房総半島一周の旅7 上総湊・浜金谷の地域をゆく 房総半島の南半分の地へ

今回は君津駅を出て、上総湊・浜金谷を経て房総半島の南側へ向かってゆく行程を解説します。この地域の旅行を楽しむポイントをわかりやすく解説します!!

(内房線)
蘇我駅→八幡宿駅→五井駅→姉ヶ崎駅→袖ケ浦駅→木更津駅→君津駅→大貫駅→上総湊駅→浜金谷駅→安房勝山駅→富浦駅→那古船形駅→館山駅→千歳駅→安房鴨川駅

※上記は全ての駅ではなく、スペースの都合上筆者が独断でピックアップしたもの

君津駅を出ると、房総半島の南のエリアへ やがて浜金谷駅に到着

君津駅(きみつえき、千葉県君津市)を出て南へ進んでいくと、房総半島の南半分のエリアへ入ってゆきます

房総半島の海沿いをゆく(千葉県・内房線)

前回も少し解説した富津市(ふっつし)のエリアを南下していくと、上総湊駅(かずさみなとえき、千葉県富津市湊)過ぎ、浜金谷駅(はまかなやえき、千葉県富津市金谷)に着きます。

浜金谷駅(千葉県富津市金谷)

君津駅から南は単線区間 列車本数も減るので注意

君津駅(きみつえき)から先は、いわゆる「単線」の区間となります。
単線」とは、簡単にいえば1本の線路のみという意味です。
対義語は「複線」です。
つまり線路が1本なので、どこかの駅で列車の行き違いをさせる必要が出てきます。まともに上り・下り双方向の列車を1本の線路で走らせると衝突してしまうからですね。
また列車の本数も、ここから先(君津駅より南)は少なくなってきます。昼間の時間帯は、基本的に1時間に1本となりますので、旅程を組む場合には気をつけましょう。
この単線区間は、房総半島の下半分をぐるっと回り、反対側の上総一ノ宮駅(かずさいちのみやえき、千葉県長生郡一宮町)まで続きます。
上総一ノ宮駅からは、再び複線(ふくせん)区間となり、千葉・東京、そして神奈川県の逗子(ずし)・久里浜(くりはま)方面ゆきの列車の本数も多くなります。

つまり君津駅上総一ノ宮駅は、普通列車や快速列車では、東京から乗り換え無し(一本)で来られる地域の一区切りの駅ともいえます。
逆に、君津駅・上総一ノ宮駅をさらに南下すると、より本格的に房総半島の奥深くへ突入していくことをも意味します。少なくとも鉄道の旅では、君津駅・上総一ノ宮駅を境に、房総半島北部・南部と分けられるかもしれません。

そのため、君津以南の地域は列車本数も少なくなり、旅の難易度が少し上がります。
青春18きっぷ使用の場合、途中で移動がきつくなったら、無理せず途中下車して休憩をすることをオススメします
途中下車でオススメの駅は、まず比較的大きな駅である館山駅(たてやまえき、千葉県館山市)・安房鴨川駅(あわかもがわえき、千葉県鴨川市)・勝浦駅(かつうらえき、千葉県勝浦市)です。
もしくは海が見たい場合は、先述の館山駅に加えて次回メインで紹介する安房勝山駅(あわかつやまえき、千葉県安房郡鋸南町)や、上総興津駅(かずさおきつえき、千葉県勝浦市興津)などもオススメです。
基本的に1時間に1本なので、降りて1時間の間は休憩または駅周辺地域を探索・探訪するなどし、1時間後に再び列車に乗る、ということになります。
また、館山から東京までは意外にも結構遠いので(少なくとも3時間程度はみておいたほうがいい)、なるべくその日のうちに千葉または東京まで帰れるようなタイムスケジュールを組むのもいいでしょう。

房総半島の海沿いをゆく(千葉県・内房線)

日本武尊にゆかりある土地・富津市

上総湊駅・浜金谷駅のある千葉県富津市(ふっつし)の由来は、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)に由来します。これは前回解説した通りです。
日本神話において、東京湾を横断して房総半島に上陸した日本武尊の妻である弟橘媛(おとたちばなひめ)の(着ていた服の?)がたどりついた港(=)という意味です。
つまり、布津(ふっつ)→富津(ふっつ)です。
このエピソードについては前回の記事でさらに分かりやすく解説しているので、興味ある方は前回の記事以下の記事)をご覧ください。

房総半島一周の旅6 袖ヶ浦・木更津・君津・富津を進む 日本武尊にゆかりある海の地域

浜金谷と久里浜を結ぶ海・浦賀水道

浜金谷(はまかなや)と対岸の神奈川県・三浦半島(みうらはんとう)の間には、浦賀水道(うらがすいどう)という海峡が通っています。
浦賀水道(うらがすいどう)は東京湾への入り口となる、房総半島(の左に突き出た部分)と三浦半島(の右に突き出た部分)によって狭くなった海域です。後述するように、昔はこの狭い海域を砲台などで軍事的に防御を固めることで、外国の戦艦などが東京湾に侵入することを防いでいました。実際、この地域の沿岸部分には、現在もたくさんの砲台跡が残っています。

