中央線鉄道唱歌 第65番 古虎渓を過ぎ、高蔵寺へ 陶器に名高い瀬戸市もすくそばに

中央線鉄道唱歌の歌詞(古虎渓・玉野町・高蔵寺駅など)について、鉄道に詳しくない方にもわかりやすく解説してゆきます!

↓まずは原文から!

玉野河原たまのかわら山水さんすい
めでつゝゆけば高藏寺こうぞうじ
陶器とうきに名高き瀬戸町せとまち
こゝよりわず二里にりあま

さらに読みやすく!

玉野河原たまのかわらの 山水さんすい
めでつつゆけば 高蔵寺こうぞうじ
陶器とうきに名高き 瀬戸町せとまち
ここよりわずか 二里にりあま

さあ、歌ってみよう!

♪たーまのかわらの さんすいをー
♪めでつつゆけばー こうぞうじー
♪とうきになだかき せとまちはー
♪ここよりわずかー にりあまりー
(中央西線)
中津川駅→恵那駅→釜戸駅→瑞浪駅→土岐市駅→多治見駅→高蔵寺駅→春日井駅→勝川駅→大曽根駅→千種駅→鶴舞駅→金山駅→名古屋駅

※鉄道唱歌に関連する駅と、その他主要と思われる駅を筆者の独断と偏見でピックアップしたもの

多治見駅を出ると、美しい峡谷の景色へ

古虎渓の景色へ

多治見駅たじみえき(岐阜県多治見市)を出ると、窓の景色はここで一気に、山と川に囲まれた美しい峡谷の景色となります。

古虎渓の景色(中央本線)

古虎渓の景色(中央本線)

この峡谷を、古虎渓ここけいといいます。
この古虎渓ここけいは、土岐川ときがわによってできる峡谷です。

虎渓こけいという地名は、前回紹介した、多治見市の虎渓山永保寺こけいざんえいほうじにも出てきましたよね。

「峡谷」とは?

ちなみに峡谷きょうこくとは、川の水が長年かけて山と地面を削って(侵食して)できた地形のことです。

峡谷は単に、「谷」ともいいます。

ここでは、土岐川ときがわによって侵食された谷になります。

川の水によって、長年をかけて地面が削られ、地面がそこだけ低くなってゆきます。
こうして谷(峡谷)ができるわけです。

土岐川ときがわとは、岐阜県内における名前になります。
愛知県に入ると、「庄内川しょうないがわ」に名前が変わります。

定光寺駅

さらに定光寺駅じょうこうじえき(愛知県春日井市玉野町)を過ぎます。

定光寺駅(愛知県春日井市玉野町)

定光寺駅(愛知県春日井市玉野町)

歌詞「玉野河原」とは?

歌詞にある「玉野たまの」とは、恐らくですがこの定光寺駅のある地名だと思われます。

定光寺駅は元々は駅ではなく、大正時代の1919年では、列車が行き違うために必要な玉野信号所でした

それが1924年に「定光寺駅」として、駅に昇格しています

高蔵寺駅に到着 ここからは一気に平野の景色へ

この美しい古虎渓ここけいを過ぎると、やがて住宅地を中心とした都会的な景色に代わります。

やがて、

  • 高蔵寺駅こうぞうじえき(愛知県春日井市高蔵寺町)

に至ります。

高蔵寺駅(愛知県春日井市高蔵寺町)

高蔵寺駅(愛知県春日井市高蔵寺町)

「瀬戸焼」で有名な瀬戸市に寄り道

高蔵寺駅からは、後述する愛知環状鉄道に乗り換えてゆきます。

そして、歌詞にある通り陶器とうきで名高い、愛知県瀬戸市せとしに着きます。

愛知環状鉄道・瀬戸市駅(愛知県瀬戸市)

愛知環状鉄道・瀬戸市駅(愛知県瀬戸市)

瀬戸市は、瀬戸焼せとやきで有名でございます。

焼き物とは、前回も美濃焼みのやきとして紹介しましたが、簡単にいえば人々の手作りによる、いわば昔の「高貴な食器」です

陶器とは?(ギブアップ)

陶器とは・・・、一生懸命わかりやくすく説明したいのですけども、筆者の頭ではかなか難しくてわかりません(^^;)

たぶん、

  1. 粘土のように形を作って固めて、乾かして、
  2. うわ薬を塗り、
  3. 高温(低温?)に燃やして固め、
  4. 丈夫にした上で、食器として使えるようにしたもの・・・

という具合にきちんと説明したいところですが、上記は正確な説明になっていない可能性アリなので、誠に申し訳ありません敗北宣言)。

後に調べたら、上記の説明はたぶん合っている可能性が高いです!

