まずは原文から!
津幡(つばた)七尾(ななお)の其間(そのあいだ)
すぎゆく驛(えき)は八九箇所(はっくかしょ)
邑智(おうち)の潟(かた)の青波(あをなみ)に
さをさす舟(ふね)も羨(うらや)まし
さらに読みやすく!
津幡(つばた)七尾(ななお)の其間(そのあいだ)
すぎゆく駅は八九箇所(はっくかしょ)
邑智(おうち)の潟(かた)の青波(あをなみ)に
さお(竿)さす舟(ふね)も羨(うらや)まし
さあ、歌ってみよう!
♪つーばたななおの そのあいだー
♪すぎゆくえきはー はっくかしょ
♪おーちのかーたの あおなみにー
♪さおさすふねもー うらやましー
(七尾線)
津幡駅→宇野気駅→羽咋駅→能登二宮駅→七尾駅→和倉温泉駅
※鉄道唱歌に関連する主要駅と、その他主要と思われる駅を筆者の独断と偏見で表記
津幡駅からは七尾線で、七尾方面へ寄り道
倶利伽羅峠(くりからとうげ)を越えて石川県に入ると、今回の鉄道唱歌の旅では津幡駅(つばたえき、石川県河北郡津幡町)から七尾駅(ななおえき、石川県七尾市)に向かって、七尾線(ななおせん)の寄り道になります。
つまり、能登(のと)方面の旅となります。
まだ鉄道の無かった昔は、東京(江戸)から能登方面まで来られることなんてそう簡単には無かったと思いますが、鉄道が出来てからは能登方面への旅も身近なものになったのだという、そんな喜びがこの鉄道唱歌からは感じられます。
「西周り航路」の拠点にもなった、能登半島
能登半島(のとはんとう)は、石川県の右上(北東)に突き出た半島であり、また昔はかつて能登国(のとのくに)と言われていました。
能登半島は、かつて江戸時代に河村瑞賢(かわむら ずいけん)というお金持ちの実業家が、「西廻り航路」という海上ルートを整備したときに、その寄り道(寄港先)となりました。
「西廻り航路」とは、秋田県の酒田を出て、能登半島を通り、日本海を反時計回りに大回りし、山口県の下関(関門海峡)から瀬戸内海に入り、大坂(大阪)に至る海上のルートです。
昔は貨物列車や高速トラック、航空機などが無かったので、こうした海上輸送が最もたくさんのお米や荷物を運べる手段だったのです。
宝達駅・羽咋駅・能登一宮駅などを過ぎて、七尾駅へ
津幡駅(つばたえき)から七尾線(ななおせん)に乗って能登方面へ北上すると、途中、宇野気駅(うのけえき、石川県かほく市)、宝達駅(ほうだつえき、石川県羽咋郡宝達志水町)、羽咋駅(はくいえき、石川県羽咋市)、能登二宮駅(のとにのみやえき、石川県鹿島郡中能登町)などを過ぎて、やがて七尾駅(ななおえき、石川県七尾市)に至ります。
歌詞には「過ぎゆく駅は8~9箇所」とありますが、実際にはこれ以上の数の駅があります。
参考までに、津幡駅→七尾駅までは18駅であり、約1時間10分程度で着きます。
金沢市の北東には、「かほく」「河北(かほく)」という地名が多い印象があります。
金沢城の北東の門には、「河北門(かほくもん)」という門があり、金沢城の正門となっています。
また、金沢市の北東には、「河北潟(かほくがた)」という大きな湖があります。
津幡駅のある津幡町は、河北郡(かほくぐん)に属します。
石川県かほく市は、宇野気町(うのけちょう)や高松町が合併してできた新しい街です。
高松駅(たかまつえき、石川県かほく市)は、かつての高松町の駅であり、香川県高松市の高松駅と同名です。
歌詞では
「遠(おち)の潟(かた)の青波に
竿(さお)さす船もうらやまし」
とあります。
これは遠くの海に、竿をさしながら漕ぐ舟も羨ましいなあという意味です。
しかしながら、七尾線に乗っていてまともに海の見える区間はほぼ存在しません(海岸線からは500m~1kmほど離れている)。
これは現代と登場とで海岸線が異なるのか、それとも作者の大和田建樹(おおわだ たけき)さんが宇野気駅(うのけえき)または羽咋駅(はくいえき)あたりで途中下車して、海岸線まで海を見に行ったことで感じた景色なのかもしれません。
その時に、「あんな遠くに(竿をさして)悠々と漕ぐ船は羨ましいなあ」
と思ったのかもしれませんね。
窓の右側にそびえる「宝達山」
むしろ特筆すべきは、窓の右側にそびえる宝達山(ほうだつさん)という山でしょう。宝達山は標高637mの能登半島で最も高い山であり、東京スカイツリーの高さ(634m)とほぼ同じになります。
宝達駅付近にある「天井川」
そして、宝達駅(ほうだつえき)の手前には宝達川(ほうだつがわ)という川があり、なんと珍しい天井川(てんじょうがわ)の下のトンネルをくぐります。
天井川(てんじょうがわ)とは、高さが天井よりも高くなってしまった川です。昔、川の氾濫をふせぐために堤防を作ったとき、堤防に挟まれた川の流れの部分にどんどん砂などが堆積(たいせき)してゆき、川そのものの高さが上がっていった結果、天井よりも川の高さが上がってしまい、下にトンネルまで出来るようになった川を天井川(てんじょうがわ)といいます。土砂がたまって積み重なりやすい川だと、このような天井川となってしまうようです。
宝達山(ほうだつさん)は、能登半島最高峰ともいわれることもあり、七尾線の窓の景色からは本当によく眺められます!
やがて能登二宮駅(のとにのみやえき)を過ぎて、列車は七尾駅(ななおえき)に到着します。
次は、七尾市の解説をします!
注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
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