房総半島一周の旅11 房総半島の南海岸をゆく 九重・千歳・安房鴨川・行川アイランドへ

今回の房総半島の旅は、房総半島のまさに南端の海岸沿いを進んでゆきます九重・千歳・安房鴨川、そして行川アイランドといった地域の旅行を楽しむポイントをわかりやすく解説します!

(内房線)
蘇我駅→八幡宿駅→五井駅→姉ヶ崎駅→袖ケ浦駅→木更津駅→君津駅→大貫駅→上総湊駅→浜金谷駅→安房勝山駅→富浦駅→那古船形駅→館山駅→千歳駅→安房鴨川駅

(外房線)
安房鴨川駅→安房小湊駅→行川アイランド駅→上総興津駅→鵜原駅→勝浦駅→御宿駅→大原駅→上総一ノ宮駅→茂原駅→大網駅

※上記は全ての駅ではなく、スペースの都合上筆者が独断でピックアップしたもの

館山駅(たてやまえき、千葉県館山市)を出ると、房総半島の南端部分にあたる安房鴨川(あわかもがわ)・勝浦(かつうら) の方向に、房総半島の南端・南海岸沿いを進んでゆきます。

館山駅を出るとほどなくして、九重駅(ここのええき、千葉県館山市)をに着きます。

九重駅(ここのええき)は、「ビーチボーイズ」というドラマのロケ地になった場所としても知られます。
ビーチボーイズ」は1997年に大ヒットとなったドラマであり、反町隆史(そりまちたかし)さんと、竹野内豊(たけのうちゆたか)さんがダブル主演の、男の友情を描いたドラマです。
イケメン二人が海で戯れる姿は、当時のメンズの憧れだったと思います。
このドラマをきっかけに、反町隆史さんは翌年の「GTO」でも大ヒットするなど人気俳優となってゆきました。

九重駅を出ると、ここで一旦、南房総市(みなみぼうそうし)のエリアに戻ってきます。
南房総市は南東に延びているため、富浦駅(とみうらえき)以来再び南房総市に戻ってくる形になります。

やがて、千歳駅(ちとせえき、千葉県南房総市)に着きます。
北海道千歳市(ちとせし)にも同名の駅があり、お馴染みの地名ですね。

千歳(ちとせ)とは直訳すると「1000年間」という意味になりますが、それが転じて「非常に長い年月」を表す意味の言葉になります。
この「千歳」という地名は縁起がいいため(例えば「長生き」「平和な期間が長く続く」などの意味になる)、日本では全国的によく好んで使われる地名となります。

北海道の千歳(ちとせ)の由来も同じような意味であり、市内を流れる千歳川(ちとせがわ)の元々の名前である支笏川(しこつがわ)に由来します。
北海道千歳市についての詳細は、以下の記事においてわかりやすく解説していますので、ご覧下さい。

鉄道唱歌 北海道編 北の巻第17番 千歳、恵庭、樽前の名所

やがて、内房線(うちぼうせん)と外房線(そとぼうせん)との境界駅である、安房鴨川駅(あわかもがわえき、千葉県鴨川市)に着きます。

安房国(あわのくに)とは、千葉県南部のことをいいます。
(くに)」とは奈良時代の律令制におけるエリア分けのことで、現代の「都道府県」に該当します。

千葉県は北から
下総国(しもうさのくに)」
上総国(かずさのくに)」
安房国(あわのくに)」
の3つの国に分かれていました。

それぞれの「」「」の文字を取って、「房総半島」というのです。

千葉県鴨川市(かもがわし)は、房総半島の南海岸に位置する街であり、「鴨川シーワールド」という観光地で賑わいます。
また、鎌倉仏教の一つである日蓮宗(にちれんしゅう)」の開祖である日蓮上人(にちれんしょうにん)の出身地としても知られます。
その日蓮上人の出身地であることを記念して、弟子が建てたとされる「誕生寺(たんじょうじ)」があります。
また、日蓮上人がはじめて出家(しゅっけ)し、その儀式を行ったという「清澄寺(せいちょうじ)」というお寺が存在します。
出家(しゅっけ)とは、お坊さんになることをいいます。

鴨川市は、その「誕生寺」「清澄寺」の門前町(もんぜんまち)として発展してきました。
門前町」とは、参拝客をもてなすための飲食店・おみやげ店や宿場などで栄える町のことをいいます。

日蓮宗の総本山は、山梨県南巨摩郡身延町(みのぶちょう)の身延山久遠寺(くおんじ)にあります。
身延町(みのぶちょう)は、富士駅(ふじえき、静岡県富士市)と甲府駅(こうふえき山梨県甲府市)を結ぶ身延線(みのぶせん)の沿線上にあります。

