中央線鉄道唱歌 第56番 はるか北にそびえる、御嶽山 信濃・飛騨の二州にまたがる山

まずは原文から!

信飛二州(しんびにしゅう)に跨(また)がりて
天(てん)そゝり立つ御嶽(おんたけ)や
登山の男女(なんにょ)群がりて
夏は賑(にぎ)はふ雲(くも)の嶺(みね)

さらに読みやすく!

信飛二州(しんびにしゅう)に跨(また)がりて
天(てん)そそり立つ御嶽(おんたけ)や
登山の男女(なんにょ)群がりて
夏は賑(にぎ)はふ雲(くも)の嶺(みね)

さあ、歌ってみよう!

♪しんびにしゅうに またがりでー
♪てんそそりだつー おんたけやー
♪とざんのなんにょ むらがりてー
♪なーつはにぎはう くものみねー

(中央西線)
塩尻駅→洗馬駅→贄川駅→奈良井駅→藪原駅→宮ノ越駅→木曽福島駅→上松駅→須原駅→野尻駅→南木曽駅→坂下駅→中津川駅

※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記

木曽福島駅(きそふくしまえき、長野県木曽郡木曽町)を出ると、窓の右後ろ側に、晴れた日には本当に少しだけ、遥か遠くに富士山のように綺麗でとても大きなが見える区間があります。この山を御嶽山(おんたけさん)といいます。

御嶽山。木曽福島駅を出ると、窓の右後ろ側の遥か遠くに確認できる

この区間は、王滝川(おうたきがわ)と木曽川が合流するポイントであり、そこに木曽ダムがあるので、それが目印だと思って、木曽福島駅を出た後に、晴れた日には窓の右後ろ側にぜひ注目してみましょう。

御嶽山(おんたけさん)は、標高3,067mからなる日本の西に位置する山としては相当高い山であり、日本第14位の高い山になります。

また御嶽山は、標高3,000mを越える山としては日本で最も西に存在する山です。
つまり、御嶽山よりも西側には、日本で3,000mを越える山は存在しないという意味になります。

そして御嶽山は、どの山脈やアルプスにも所属していない、単独で存在する独立峰(どくりつほう)になります。簡単にいえば、富士山のように逆お椀型の山がドッシリ居座っているイメージです。独立峰としては、日本では富士山に次いで2番目に高い山となります。それ以外の3,000m級の高い山々は、だいたいが北アルプス(飛騨山脈)・中央アルプス(木曽山脈)・南アルプス(赤石山脈)に所属している山となります。

信飛(しんび)二州(にしゅう)とは、信濃国(しなののくに)と飛騨国(ひだのかに)の二国のことをいいます。

信濃国(しなののくに)とは、現在の長野県のことをいいます。

飛騨国(ひだのくに)とは、現在の岐阜県の北部の地域にあたります。
ちなみに岐阜県南部は「美濃国(みののくに)」といいます。

御嶽山は、岐阜県の高山市(たかやまし)や下呂市(げろし)にも跨(また)がっています。
これが「飛騨国にも跨がっている」という意味になります。

御嶽山は古くから「神様の宿る山」とされてきており、御岳信仰(おんたけしんこう)といって古くから崇拝されてきました。
昔は、とても大きく美しい山には神様がいると信じられてきました。これを「山岳信仰」といいます。もちろん富士山もその例外ではありません。
また、仏教の「山に籠もって修行する」という教えと(神道の)山岳信仰は相性が良く、しばしば「修験道(しゅげんどう)」として、山での修行の場として(悟りを開いて幸せになるために)それが行われてきました。
これは「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」といって、神道(しんとう)と仏教が混じり合う考え方です。

御嶽山は、2014年に大噴火を起こしたことで知られます。
御嶽山の噴火では、残念ながら57人の死亡が確認され、戦後最悪の事故となりました。
その死因のほとんどは、火山の噴火による隕石が体に直撃した(ぶつかった)ことによるものでした。
また、御嶽山の噴火は、遠く長野の軽井沢(かるいざわ)や、群馬県の前橋(まえばし)まで届いたともいいます。風に乗って、はるばる東へと届いたんでしょうね・・・。御嶽山のパワー、恐るべしです。

歌詞では、「登山の男女が群がり、夏は(御嶽山の)雲の上は、登山客で賑わう」とありますね。こうすると、鉄道唱歌の明治時代から、夏は登山客で賑わっていたことがわかります。それどころか、先ほど述べたように「修験道」「御嶽信仰」の時代から、御嶽山と人々の歴史的なつながりは深かったことがわかります。それだけ、御嶽山は特にこの地域の文化や観光にも欠かせないものとなっていたのでしょう。

次は、木曽五木(きそごぼく)の話題となります!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
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