房総半島一周の旅17 銚子へ到着!国内屈指の水産都市

今回の房総半島の旅は、千葉県でもっとも東端にある国内有数の水産都市・銚子の話題となります!この地の旅行を最高に楽しむための知識を、とてもわかりやすく解説します!!

(東金線)
大網駅→東金駅→求名駅→成東駅

(総武本線)
成東駅→横芝駅→八日市場駅→干潟駅→旭駅→松岸駅→銚子駅

※上記は全ての駅ではなく、スペースの都合上筆者が独断でピックアップしたもの

総武本線を北上して、銚子へ

旭駅(あさひえき、千葉県旭市)を出てから総武本線(ほうぶほんせん)によってさらに北上すると、銚子(ちょうし)方面へとどんどん向かってゆきます。

やがて、成田線(なりたせん)との合流点・分岐駅である松岸駅(まつぎしえき、千葉県銚子市)に着きます。
さらに松岸駅を出て東へ進むと、やがて銚子駅(ちょうしえき、千葉県銚子市)に着きます。

「ようこそ銚子へ」銚子駅より
銚子駅(千葉県銚子市)

利根川の河口に位置する水産都市・銚子

千葉県銚子市(ちょうしし)は、利根川(とねがわ)の河口に位置する町になります。

銚子市からの利根川

利根川(とねがわ)とは、日本一の流域面積を誇る川です。
流域面積」とはちょっと説明が難しいですが、「降った雨の水が利根川に入る地域の面積の合計」という意味になります。
つまり、埼玉県・群馬県・栃木県・千葉県・茨城県の、利根川の流域面積に含まれる地域に降り注いだ雨の水は、地下を通って利根川に流れこむというわけです。
そしてその利根川の水は汲(く)み上げられ、人々の生活に欠かせない飲み水や、生活に必要な水、また農業に使われる水へと代わってゆきます。
これによって、その流域面積の地域には大きな経済的影響が出てきます。
つまり流域面積が大きいほど、その地域の経済に影響してくる(その川の水に大きな恩恵を受けている)ことを意味します。

地下から川に流れ込んだ水は、やがて海(利根川の場合は、銚子の海)に注ぎます。
その海水が上昇気流によって雲となり、再び雨となって流域に降り注ぎます
このようして、水は循環しているのです。

なお、日本一長い川は利根川ではなく信濃川(しなのがわ)になります。ここは社会科のテストで引っかけ問題の常連となるので、要注意です。
新潟県では信濃川(しなのがわ)、長野県では千曲川(ちくまがわ)という名前になります。

千曲川・信濃川については、以下の記事でもわかりやすく解説しているため、ご覧ください

鉄道唱歌 北陸編 第23番 御代田・小諸へ 佐久平地域をゆく

利根川は古くからよく暴れて洪水を起こしていた川のため、坂東太郎(ばんどうたろう)とも呼ばれます。

鉄道唱歌 奥州・磐城編 第6番でも
♪末は銚子の海に入る 坂東太郎の名も高し
と歌われていますね。

詳しくは、以下の記事をご覧ください。

鉄道唱歌 奥州・磐城編 第6番 日本一の流域面積をもつ利根川を渡る

「東廻り航路」で荷物を運んできた舟が、銚子→利根川→江戸へと運んでいた

かつては、江戸時代には東北の仙台あたりから運ばれてきた米が「東周り航路」を通って利根川に至り、利根川から江戸に入っていったのですね。
江戸時代までは、利根川は東京湾に注ぐ川でした。
しかし、江戸時代に幕府の主導により、約60年に及ぶ大工事により、現在のように銚子の海に注ぐようにルート変更されたのでした。
これを利根川東遷事業(とねがわとうせんじぎょう)といいます。

このように、「東回り航路」によって仙台藩などから舟で運ばれてきた大量の米は、銚子から利根川へ入り、江戸の町まで運ばれたのです。
東回り航路」とは、江戸時代に河村瑞賢(かわむら ずいけん)と呼ばれるお金持ちによって造られた、海のルートです。なぜ海のルートかというと、当時は貨物列車・高速トラック・航空機などは無かったため、舟で運ぶのが一番効率よかったからです。

銚子市からの利根川

釧路港と並ぶ、全国トップクラスの港・銚子港 親潮と黒潮のぶつかる漁場

銚子港は、水揚げ量が北海道釧路市(くしろし)の釧路港(くしろこう)と並んで日本でトップクラスの港になります。

銚子の海は、黒潮(くろしお)と親潮(おやしお)がぶつかる場所になります。

黒潮(くろしお)とは、日本海流ともいい、和歌山の紀伊半島あたりから(正確には、沖縄の西から)東へと流れる海流です。南の暖かい地域から流れてくるので、暖流(だんりゅう)とも呼ばれます。