日蓮宗をはじめとする鎌倉仏教については、以下の記事でわかりやすく解説していますのでご覧ください。

鉄道唱歌 東海道編 第9番 円覚寺と建長寺 そして鎌倉大仏 江ノ島の壮観な景色

この安房鴨川駅から先は、外房線(そとぼうせん)の区間になります。

ここからしばらくは房総半島の南海岸沿いを走ってゆき、周辺には漁師の人々が暮らす漁村の景色が目立つようになります。外房線は、大体この辺りの景色になると、なんとなく広島県の呉線(くれせん)と似ているという気がしています。呉線は広島県の三原駅(みはらえき、広島県三原市)から呉駅(くれえき、広島県呉市)を経由して海田市駅(かいたいちえき、広島県安芸郡海田町)に至る路線ですが、そのうち安浦(やすうら)や安芸津(あきつ)・安芸川尻(あきかわじり)・下蒲刈(しもかまがり)など広島県の瀬戸内海沿いのその辺の景色に似ていると思うのは私だけでしょうかね。(^^;) 余談ですが呉線といえば、うさぎの楽園大久野島(おおくのしま)への最寄駅・忠海駅(ただのうみえき、広島県竹原市)もあります。

話がズレて申し訳ありませんが、やがて安房小湊駅(あわこみなとえき、千葉県鴨川市)に到着します。

安房小湊駅は、千葉県市原市の五井駅(ごいえき)から東へ延びる、小湊鐵道(こみなとてつどう)の最終ゴール地点となるはずの駅でした
つまり小湊鐵道は、元々は安房小湊駅を目指して造るはずだった路線なのです。
しかし実際は安房小湊駅まで延伸されることはなく、途中の(房総半島の真ん中の)上総中野駅(かずさなかのえき、千葉県夷隅郡大多喜町)から「いすみ鉄道」と接続し、さらに房総半島の反対側の大原駅(おおはらえき、千葉県いすみ市)に至る路線となっています。
つまり現在は、小湊鐵道いすみ鉄道を合わせて、房総半島を横断する路線のようになっているわけです。

続いて列車は勝浦市(かつうらし)のエリアに入り、行川アイランド駅(なめがわアイランドえき、千葉県勝浦市)に着きます。

行川アイランド(なめがわアイランド)は1960年代~1980年代にかけて人気だった遊園地でしたが、現在では残念ながら廃止されています。理由はやはり、バブル崩壊による不況に伴う利用客の減少です

1964年の開業当初は「フラミンゴ(鳥)」がとても人気で、たくさん観光客が訪れていました。
この時に外房線「行川アイランド駅」が出来ています。

しかし、1970年に西隣の鴨川市(かもがわし)が「鴨川シーワールド」いう観光地を開業させてからは、お客さんをそちらに奪われる形となってしまいました。
その後1974年頃に一度は客足を取り戻し活況とはなったのですが、オイルショックによる不況で再びお客さんが来なくなってしまいました。
1980年代後半になるとバブル景気の影響で、南房総地域まで(思うがままにお金を使って)遊びに来る余裕がある人が出てきたりして、ここで再び行川アイランドはお客さんを取り戻しました

しかし、1990年代になるとそのバブル景気は崩壊してしまい、世の中は一気に不景気となってしまいます。
すると行川アイランドへ来ようとするお客様はここでまたまた激減、その後は結局勢いを取り戻すことはなく、2001年に残念ながら閉園してしまいました。

房総半島の南の果てにあたるこのエリアは、どうしても東京から遠くなりがちです。
そのため、いったん不況に陥ると東京からの観光客は遠くてなかなか来にくいエリアとなってしまいます。
また、不景気になると人々の娯楽費は真っ先に削られていくため(つまり、人々は日々の生活費の支出でいっぱいいっぱいとなり、もはや旅行や観光などをしている場合ではなくなる)、より観光客の減少に歯止めがかからない事態となってしまっています。

もちろん、房総半島南側は昔から海の綺麗なエリアであり、海水浴客からも人気がありました。
しかし先述の通り不景気になると、東京の人々はどうしても神奈川県の湘南(しょうなん)地域の海などのような、より近場で気軽に来られるような海を選択してしまうことになるでしょう。

さらには房総半島の鉄道路線もかなりの苦境であり、東京から館山(たてやま)までの高速道路が建設されたこともあって、安価で気軽な高速バスの方が圧倒的有利となってしまい、房総半島の特急列車は苦戦を強いられ次々に廃止に追い込まれていったのでした

このように、房総半島の南部にはバブル崩壊以降、どうしても見逃せない負の部分があるのです。地域人口が減少している以上なかなか復活の兆しは難しいでしょうが、少しでも皆さんがこの記事をきっかけに房総半島に興味を持ち、遊びにいってもらえるきっかけとなれば幸いです。

次は、上総興津駅(かずさおきつえき)に止まります!

注意
この記事は、「旅行初心者に教える」ことを目的地として書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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