房総半島一周の旅5 内房線を南下し、五井駅(市原市)へ 日本一の石油コンビナートで栄える街

今回の房総半島の旅は、内房線を南へ下ってゆき、市原市のエリアへ到達します。
この地域の旅行を楽しむための知識を、わかりやすく解説します

(京葉線)
東京駅→越中島駅→新木場駅→葛西臨海公園駅→舞浜駅→新浦安駅→市川塩浜駅→南船橋駅→新習志野駅→海浜幕張駅→検見川浜駅→千葉みなと駅→蘇我駅

※上記は全ての駅ではなく、スペースの都合上筆者が独断でピックアップしたもの

蘇我駅(そがえき、千葉県千葉市)を出ると、ここからは内房線(うちぼうせん)に入ります。
内房線に乗り換えてやや南に行くと五井駅(ごいえき、千葉県市原市)に到着します。

五井駅(千葉県市原市)

五井駅(ごいえき)は市原市の駅ということになります。

千葉県市原市(いちはらし)は、上総国(かずさのくに)の国府(こくふ)があった場所です。

上総国(かずさのくに)とは、現在の千葉県中部のことをいいます。
(くに)とは、奈良時代の律令制におけるエリア分けで、現代の都道府県に該当します
国府(こくふ)とは、その国の行政の中心機関であり、現代の県庁などに該当します

つまり、市原市は昔、上総国の中心地域だったということができます。

ちなみに千葉県(房総半島)は、以下の3つのエリアに分けることができます。

千葉県北部:下総国(しもうさのくに)
千葉県中部:上総国(かずさのくに)
千葉県南部:安房国(あわのくに)

安房の「」と、上総・下総の「」の文字をそれぞれ取って、「房総半島(ぼうそうはんとう)」といいます。

なお、地図上では下総国の方が「」にあって、上総国の方が「」にあります。
これは大昔、まだ東京~千葉間の陸路は存在しておらず、湿原や湿地が広がるのみで人が通れる道はありませんでした。その代わり、千葉県中部の沿岸から東京湾を渡る舟が出ていたため、大昔はこの海上交通を使って京都(昔の日本の首都)へ向かっていたのでした
昔は京都に近い方を「」、遠い方を「」としていたため、東京湾の舟が出ていた千葉県中部を「上総国」としたのでした。
これが「上総国」と「下総国」で、地図上の上下関係が逆になっている理由になります。

ここからは下総国から上総国のエリアに入ったということになります。

また、市原市には、日本最大級の石油コンビナートがあります

石油というものは、その原料ともいえる「原油(げんゆ)」を海外から輸入して製造します。
原油(げんゆ)」とは、石油が不純物」と混じった形で、自然の中に存在している形式のことをいいます。
石油はそのままの形で自然に存在しているわけではなく、ほぼ必ず不純物と混じったままの状態で存在しています。
そのため、不純物を取り出さないと、エネルギーとしての石油は利用できないのです。

石油コンビナートでは、こうした「不純物を取り除き、石油製品として使えるようにする」といった仕事をしています。この作業を精製(せいせい)といいます。また、ゴム(合成ゴム)やプラスチックなどの石油からできる製品の製造も行っています。
また、原油は中東サウジアラビア等の国から輸入してくることが大半です。輸入してきた原油は港で下ろされるため、その原油を扱う石油コンビナートは海に近い方が望ましいです。なので市原市をはじめ、石油コンビナートは海に近い地域に集まりやすくなります。もし山奥などに石油コンビナートがあった場合、海からそこまで原油を運ぶコスト人件費がかかりするため(それは値段となって跳ね返ってくる)、他社との価格競争に負けてしまうからですね。

石油は日本だと新潟県柏崎市(かしわざきし)あたりで採れたりもしますが、やはり現代は中東・サウジアラビア等のものが主流です。石油は自動車・航空機・発電をはじめ、また上述のゴムプラスチックなどにも用いられるとても重要なエネルギー資源なので、あらゆる業界から欲しがられ、たくさん買われることになります。そのため、石油産業は非常に大きなビジネスであり、中には「石油王」とよばれる石油で大きな利益を生み出す人々もいます。
また、新潟県柏崎市はENEOS(エネオス)の発祥地でもあります。

1960年代あたりの高度経済成長期には、日本全国の自治体(街)が石油コンビナート(の企業や工場)を誘致している時代でした。もし誘致に成功すれば、そこで働く人(とその家族)が増え、またその人達をもてなすためのサービス業も発展してゆきますから、結果的に人口が増えて街が発展してゆきます。そうなると住民税も増えるため、街・自治体の税収が増えて(綺麗な道路やビル、施設が出来るなどして)街が発展してゆきます。

五井駅から東へは、はるか房総半島の反対側・南側に位置する大原駅(おおはらえき、千葉県いすみ市)に至る小湊鐵道(こみなとてつどう)という私鉄路線があります。
小湊鐵道は房総半島の真ん中を横断するように走る鉄道路線であり、ちょうど中間点にあたる上総中野駅(かずさかなのえき、千葉県夷隅郡大多喜町)からは「いすみ鉄道」という私鉄路線の区間となり、先述の房総半島の反対側の大原駅に至ります。

夷隅郡は「いすみぐん」と読みます。

小湊鐵道(こみなとてつどう)は、元々は房総半島の南側にある安房小湊駅(あわこみなとえき、千葉県鴨川市)とを結ぶ計画で作られた路線です。
しかし安房小湊駅までの建設は断念されてしまったため、沿線から安房小湊駅まではたどり着けないもののそのまま「小湊」の名称が残った形となっています。

次は、木更津(きさらづ)・君津(きみつ)に止まります!

注意
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