鉄道唱歌 北陸編 第71番 米原に到着!北陸の旅のゴール 迎える伊吹山

まずは原文から!

驛夫(えきふ)の聲(こえ)におどろけば
眠りはさめて米原(まいばら)に
つきたる汽車の速(すみ)やかさ
みかへる伊吹(いぶき)雲(くも)ふかし

さらに読みやすく!

駅夫(えきふ)の声(こえ)におどろけば
眠りはさめて米原(まいばら)に
つきたる汽車の速(すみ)やかさ
みかえる伊吹(いぶき)雲(くも)ふかし

さあ、歌ってみよう!

♪えきふのこーえに おどろけばー
♪ねむりはさめてー まいばらにー
♪つきたるきしゃの すみやかさー
♪みかえるいぶきー くもふかしー

(北陸本線)
金沢駅→松任駅→美川駅→小松駅→動橋駅→大聖寺駅→細呂木駅→芦原温泉駅(旧・金津駅)→福井駅→大土呂駅→鯖江駅→武生駅→南条駅(旧・鯖波駅)→今庄駅→(北陸トンネル)→敦賀駅→新疋田駅→近江塩津駅→余呉駅→木ノ本駅→長浜駅→米原駅

※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記
※北陸トンネル・新疋田駅・近江塩津駅・余呉駅は、鉄道唱歌の当時とはルートが異なります

長浜駅を出て、終点・米原へ 北陸の旅も終わり

長浜駅(ながはまえき、滋賀県長浜市)から列車に乗ると、いよいよ北陸本線の終着駅であり、また今回の旅のゴールである米原駅(まいばらえき、滋賀県米原市)に到着します。
北陸編と旅もいよいよここで終わりとなります。

米原駅(滋賀県米原市)

おどろく」とは古語で「目が覚める」という意味です。びっくりするという意味ではありません。
つまり、駅夫(現代ではアナウンスなど)の声によって目が覚めたら、列車はとうとう(早くも)米原に着いてしまったなあ、などの意味になります。

かつて中山道と北陸道の分岐点だった、米原

米原(まいばら)は、かつてより東海道線との分岐駅でした。
また、江戸時代には中山道(なかせんどう)と北陸道(ほくりくどう)の分岐点でもありました。

中山道(なかせんどう)とは、江戸→群馬→碓氷峠(うすいとうげ)→軽井沢→和田峠(わだとうげ)→諏訪湖→塩尻→木曽路→岐阜→関ヶ原→米原→草津→京都、の順に移動していた、昔の(江戸時代までの)人々がまだ車も鉄道もない時代に、徒歩または馬で旅をしていた道のことです。

北陸道(ほくりくどう)とは、米原→敦賀→福井→金沢→富山→新潟へと至る、昔の(江戸時代までの)人々がまだ車も鉄道もない時代に、徒歩または馬で旅をしていた道のことです。

米原は、鉄道では「東海道線」と「北陸本線」との分岐点となっています。
このことから、江戸時代までの街道は「東海道」と「北陸道」の分岐点だと勘違いしやすいのですが、厳密には「中山道と北陸道の分岐点」なので注意しましょう。

なぜ東海道線は、中山道を沿ったルートになったのか

ではなぜ、鉄道の東海道線は中山道のルートを通っているのか。
それはかつて、鈴鹿峠(すずかとうげ)という巨大な山脈を東海道線が貫くことができなかったからです。

江戸時代までの東海道は、三重県と滋賀県の間に連なる鈴鹿山脈(すずかさんみゃく)という難所を通っていました。
しかし明治時代になり鉄道を通そうとなったときに、勾配がきつく、当時は長くて真っ直ぐなトンネルを掘る技術もなかったため、鈴鹿山脈を貫くルートは断念し、岐阜県や関ヶ原を通る中山道のルートに決定されたのでした。
これが現代の東海道線のルートになります。

なお、かつての北陸道の起点は、現在の滋賀県彦根市にある鳥居本宿(とりいもとじゅく)になります。中山道63番目の宿場町でもあります。

迎える「伊吹山」

伊吹山(北陸本線の車窓より)(滋賀県)

伊吹山(いぶきやま)は、滋賀県と岐阜県の間にある、標高1,377mの山で、滋賀県の最高峰(最も高い山)にあたります。
鉄道でも米原~大垣間を移動しているときに北側の窓によく眺められ、まるで富士山のように美しいです。

伊吹山(滋賀県最高峰)

伊吹山の、日本武尊にまつわる伝説

伊吹山は、かつてヤマトタケルノミコト(日本武尊)が、日本神話において大蛇(だいじゃ)によってフルボッコに負けた山としても知られます。
山を下りてきて、その時の傷を癒したのが、米原市の醒ヶ井(さめがい)にある居醒の清水(いさめのきよみず)になります。

また、伊吹山からは、山の斜面に沿って一気に吹き降りる「伊吹おろし」という冷たい風が吹きます。これが名古屋市方面へ向かって吹くので、名古屋の冬は寒くなるのです。
伊吹山は昔から神様が宿る山と信じられてきており、またこの「伊吹おろし」がまるで「神の伊吹(いぶき)」であるかのように思われたため、「伊吹山」という名前の由来となっています。

伊吹山(滋賀県)

さて、ようやく米原に着きました。
鉄道唱歌 北陸編は、次でいよいよラストです!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました