【静岡】伊豆・熱海 熱海を散策

今回は、私(筆者)が静岡県・熱海(あたみ)を旅行したときの話をします。

静岡県の東て伊豆半島右上の付け根・熱海市 

熱海市の景色(静岡県)

静岡県熱海市(あたみし)は、静岡県の最東端にある市になります。
いや、正確には静岡県の本土での最東端伊東市(熱海市の南にある市)になるのですが、熱海市の沖合いに浮かぶ、フェリーで約30分ほどの位置にある初島(はつしま)が静岡県最東端の地になります。
初島は熱海市に含まれるので、そういった意味では熱海市が静岡県最東端の市といえるでしょう。

そんな熱海市といえば、やはり温泉ですね。
熱海は「熱いお湯が海に流れ込む」という意味から、その地名の由来となったそうです(諸説あり)。

太宰治も訪れた、熱海温泉

熱海には江戸時代に徳川家康湯浴み(ゆあみ)のために何度も通ったほか、小説家・太宰治(だざい おさむ)のような文豪にも愛されてきた町です。
太宰治の代表作「人間失格」は、熱海の起雲閣(きうんかく)で書かれました。

太宰治をはじめとする「心がちょっとデリケートな作家たち」は、リラックスした環境で集中して創作活動に専念するためなのか、温泉街に短期(または長期)滞在して、筆をとることが多かったのです。このように、温泉街にしばらく滞在することを逗留(とうりゅう)といいます。

熱海の他にも、太宰治は山梨県甲府市にある湯村温泉郷(ゆむらおんせんきょう)などにも逗留していたことがありました。その他、代表作「斜陽(しゃよう)」を執筆したことで知られる静岡県沼津市・内浦(うちうら)の安田屋旅館も有名ですね。同市を舞台としたアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の舞台となった旅館でもあります。

1948年に発表された「人間失格」は、ほぼ太宰治の実際の人生に即しているような内容になっているため(例えば主人公が東北出身である点や、幾度の自殺未遂を図った点、さらに主人公が薬物中毒に陥った点など)、まるで自伝のような内容となっています。そして「人間失格」の発表の直後に自殺したため、長年にわたって「遺言のような作品」だとも思われてきました。しかし彼が没してしまっている今、その真相のほどはわからないのです。

なお「人間失格」は、現在は夏目漱石の代表作「こころ」と通算売上で長年にわたって一、二位を争うほどの、日本文学の歴史に残る小説です。

ちなみに私(筆者)も、発達障害のため会社員もアルバイトも何一つまともに勤まらなかった、いわゆる人間失格な性格の持ち主です(^^;

さらに、明治時代の作家である尾崎紅葉(おざきこうよう)の代表作・金色夜叉(こんじきやしゃ)も、熱海(と、栃木県の塩原温泉)がそのストーリーの舞台となっています。

「湯浴み」で栄えた、熱海温泉

話を元に戻します

湯浴み(ゆあみ)とは、お湯の力で病気や怪我を治すことをいいます。
昔は現在ほど医学が発達していなかったため、お湯や仏様・おまじない・祈祷などの力を使って怪我や病気を治していたのですね。

また、温泉の歴史として、一般的な日本全国の温泉の始まりは「そのお湯の水が、人々や動物(や鶴など)の傷を癒したこと」が始まりだったりする伝説が多いといえます。そして最初にその温泉を発見した人は、弘法大師(こうぼうだいし)・空海であるケースが多いといえます。(熱海温泉は異なります)

熱海のように、東京から程近い温泉街のことを「奥座敷(おくざしき)」といいます。
これは栃木県の鬼怒川温泉(きぬがわおんせん)にも同じことがいえます。

奥座敷(おくざしき)の例:

浅虫温泉(あさむしおんせん)→青森・八戸の奥座敷
磐梯熱海温泉(ばんだいあたみおんせん)→福島・郡山(こおりやま)・会津(あいづ)の奥座敷
有馬温泉(ありまおんせん)→大阪・神戸の奥座敷
おごと温泉→京都・大津の奥座敷