親潮(おやしお)とは、千島海流(ちしまかいりゅう)ともいい、北海道の釧路あたりから(正確には、千島列島あたりから)南へと(太平洋を)流れる海流です。
北の冷たい海から流れてくるので、寒流(かんりゅう)とも呼ばれます。
親潮には、生物が生きるのに必要な栄養塩(えいようえん)がたくさん含まれるため、植物プランクトンがそれを食べて繁栄しやすいです。
また、植物プランクトンは魚が食べる栄養源だったりします。
植物プランクトンや魚が育ちやすい「親」としての役割があるため「親潮」と呼ばれるのです。

この「親潮」と「黒潮」両者がちょうどぶつかるのが、銚子をはじめとする房総半島の沖から、東北地方の三陸沖(さんりくおき)ということになります。

親潮と黒潮がぶつかると、湧昇流(ゆうしょうりゅう)という現象が起こり、寒流の冷たい(植物プランクトンを多く含んだ上(海の浅い部分)にあがってきます
こうなることで、魚が植物プランクトンを食べやすくなり、栄養が豊富な海になります。
すると、魚がたくさん増えるため、後述のようにたくさんの漁師もやってきます
これにより、銚子港は日本有数の漁場となるのです

たくさんの漁師によって発展してきた港湾都市・銚子

このような事情から、銚子には漁師がたくさん移り住むので、そうなると漁師(や、その家族)に生活サービスを提供するためのお店やサービス業などの会社も増えることになります。
その結果として、銚子の街が発展していくわけです。

また、たくさんの漁師たちが(長い)船旅に出るために、港の施設も充実してくるため、そこで働く人も増えます(つまり、雇用が生み出されます)。

また、銚子のような港町には、釣った大量の魚を保存して全国各地に出荷するための「卸売り(おろしうり)市場」があります。
例えば、もし漁師が魚を全国各地のスーパーマーケット等に「出荷する」仕事まで全部やっていると、そちらの業務にも追われてしまうため、漁師としての仕事に専念しづらくなります
なので、漁師は釣った大量の魚を卸売り市場に預け、全国への出荷(や、運送業者の手配・管理などの仕事)はその市場に任せます。それによって漁師は魚釣りに専念できるため、業務負担が減らせます。運送業者にとっても、各地の漁師から魚を回収して走り回るよりは、市場に1ヵ所にまとまっている方が、在庫の魚を回収しやすいです。
このように人々が得意分野ごとに「分業」することで、世の中は成り立っているわけです

余談ですが、太古の昔から、人々は「分業の方が効率がいい」「大きな仕事は、一人では絶対できない」ことに気付いていたので、世の中は様々な人々が(それぞれ得意な)仕事を分担して、協力して成り立っているのです。なので、会社での仕事ではコミュニケーション能力が求められるのです。しかし、私(筆者)のように発達障害などが原因でコミュ力に難ありの人は、会社員として働くのは厳しいため、起業家・フリーランス・YouTuber・エンジニア・技術者・トラック運転手・小説家・画家など、なるべく一人でもできる仕事を探して、そこへ向かって全力で(専門技術身につけて)突き進むのが最適解とも思われます。

卸売市場、製氷工場・・・漁業をするのに何でも揃った、港湾都市・銚子

かなり話が逸脱しましたが、話を元に戻します。

魚の値段は、今回の例だと(エンドユーザに売る)スーパーマーケット等の店の利益卸売り市場の利益漁師の利益、さらには運送業者(トラック運転手など)の利益消費税などで構成されているのです。

エンドユーザとは、最終的に購入活動を行うお客様のことです(今回の例だと、スーパーで買い物をする主婦の皆さん等)。

魚を冷凍保存するためには、氷付けにする必要があります。
そのため、銚子には氷を製造する(製氷する)会社や、またその氷を造るための水を貯蔵する施設があります。するとそこで働く人たちも存在するため、こういった施設も町の人々にとっては貴重な雇用先となっているわけです。
また、缶詰めの工場だったり、先ほど紹介した全国各地へトラックなどで運送するための運送会社なども存在したりするわけです。
つまり銚子をはじめとする全国の港湾都市港町には、街全体でこうした機能が揃っているわけですね。

こういう会社・工場・施設が町にたくさんあると、そこで働く人たちの雇用が産み出され、彼らによって税金(住民税)がたくさん納められるため、町が発展していくというわけです。逆をいえば、町の発展と人口増加には「雇用を生み出せるか」がかなり重要であるため、産業の発展企業の誘致、さらには起業家の支援なども町の発展には重要な要素なのです。

銚子には以上に紹介したような、これだけたくさんの水産関係の会社があるため、銚子は国内屈指の水産都市とされています。
また、銚子は江戸時代に紀州・和歌山から漁場を求めてたくさんの人々が移り住んだことから、その歴史が始まったことになります。 

次回は、銚子電鉄の話題となります!

注意
この記事は、「旅行初心者に教える」ことを目的地として書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
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