昔の陶器は、難易度の高いものだった

もちろん上記の工程は、高度な技術者でないと出来ないでしょう。
また、
大きな手間暇てまひまかけて作る上に時間もコストもかかるため、それは高価かつ、高級なものとなるでしょう。
一般大衆には、到底買えるものではないわけです。

また、熟練までには(一人前の職人になるまでは)何十年単位での修行も必要となるのでしょう

現代の我々は、食器は「ダイソー」や「セリア」「キャンドゥ」などで、100円(税込:110円)もあれば買えてしまいますよね。
それは、明治時代以降の「産業革命」によって、大量生産によって低価格化が可能になったからです。

産業革命以降、衰退した陶器

産業革命以降は、それまでの職人の手作りによる(高価な上に、大量生産できない)伝統工芸品は衰退してゆきました。
しかしながら、当時は無用のものとなっても、百年経った今ではとても貴重なものとなっています。

そのため、地元ではこうした伝統工芸品を後世に残していく取組がなされています。

今では貴重になった、陶器などの伝統工芸品

現代は少子高齢化が深刻で後継ぎも減っていますから、難解な技術をいかに後世に伝えていくかも重要になります。
また、ニセモノが出回らないように、本物の伝統工芸品であることを証明する「認証」の仕組みも重要になるでしょう。

余談ですが、

  • 業界1位のダイソーは広島県東広島市に、
  • 業界2位のセリアは岐阜県大垣市に、
  • 業界3位のキャンドゥは東京都新宿区に、

それぞれ本拠地(本社)を置く企業になります。

また、瀬戸焼は、ネット検索したら1,000円~3,000円程度リーズナブルな価格で販売されているようです。
瀬戸焼は江戸時代からは、それまでの高級品中心だったものが、日常品レベルまで幅広く作られるようになったそうです。

また瀬戸市は、将棋で有名な藤井聡太(ふじい そうた)さんの出身地でもあります。

瀬戸市・豊田市を経由する「愛知環状鉄道」

瀬戸市には、高蔵寺駅から「愛知環状鉄道」という第三セクターの路線に乗って向かうことができます。

愛知環状鉄道に乗り換え、庄内川を渡る(愛知県)

愛知環状鉄道に乗り換え、庄内川を渡る(愛知県)

「トヨタ自動車」の企業城下町・豊田市

愛知環状鉄道は、瀬戸市を過ぎると「トヨタ自動車」の企業城下町である豊田市とよたしを過ぎます。

企業城下町」とは、その企業で働く人(従業員など)が住民の多くを占めている町のことをいいます。
つまり、豊田市にはトヨタ自動車(とその関連会社)で働く従業員と、その家族がたくさん住んでいる町、ということになります。

企業城下町には、その企業がうまくいっていればシンプルに全体の発展に繋がる、というメリットがあります。
しかし一方で、その企業がコケたら従業員が減るため、住民(とその家族)は転職するために町から出て行き、それによって町全体の衰退に繋がるというデメリットもあります。

徳川家康のふるさと・岡崎市

愛知環状鉄道は、やがて徳川家康のふるさとである岡崎市おかざきしに着きます。
愛知県岡崎市は、徳川家康の出身地として有名です
これは鉄道唱歌 東海道編 第31番でも歌われていたとおりですね。

鉄道唱歌 東海道編 第31番 岡崎と矢作橋 三河地域を北上してゆく
鉄道唱歌 東海道編の歌詞を、わかりやすく解説しています!鉄道の知識のみならず、歴史や旅行を楽しむためのノウハウを、鉄道に詳しくない人でも楽しめるよう解説してゆきます!

元々は国鉄の路線「岡多線」だった

余談ですが、たくみっく氏(うぷ主のイケメン兄さん)の動画によれば、愛知環状鉄道は、元々は国鉄の路線・岡多線おかたせんだったそうです。

名古屋駅の混雑回避を目的地とした、貨物迂回ルート

当時はまだ、長距離トラックなどは一般的でなく、貨物列車の全盛期でした。

また当時は、ただでさえ人や列車数の多い名古屋駅を通る貨物列車が、混雑の原因となっていたのでした。
そのため、これを回避・退避させるべく、まず作られたのが当初の岡多線おかたせんでした。

岡多線のルートは?

岡多線のルートとしては、

  1. まず岡崎市を北上してゆき、豊田市・瀬戸市へと達する。
  2. 瀬戸市からは、名古屋駅の北側へと、大きく迂回する。
  3. やがて、名古屋の北の、稲沢市いなざわしへと抜ける。

というルートを取ることで、貨物列車が名古屋駅を逼迫ひっぱくさせることを、回避しようとしたわけですね。

初めは多治見市と結ぶ計画も?

すなわち、岡多線は、最初は岡崎駅~瀬戸駅間で開業したわけです。

ただ、「多」の文字が含まれている通り、なんでも(岡崎市と)

  • 瀬戸市
  • 多治見市

を結ぶ計画もあったそうです。

国鉄の赤字により、第三セクターへ移管 しかし黒字化で成功

しかし、国鉄の赤字によりそれは頓挫とんざ、JRとして民営化される際に、それまで開業していた岡多線は、第三セクターへと移管されたのでした。

第三セクターとは、簡単にいえば民営と公営の、中間的な位置付けの会社のことです。

しかし沿線が、先述のトヨタ自動車への通勤需要によって利用が増大したため、第三セクター線という不利な状況下にありながら、黒字化したのだそうです

高蔵寺駅を出ると、次は勝川駅へ

高蔵寺駅(愛知県春日井市)

高蔵寺駅(愛知県春日井市)

高蔵寺駅を出ると、一気に濃尾平野のうびへいやの開けた景色となります。

そして、春日井市かすがいしの住宅地の中を突き進んでゆくことになります。

次は、勝川駅かちかわえきに止まります!

ちゅうい!おわりに

この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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