バブル崩壊による衰退から復活へ 今も観光客でにぎわう熱海

1960年代の高度経済成長期から1980年代のバブル期にかけては、人々がたくさんのお金(娯楽費)を持っている時代でした。
そのため熱海は「社員旅行のメッカ」となったりして、熱海温泉やホテル・旅館などは大きく賑わいました。

なぜ社員旅行が当時よく行われたのかについての理由は様々ですが、その理由の一つとして「新入社員を少しでも集める(確保しておく)」という必要性がありました。バブル時代にはどの企業も商品やサービスがたくさん売れ過ぎて大忙しであり、とにかく大量の人手が必要でした。当時は今ほど「自動化」の仕組みが確立されていなかったため、多くの仕事は基本的に「手動」でやっており、そのために多くの人手が必要だったのです。しかし月100万円くらいは給料として払う勢いでないと、なかなか新入社員は来てくれません(=他のライバル他社に若くて優秀な人材を取られておしまいです)。しかしあまりにも高給料を出しすぎるのも問題のため(一度上げた給料は後に下げにくい)、社員旅行レクリエーション福利厚生住宅補助金などの給料以外の部分の待遇を充実させてゆくことで、多くの新入社員を集め、さらに一度来てもらった社員辞めにくいような仕組みを作っていったのです。本当に羨ましい限りの世の中だったわけですね。

話を熱海や「社員旅行」の話題に戻します。

もちろんこれは熱海だけに限った話ではありません。全国各地の別荘地温泉地、また海や山に近い風光明媚な場所は、どんどん別荘が立てられたり、ホテル・旅館等が建てられてゆきました。

そして人々はそんな豪華な温泉旅館に泊まったりして贅沢の限りを尽くしていたという、現代の世の中の我々からすれば羨ましい限りの時代だったのでした。
それだけ、当時はみんなお金に余裕があったということです。逆にお金に余裕がないと、娯楽にこれだけのお金をかけることは不可能ですからね。

しかし、1990年代に入ってバブルが崩壊すると、世の中は一気に不景気となってしまいました。すると人々は日々の最低限の支出で家計を圧迫するようになり、温泉旅行どころではなくなってしまいました。
するとそのあおりを受けて熱海温泉は一気に衰退し、人が来なくなって閉業に追い込まれる温泉・ホテル・旅館などが続出してしまいました。
もちろんこれは決して熱海のみに限った話ではなく、栃木県の鬼怒川温泉(きぬがわおんせん)などをはじめ、全国の温泉地・リゾート地なども同じように苦境に立たされていったのです。

しかし平成後期に入り、ここ10年ほどで熱海の人気は再び取り戻しつつあるようで、熱海駅周辺はいつも多くの観光客で賑わっているように思います。少なくとも、熱海駅周辺にたくさんあるコインロッカーは、全て常に埋まっているという印象ですね。

東京から近く、海に来られる熱海

やはり東京から近く、すんなり行きやすい(新幹線や特急「踊り子」などで乗換無しで来られる手軽さがある)ことから、熱海の人気は高いのでしょう。

近隣の箱根(はこね)にも芦ノ湖(あしのこ)などの綺麗な湖がありますが、熱海も綺麗な海に近いため、これも熱海が人気の理由でしょう。

また、熱海は「みかん」や「干物(ひもの)」がとても人気です。
静岡県は和歌山県・愛媛県に次ぐみかんの名産地であり、静岡県のように温かくて斜面の多い土地では、みかんやお茶などが育ちやすいのです。

干物(ひもの)は、降水量が少なくて気候のいい、熱海ならではのものです。
みかんや干物は、西隣の沼津市(ぬまづし)でも人気です。

初島フェリーで、初島へ

熱海からは、沖合いに浮かぶ初島(はつしま)へのフェリーもあります。熱海港から約30分であり、伊東市の海岸からも、その島の姿を眺めることができます。

伊東市の海。はるか遠くに初島の景色が確認できる

初島行きのフェリーには、多くのカモメたちがずっとついてきます。
なぜカモメがついてくるんでしようか、調べてもわかりませんでした(^^; エサをもらえるからなんでしょうかね? 他のお客さんがカモメにエサを投げて、くちばしで華麗にキャッチする姿は見事としか言いようがありません。

今回はここまでです。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

【注意】
この記事は、「旅行初心者に教える」ことを目的地として書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
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