道東の旅14【後編】 根室本線・厚内→浦幌→豊頃→池田→幕別→帯広

新吉野駅 奈良の吉野と、関係あり!?

厚内駅(北海道十勝郡浦幌町厚内)

厚内駅あつないえき(北海道十勝郡浦幌町厚内)を過ぎると、ここで北へ大きく向きを変え厚内川あつないがわに沿って北上します。
海とはここでお別れであり、内陸部へ向かって進みます。
そして北上すると、

  • 浦幌駅うらほろえき(北海道十勝郡浦幌町)

を過ぎ、

  • 新吉野駅しんよしのえき(北海道十勝郡浦幌町)

に到着します。

浦幌駅(北海道十勝郡浦幌町)

新吉野駅(北海道十勝郡浦幌町)

新吉野駅は「アイヌ語由来」っぽくはない駅名ですよね。
なので、私は個人的に「新吉野駅」の由来について

  • 明治時代に「吉野さん」という人(お金持ち)が移住・開拓した土地だから?
  • あるいは、奈良県の吉野徳島県の吉野川あたりからやってきた移住者が開拓した土地だから?

など色々と考えてしまうクセがついてしまっています。
しかし残念ながら、真相はどちらも違ったようです。

元々は、新吉野駅は下頃部駅したころべえきという、ちょっと読みにくい駅名でした。

なのでより読みやすい駅名に変えようという機運が、時代とともに高まったのです。
そこで、昔この地域に「吉野の桜」が近くにあったことから「新吉野駅」に変えたらしいのですが、定かではなく、諸説あるようです。

「吉野」とはもちろん「奈良の吉野」のことであり、春は桜でいっぱいになる名所です
まぁ「奈良の吉野」という点につきてだけは、上記の私の予想少し当たっていたわけです(^^;

奈良の吉野」の桜については、以下の記事でも解説しておりますので、ご覧ください。
鉄道唱歌 関西編 第46番 再び紀ノ川(吉野川)を渡り、花の吉野山へ 

池田駅に到着 「ワイン」と日当たりの良い町

新吉野駅を出ると、

  • 豊頃駅とよころえき
  • 湯沸駅とうふつえき

を過ぎて、やがて

  • 池田駅いけだえき(北海道中川郡池田町)

に着きます。

池田駅(北海道中川郡池田町)

池田町は「ワインの町」として知られます。
また、日当たりがとても良く、雨があまり降らないため、その日照時間の長さを利用した農業(ブドウや牧畜など)が盛んです。◯逆にいえば「雨や曇りに弱い作物」にとっては、うってつけの気候条件なわけです。

ワインといえば「ぶどう生産量日本一」の山梨県であり、また北海道・池田町は明治時代に山梨の人たちが明治時代に移住してきたことから(その歴史が)はじまっています。
しかし池田町のワインと山梨県の関係性については、かなり調べたのですがよくわかりませんでした。

池田町は先述の通りとても日当たりがよいため、ワインの原料となるぶどうにたくさんの日光があたり、とても甘くておいしいぶどうが出来上がります。
そのぶどうを生かしたワイン製造がさかんだというわけですね。

池田町の日当たりと気候がとてもよい理由として、

  • 日本海からやってくる冬の雨雲が、池田町の北部にある山脈に遮られて、雨雲がここまでやってこないこと
  • 太平洋に面した十勝平野にあること

も、大きな要因となっています。

一般に、冬は太平洋側は晴れが多いのに対し、日本海側は曇り・雨・雪の日が多くなります。

池田町は日照時間がとても長いことで、

  1. 牧草がとても栄養価が高いもの(栄養をたっぷり含んだもの)が育ち、
  2. それを食べる「牛さん」たちも、大喜びになる

というわけです。

鳥取藩主・池田氏が明治時代に移住してきた池田町

池田町も先述の新吉野と同じで、「北海道なのにアイヌ語由来っぽくない」地名ですよね。
これは、江戸時代に鳥取藩主を歴代務めてきた池田氏いけだしが明治時代に入植した(移住してきた)ことがきっかけです。

鳥取藩は、池田氏という一族によって代々治められてきたという歴史があります。
その一族が、明治時代になって武士の時代が終わり、北海道に夢とロマンを求めて移住してきたわけです。

またこれは以前解説したように、かつて釧路市に「鳥取村」があったのと似ています。
以前解説したように、釧路市も鳥取藩の武士が移住してきたことによって開拓されたことがはじまりです。

詳しくは以前の以下の記事で解説していますので、ご覧ください

道東の旅11 道東の中心都市・釧路市 鳥取と歩んだ製紙業・漁業の街

また、池田町は、神奈川県横浜市の偉大な人物である、高島嘉右衛門たかしまかえもんという人物によっても開拓されました。

高島嘉右衛門たかしまかえもんは、明治時代のはじめに東海道線・新橋~横浜間の鉄道建設の必要性を明治政府に

鉄道を開設すれば、日本の経済・軍事力はもっと上がりますよ! しかも建設工事が、四民平等で職を失った武士への職の受け皿にもなりますよ!

