しかし鉄道唱歌の行程にこだわらない場合は、バスやフェリーの便数の多さや宿泊の便利さ、道順のシンプルさなどを考えると、

  1. 来た道をそのままバスで両津港まで戻る
  2. 夕方のフェリーで新潟港まで戻る
  3. その日の夜は新潟で1泊
  4. 翌朝に新潟駅を特急「しらゆき」などで出発
  5. 直江津駅または上越妙高駅まで行く

という道順の方が。無難かもしれません。

江戸時代「西周り航路」の拠点として栄えた小木港

小木港(おぎこう)は新潟県佐渡市(さどし)、つまり佐渡島の南端にある港であり、かつては「西廻り航路」の寄港地としても栄えました。


西廻り航路」は、江戸時代に整備された海上ルートで、

  1. 秋田県の酒田さかたを出発して小木港を経由し、
  2. 日本海を反時計回りにグルっと大回りし、
  3. 山口県の関門海峡から瀬戸内海に入り、
  4. やがて大坂(大阪)へ至る

というルートです。


なぜこんな海上ルートができたのかというと、江戸時代は貨物列車や長距離トラック、航空機などがなかったので、船で大量に運んだ方が効率がよかったのです。

また、本州の真ん中は山岳地帯になるので、本州を縦貫じゅうかんするような運河・水路などは造れず、仕方なく本州(日本海)を大廻りするような海路が採られたのでしょう。


また、江戸時代に佐渡金山で大量にとれた金はここ小木港から舟で運ばれ、直江津からは北国街道ほっこくかいどうを経由して、金は運ばれました。

再び直江津に戻ってくる

直江津なおえつとは、来た道でも解説しましたが、新潟県上越市じょうえつしにある、日本海側の港町として発展した街です。

かつては直江津市なおえつしといっていましたが、現代は合併して上越市となっています。


やすけく」とは古語で、「心安らか」などの意味です。
つまり

  1. 佐渡の観光を終えて、
  2. まったりと船で出て、
  3. ゆっくりと直江津まで帰ってくる

みたいな意味でしょう。

もし先述の通り、

両津港→新潟港→(1泊)→新潟駅→特急しらゆき→直江津駅

という道順で戻ってきた人も、とりあえずはお疲れさまです


そして、直江津に戻ってくるのは、今回の旅では2回目のことです

鉄道唱歌 北陸編において最初に直江津に来たのは、長野・妙高高原みょうこうこうげん方面から山を下りてやってきた時でしたね。

それまではずっと内陸部や山間部を旅してきたため、直江津まで来てようやく海の景色に出会えた

という感じの内容でした。

鉄道唱歌の当時は、伏木(富山県)に通う船で富山へ向かった

また、歌詞によると

直江津港からは、伏木ふしきに通う船が出ている

ということが言及されています。

伏木ふしきとは、富山県高岡市たかおかしにある地名です。

鉄道唱歌の当時(明治時代)は、直江津から西へ富山まで続く鉄道がまだ開通していなかったたのでした。
そのため、船で海を渡り、富山まで行くという流れになっています

越中国の国府があった伏木

伏木ふしきには、かつて越中国えっちゅうのくに国府こくふがありました。

越中国えっちゅうのくにとは、現在でいうところの富山県にあたります。

国府こくふとは、現在でいう「都道府県庁」にあたり、その国の政治の中心となった機関のことです。

つまり、かつての越中国の政治の中心は、伏木ふしきにあったということになります。


そして伏木には、かつて万葉集の作家として知られた大伴家持おおとものやかもちが赴任した場所としても知られます。

大伴家持おおとものやかもちとは、奈良時代に万葉集を編纂した人のことです。

万葉集は、奈良時代にできた歌の集まりのことです。

なので、「万葉の時代から」 という表現があったとすると、これは奈良時代から(約1300年前の大昔から)というような意味になります。

直江津からは、どうやって富山へ移動する?普通列車で移動する場合

現在では直江津駅からは、えちごトキめき鉄道「日本海ひすいライン」でシンプルに普通列車で向かう方法があります。

直江津→糸魚川いといがわ親不知おやしらず市振いちぶりとまり入善にゅうぜん黒部くろべ魚津うおつ滑川なめりかわ→富山

の順で進んでゆきます。

鉄道の歴史ではわりと後の時代にできたからか、真っ直ぐな線形でトンネルが多い印象です。

親不知おやしらず」は、これまで何回か説明してきた断崖絶壁です。

市振いちぶり」は、「えちごトキめき鉄道」と「あいの風とやま鉄道」の境界線となる駅です。

とまり」は鳥取県にもある駅名であり、だいたい宿場が元々あった場所とかそういったとこから由来してる地名であることが多いです。

入善にゅうぜん」より西は、富山に近づくにつれて大きな経済圏を成している地域に入ります。


上記のルートで普通列車で富山へ至るほか、もちろん現代では北陸新幹線というものがあるため、上越妙高駅から富山駅まで北陸新幹線で向かう選択肢もあります。

「日本海ひすいライン」と「あいの風とやま鉄道」は、JR線ではないため、青春18きっぷでは乗れません。

※以下、2025年現在の情報です。情報が古くなっている可能性がありますので、ご了承ください。
※以下、所要時間と料金はあくまで「目安」です。
時間帯によって異なる場合がありますので、ご了承ください。

(新幹線に乗る場合)
直江津→(妙高はねうまライン)→上越妙高→(北陸新幹線)→富山

約1時間35分、4,960円
(乗車券:2,320円、自由席特急券:2,640円)※ただし所要時間は、上越妙高駅での数10分程度の待ち時間を含む


(新幹線に乗らない場合)
直江津→(日本海ひすいライン)→富山

約2時間27、2,490円

つまり、値段が倍になれば、所要時間が半分になるようなイメージです(※ただし新幹線の場合は、上越妙高駅で最大1時間程度の待ち時間があるため、これにより完全に所要時間が半分になるのは難しいようです)。


お金に余裕あって体力的にきつい場合は新幹線、お金に余裕なくてスケジュールに余裕ある場合は、普通列車にしましょう。

どっちにも余裕がない場合は、直江津駅より1つ北の春日山駅かすがやまえき(新潟県上越市)で降りて、快活CLUB上越市役所前店に頼るという手もあります。
完全鍵付個室が夜間8時間パックで2,110円です。

こうして体力・日程・予算などに応じて臨機応変に旅行プランを選択するのも、旅行者としての腕・センスの見せどころです。


次回から富山駅からのスタートで、本格的に北陸地方の旅ということになります!

ちゅうい!おわりに

この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

この記事が良いと思った方は、よかったら次の記事・前回の記事も見てくださいね!

コメント