鉄道唱歌 関西編 第26番 五十鈴川の宇治橋を越え、伊勢神宮(内宮)の参拝へ

まずは原文から!

五十鈴(いすず)の川の宇治橋(うじばし)を
わたればこゝぞ天照(あまてらす)
皇大神(すめおおかみ)の宮(みや)どころ
千木(ちぎ)たかしりて立ち給(たま)ふ

さらに読みやすく!

五十鈴(いすず)の川の宇治橋(うじばし)を
わたればここぞ天照(あまてらす)
皇大神(すめおおかみ)の宮(みや)どころ
千木(ちぎ)たかしりて立ち給(たも)う

さあ、歌ってみよう!

♪いすずのかーわの うじばしをー
♪わたればここぞー あまてらすー
♪すめおおかーみの みやどころー
♪ちぎたかしりてー たちたもうー

(紀勢本線)
亀山駅→一身田駅→津駅→阿漕駅→高茶屋駅→松阪駅→多気駅

(参宮線)
多気駅→田丸駅→宮川駅→伊勢市駅→二見浦駅(→至・鳥羽駅)

※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記

※正式名称は「鉄道唱歌 関西・参宮・南海編」です。記事タイトルの便宜上、このようなタイトル(関西編)とさせていただいております。ご了承ください。

列車は既に、三重県伊勢市(いせし)に到着しています。

今回は、伊勢神宮(内宮)の参拝になります。

伊勢神宮には外宮(げくう)と内宮(ないくう)があり、今回は内宮の参拝となります。

伊勢神宮の外宮(げくう)は伊勢市駅より徒歩5分程度の近さではありますが、内宮(ないくう)はちょっと遠いです。
なので、内宮へ向かうには伊勢市駅から三重交通バスで向かうのが最もよいでしょう。
伊勢市駅前の内宮行きバス停には観光客・参拝客の皆さんが既に列をなして並んでいるので、乗り場は比較的わかりやすいといえます。

外宮(げくう)には前回解説した通り、豊受大神(とようけのおおかみ)という、食物の豊作にご利益のある神様が祀(まつ)られています。

一方、内宮(ないくう)には天照大神(アマテラスオオカミ)という、現在の天皇の祖先にあたる女性の神様が鎮座されております。

歌詞にある「皇大神(すめおおかみ)」とは、ここでは天照大神のことをいいます。

一般的には、外宮→内宮の順番で参拝し、天皇陛下はじめ皇族の方々もこの順番で参拝されています。
片方だけ参拝することを「片参り」といい、あまりよろしくないとされています。なので、外宮→内宮の順番で参拝しておきたいところです。

五十鈴川(いすずがわ)とは、前回説明したように、伊勢神宮(内宮)の前を流れる清き流れの川です。
五十鈴川は、やがて伊勢湾(いせわん)に注ぎます。
五十鈴川は古来から、伊勢神宮の川ということで汚したり穢したりする者はおらず、「清流」とされてきました。というのも、昔の川には平気で汚物や廃棄物などを流したり者も多く、コレラなどの伝染病が発生する原因ともなっていたのです。現代では法律や環境基準が厳しくなっており、また浄水場で水から不純物などは取り除かれますから、そのような伝染病蔓延などは起こりにくくなっています。

五十鈴川は伊勢神宮の神聖なる川ですから、今も昔も現代でも綺麗な川であったわけです。

この川で禊(みそぎ)、つまり体を清めてから、境内(けいだい)に入り、神様へお参りすることが昔から礼儀とされてきました。

この五十鈴川(いすずがわ)を渡る橋のことを宇治橋(うじばし)といいます。
この橋を渡って鳥居をくぐると、そこはアマテラスオオカミ(天照大神)の鎮座(ちんざ)する伊勢神宮の内宮(ないくう)ということになります。

伊勢神宮は「一生に一度はお伊勢参り」といって、昔は多くの人達が「東海道」という、江戸から徒歩または馬で何日間もかけてはるばるとやってきたのでした。
しかし、誰でもこんな大がかりな旅行をできるわけではありませんから、代わりに誰かに伊勢まで行ってもらって、帰りに何か買って帰ろうとのが、いわゆる「お土産(みやげ)」文化の始まりになったとも言われています。

伊勢神宮は、日本で最も格式の高い神社という風に言われています。
明治時代に定められた「近代社格制度(旧社格)」では「官幣大社(かんぺいたいしゃ)」など、いろんな神社のランク付けがなされていました。官幣大社の代表例は静岡県三島市(みしまし)の三嶋大社(みしまたいしゃ)や、福井県敦賀市(つるがし)の気比神宮(けひじんぐう)などです。

しかし、伊勢神宮は官幣大社よりも位が上であり、ランク付けすらついていないのです。
つまり伊勢神宮は「別格」であり、最も天皇家にとって重要な神社であるということもできます。

なお、近代社格制度とは、明治時代に国家神道(こっかしんとう)といって、
「欧米諸国に負けない強い日本にしよう。そのため、これまでの神道と仏教が混じった『神仏習合』ではなく、神道のみをより追求した『国家神道』にしよう」
という流れが生まれ、より神道に近く天皇陛下にゆかりあって重要な神社のランクを高くしようとしたのです。

また、「官幣大社」と似た言葉に「一宮(いちのみや)」がありますが、これは奈良時代に造られた神社のランク付けなので、混同しないようにしましょう。
もちろん、官幣大社一宮というケースも一定数存在します。先述の官幣大社「三嶋大社」も、伊豆国(いずのくに)の一宮です。
しかし、中には官幣大社でありながら二宮(にのみや)または三宮(さんのみや)であるケースもあるので、勘違いしないように注意が必要です。例えば、名古屋の熱田神宮(あつたじんぐう)も官幣大社ですが、尾張国(おわりのくに)の三宮(さんのみや)となっています。
理由は残念ながら私(筆者)も詳しくはわかりません。興味ある方は調べてみてください。
さらに言うと、尾張国の一宮は、真清田神社(ますみだじんじゃ)・大神神社(おおみわじんじゃ)という共に愛知県一宮市(いちのみやし)にある神社であり、「尾張一宮(おわりいちのみや)」の語源になっています。

次回は、伊勢神宮の裏の山である「神路山(かみじやま)」の話題となります!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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