中央線鉄道唱歌 第11番 武蔵と甲斐の国境を過ぎ、険しい山々の上野原・四方津・鳥沢へ

まずは原文から!

甲武二州(こうぶにしゅう)の國境(こっきょう)を
越ゆれば雲の上野原(うえのはら)
四方津(しおつ)の嶺(みね)は峨々(がか)として
翼(つばさ)をかへす鳥澤(とりさは)や

さらに読みやすく!

甲武二州(こうぶにしゅう)の国境(こっきょう)を
越ゆれば雲の上野原(うえのはら)
四方津(しおつ)の嶺(みね)は峨々(がが)として
翼(つばさ)をかへす鳥沢(とりさは)や

さあ、歌ってみよう!

♪こうぶにしゅうの こっきょうを
♪こゆればくものー うえのはらー
♪しおつのみーねは ががとしてー
♪つばさをかえすー とりさわやー

(中央東線)
高尾駅→相模湖駅→上野原駅→四方津駅→鳥沢駅→猿橋駅→大月駅→初狩駅→笹子駅→(笹子トンネル)→甲斐大和駅→塩山駅→山梨市駅→石和温泉駅→酒折駅→甲府駅

※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記

相模湖駅(さがみこえき、神奈川県相模原市)を出ると、ここからはまた一段と険しい山岳地帯に入ってゆきます。
そしてここからは山梨県に入ってゆきます。

そして、歌詞にあるように、上野原駅(うえのはらえき、山梨県上野原市)・四方津駅(しおつえき、山梨県上野原市四方津)・鳥沢駅(とりさわえき、山梨県大月市)のように過ぎてゆきます。

上野原駅(山梨県上野原市)
四方津駅(山梨県上野原市四方津)
鳥沢駅(山梨県大月市)

甲武二州(こうぶにしゅう)とは、いわゆる甲斐国(かいのくに)と武蔵国(むさしのくに)の二つの国のことを言います。

昔は、(くに)のことを(しゅう)とも呼んでいたのです。
(くに)とは、奈良時代の律令制に伴ってできた日本のエリア分けのことで、現代の都道府県に該当します。

甲斐国(かいのくに)とは、現代の山梨県のことをいいます。「甲州(こうしゅう)」ともいいます。

武蔵国(むさしのくに)とは、現代の東京都、埼玉県、神奈川県東部をまとめたエリアをいいます。「武州(ぶしゅう)」とは一般的にはあまり呼ばれないかもしれません。
なお、神奈川県中部~西部は、「相模国(さがみのくに)」と呼ばれます。

この歌詞は、全体的に「掛詞(かけことば)」で構成されています。
掛詞(かけことば)とは、昔の日本の詩歌(しいか)などで頻繁に用いられてきた、ある種の「言葉あそび」「洒落(しゃれ)」です。

鉄道唱歌では、掛詞(かけことば)は非常に多く登場します。

まず、ここでは「雲の上」というフレーズと、「上野原(うえのはら)」という地名を掛けています。

さらに「四方(しほう、よも)の嶺(みね)」というフレーズと、「四方津(しおつ)」という地名を掛けています。

そして「翼をかえす鳥」というフレーズと、「鳥沢(とりさわ)」という地名を掛けています。

作詞者の福山寿久さんは、よくここまでうまくフレーズと地名と駅名を掛け合わせたなぁ、と関心させられます。

鉄道唱歌でお馴染みの作詞者である大和田建樹(おおわだ たけき)さんもうまく掛詞を組み合わせる作詞の天才でしたが、福山さんもそれに負けず劣らずの作詞をされています。

峨々(がが)」とは、山が非常に険しくそびえ立つ様子を現します。

歌詞全体の意訳としては、

武蔵と甲斐の国境を越えると、とうとう雲の上(にそびえるような山々の場所の上野原)に来てしまったよ。四方に(四方津駅の周辺に)そびえる山々はあまりに険しく、(鳥沢駅の近くの山々を)翼をかえして鳥たちが羽ばたいているよ。

・・・みないなイメージですかね?
(あまりセンスなくてすみません・・・)

四方津駅(山梨県上野原市四方津)
四方津駅周辺の山々(山梨県)
鳥沢駅(山梨県)

次は、さらに険しい山々の間を通り、大月(おおつき)方面へ向かってゆきます!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
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