浦賀(うらが)」とは、三浦半島の右下(南東)にある地域であり、御存じあのペリー提督(マシュー・ペリー)が1853年に黒船で来航した地域です。しかし、実際には京急本線(けいきゅうほんせん)の浦賀駅(うらがえき、神奈川県横須賀市浦賀)よりも、現在のJR横須賀線久里浜駅(くりはまえき、神奈川県横須賀市久里浜)の方が最寄り(実際にペリー提督が上陸した場所)です。久里浜には、ペリー提督上陸を記念したペリー公園があります。

水道(すいどう)とは、もちろん蛇口の水道ではなく、ここでは「内海(ないかい)」「海峡」などの意味に近いです。
つまり、陸と陸に挟まれた、狭い海域のことを「水道」「内海」「海峡」などというわけです。
浦賀水道は、三浦半島と房総半島の間で、最も海が狭まる場所です。言い換えれば、三浦半島から房総半島へ渡りたい場合久里浜から浜金谷(はまかなや)までの距離が最短となり、実際に久里浜港~浜金谷港までのフェリー(東京湾フェリー)が出ています。1日7本、運航間隔は約2時間おき、片道約40分で1,000円の船旅になります(2024年時点)

また先述の通り、この狭まった位置で軍事・防衛力を固めれば、東京湾(首都・東京)に侵入してこようとする外国の戦艦を事前に叩くことができました
実際、対岸の三浦半島・横須賀(よこすか)には軍事基地が存在して首都・関東地方の防衛を固めていたほか(現在でも横須賀市は自衛隊米軍の拠点になっています)、先述の通り沿岸部や岬の部分にはたくさんの砲台跡が残されています。

対する房総半島側でも、館山(たてやま。千葉県館山市)をはじめとする沿岸地域には軍事基地が存在していました。
現在でも館山市には(航空)自衛隊の基地があります。

当時は、各地の自治体は町の発展のために、軍事基地を誘致していたのです。
もし軍事基地の誘致に成功すれば、そこで働く人(軍人やその家族など)が増え、さらにその人達をもてなすサービス業も発展してゆきます。結果として住民税を納める人が増えるために町の税収アップが期待でき、さらに町のインフラなどに投資できるため町の発展につながっていくからです。しかし戦後には、GHQによってこうした軍事施設は徹底的に解体されていくのです。

かつて石を掘り出していた「鋸山」

浜金谷(はまかなや)の近くには、鋸山(のこぎりやま)という山があります。

鋸山(のこぎりやま)は、まるで断崖絶壁にノコギリのような形に石が切られた山です。
これは(昔の建築物を建てるために必要な)石材を採ったためにできた形ですね。
つまり、昔は必要な建築材の一つとして、石を切り出していた山になります。

「石」はそこらじゅうに溢れているため、大昔の原始時代から手軽に手に入る資源として重宝されてきました。
例えば「」や「石油」などは、自然の中から不純物とともに(「鉄鉱石」や「原油」として)産出されるため、不純物を取り出さなければ、資源として使うことができません
しかし「石」は(加工すれば)そのまま使うことができます。これは大昔の人々からすればメリットでした。
なので「石」は石器時代からの「武器」「食器」や、ほかにもギリシアのパルテノン神殿などのような高級な建物に使う「建築材」として使われてきました。

先述のパルテノン神殿などのように、石は高級な建物を造ったりするための原料ともなってきました。
例えば国会議事堂や、江戸城などの建築部材などですね。
また、神奈川の伊豆半島に近い真鶴(まなづる)の本小松石(ほんこまついし)や、栃木県宇都宮市(うつのみやし)の大谷石(おおやいし)なども、江戸・東京をはじめとする関東地方の建物に、とてもいい石(丈夫・キレイ・加工しやすい軽い・耐火性あり)の材料として使われています。これがもし質の悪い石だと、脆(もろ)い・汚い・加工しにくい・重い・燃えやすい(火災になりやすい)といった事態になりかねないので、お偉いさんたちが暮らす建物に使うわけにはいきません。なので重要な建物には、歴史的に上記のような上質なものが使われてきたわけですね。

房総半島の海沿いをゆく(千葉県・内房線)

浜金谷駅を出ると、次は安房勝山駅(あわかつやまえき)に止まります。

おまけ:筆者の写真

内房線・この区間を移動中の筆者
内房線・この区間を移動中の筆者
内房線・この区間を移動中の筆者

注意
この記事は、「旅行初心者に教える」ことを目的地として書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
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