と進言・説得し、見事に1872年の鉄道開業に導いたという偉大な人物でもあります。
なので「横浜の父」ともいわれており、また横浜市の高島町高島)という地名の由来にもなっています。
こちらはまた改めて、もっと掘り下げて解説します!

広大な十勝平野へ

十勝平野へと出てくる(根室本線の車窓より)(北海道)

池田駅を出ると、広大な十勝平野とかちへいやに出てきます。
十勝平野とかちへいやは、日本で3番目に大きな平野になります。
ちなみに1番は関東平野、2番は同じく北海道の石狩平野です。
十勝平野ではその広大な面積を生かして、また夏は涼しいことから農業酪農らくのうが盛んです。

広大な十勝平野を進む(根室本線の車窓より)(北海道)

本州では夏は蒸し暑く、酪農に必要な牛や牧草は暑さに弱いため、適していません。
また、農業や酪農を行うためには、とにかく平地が必要です。
本州では基本的に山間部が多くて平地が少なく、北海道に匹敵する平野といえば都会の関東平野くらいしかありません。
しかし関東地方はご存知の通り、大部分が都会のビルや住宅地・ベッドタウンなどで占められていますから、農業が盛んな地域とはとてもいえません(ただし埼玉県や千葉県などであれば、農業が盛んな地域もあります)。
そんな本州の他地域が、まともにやったら北海道・十勝平野に農業や酪農などで勝てるわけがありませんよね。
それだけ、冷涼で広大な十勝平野は、農業と酪農に恵まれた地形・地域なのです。
まさに「食の宝庫」といえるでしょう。
そして牧場にいる「牛さん」たちも暑さに弱い動物です。
牛さんたちは汗腺かんせんがあまり発達していないため、汗をかきにくいのです。
正確には一応汗はかきますが、人間のそれに比べて10分の1ほどであるため、やはり人間に比べたら牛は暑さに弱い動物といえるでしょう。
汗には「体温調節」の役割があるため、汗をかけないと夏の高温にさらされたときに体温調節ができないため、熱中症にかかるリスクが上がってしまいます。
なので、牛さんたちは冷涼な北海道や本州の高原地帯などを好みます。
牛さんたちが食べる牧草も同じく冷涼な地域で育ちやすいです。
涼しい長野県でも、標高が300m~1,000m前後という高原地帯なので、牧場が盛んですよね。
こうした冷涼地高原地帯で採れる農産物や乳製品は、本州などの多地域では貴重なため、北海道が重宝されるわけですね。
牧場といえば、鉄道ファンには「牧場の朝」という曲がおすすめです。

  • 東北本線・鏡石駅かがみいしえき(福島県岩瀬郡鏡石町)

の発車メロディーになっている、とても優しい雰囲気のメロディーが印象的な曲です。
鏡石駅のある鏡石町には、「岩瀬牧場」という有名な牧場があります。

利別・幕別を過ぎて、帯広駅に到着

池田駅を出ると、

  • 利別駅としべつえき
  • 十勝川とかちがわ
  • 幕別駅まくべつえき
  • 札内駅さつないえき
  • 札内川さつないがわ
  • 帯広駅おびひろえき

のように過ぎてゆきます。

利別としべつは、慣れないとなかなか一発で読みにくい駅名ですね。
知らないと、普通に「りべつ」と読んでしまいそうですよね。

知床斜里しれとこしゃりに近い止別やむべつも、「しべつ」と読んでしまいそうです。

他にも、花咲線はなさきせん厚岸あっけしも、「あつぎし」と日本語風に読めてしまいます。

北海道には改めて「難読地名が多いなぁ~」と思ってしまいますね。

札内川(根室本線の車窓より)(北海道)

札内川さつないがわを渡ってゆくと、だんだんと帯広おびひろの市街地に近くなります。
札内川さつないがわは、南西の日高山脈ひだかさんみゃくから流れ出る川です。
やがて十勝川とかちがわと合流して、南東に流れ、太平洋に注ぎます。
十勝川とかちがわは、北西の険しい山地から流れ出る川です。

そして帯広駅に近づく頃には、乗ってくる人々(通学客・買い物客・通勤客など)、降りる準備をしているお客さんなどが多くなります。
いよいよ道央十勝みやこに着くのか~といった雰囲気になります。
ほどなくして、帯広駅おびひろえき(北海道帯広市)に着きます。
今回はここまでです! お疲れ様でした!

ちゅうい!おわりに この記事は、「旅行初心者に教える」ことを目的として書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。
そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。
再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。
何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
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