快速なぜ静岡県には快速が無いのか?について、わかりやすく解説してゆきます!鉄道に詳しくない方にも、わかりやすく解説します。

静岡県のシンボル・富士山
今回は、青春18きっぷ初心者の永遠の課題・永遠の謎である、
について、絶賛解説してゆきたいと思います!!
(テンション高www)
※ちなみに、朝・夕限定の通勤列車としては快速ホームライナーが存在します。
青春18きっぷ初心者「なぜ静岡県に快速が無いんだよ!?」
青春18きっぷ初心者・心の叫び声
ええ、そうですよね!!わかりますよ!!私(筆者)も、本当に青春18きっぷ初心者の頃には確かにそう思っていました!!
特に初心者の頃は、東京~大阪を移動するのに、「安くいける」という理由でよく青春18きっぷを使っていました。
とにかく横に広い、静岡県
しかし、静岡県は、とにかく横に広いです。
- 東は熱海市(あたみし)から、
- 西は湖西市(こさいし)の新所原駅(しんじょはらえき)まで、
とにかく広いわけです。
昔は本当に、
とか、
とか思っていました(^^;
もちろん今は経験値が上がったため、そう思う事は無いんですけどね。
快速が存在しないため、普通列車が基本の移動となる
しかも今回メインで触れるように静岡県では快速が無いため、東京・名古屋・大阪などの大都市とは違って普通列車(鈍行/どんこう)での旅が基本となります。
そう考えると、かつて静岡県の列車旅は永遠にも近いような長さに感じられたものでした。
地理感のない状態での、静岡県の移動はきつい
しかも当時は、今のように静岡県の各都市に関する「地理感」もないため、例えば
- 「袋井(ふくろい)」
- 「菊川(きくかわ)」
- 「焼津(やいづ)」
- 「蒲原(かんばら)」
などの、静岡県の基本的な地名もわかりませんでした。
そのため、いったい今どこを走っているのかもわからない。
横を走る新幹線に、バンバン抜かれていく惨めさ
極めつけは、横を走る「東海道新幹線」にバンバン抜かれていくという惨めさがありました。
と、何度思ったことでしょうか。
新幹線とは無縁な学生時代だった
さらには、掛川駅や静岡駅などの比較的大きな駅に列車が着こうとすると、
という車内アナウンスが流れるたびに、
と何度思ったか図り知れません(^^; この時はまだ社会人にもなっていない、右も左もわからず「うだつの上がらない」学生時代だったからです。
「小田原~豊橋」の区間は、延々と快速の存在しない、普通列車のみの区間
とまれ、ひとたび小田原駅(神奈川県)を出たら、少なくともはるか遠くの豊橋駅(愛知県)までは快速列車が無い。
もちろん逆も同じで、小田原駅から先は、はるかずっと遠くの豊橋駅までは、快速列車に乗れることはないわけです。
ここに「長~い静岡県の列車」旅のはじまり、それが私の初心者学生時代の列車旅でした。

静岡県・焼津市の海
筆者の現在の旅行レベル:静岡県の旅は楽勝。むしろ楽しくて仕方ない
そんな静岡県の列車旅が苦痛すぎた昔の筆者ですが、現在の私は静岡県の列車旅は全く苦痛でありません。
むしろ楽しくて仕方ありません。
静岡県の各駅に、大抵何があるかは把握している
静岡県の沿線の名物・歴史・地理などの知識はほとんど頭に入っていますし、どの駅にどんな物や何があるのかもかなり把握しています。例えば、
- 「この駅のすぐ前にはコンビニがある」
- 「この駅のすぐ前には、快活CLUBやマクドがある」
といった具合です。
一応、静岡県の東海道線の「全ての駅名」は言える
ちなみに私は、静岡県内にある東海道本線の駅は、記憶だけで全部言えます!
以上、これは筆者が何も見ずに記憶だけで書いた、静岡県の東海道本線の全駅です。合ってますかね・・・?ぜひ答え合わせしてあげてみてください。

天竜川(静岡県)
静岡県に快速がない理由。答えは「いらないから」。
結論。
です。
いやいや、落ち着いてください!
実はあなたにとっても、静岡県に快速のメリットが無いんですよ!
まあまあ、気持ちはわかりますよ(^^;昔は私もそう思っていましたから!
では、実際に静岡県に快速が必要ない理由を、一つ一つ検証してゆきましょう!

富士川(静岡県)
理由1 静岡県は駅間距離が長く、わざわざ快速を設置しても所要時間はあまり変わらない
静岡県における東海道本線は、東京・名古屋・大阪などの大都市と比較して、以下のような違い・特徴があります。
・駅間距離がとても長い。
・普通列車の速度が、とても速い。
つまり、駅と駅との距離がとても長いのです。
都会では、駅間距離が比較的短い
例えば、東京・名古屋・大阪などの大都市であれば、数百m~1kmごとに駅があるのも珍しくありません。
代々木駅~新宿駅であれば約700mです。
つまり都会では1駅ぶんくらいなら徒歩でいくことも充分できます。
例えば、都会勤めをしている人であれば
という方もいることでしょう。
静岡県は、駅間距離が比較的長い
しかし静岡県の場合は、そんな事もできないくらい、駅間距離がとても長いです。3km~5kmくらいは普通で、長いと10kmに及ぶこともあります。
最も長いのは、金谷駅(かなやえき、島田市)~菊川駅(きくかわえき、菊川市)の、約9.3kmです。
その他、菊川駅~掛川駅(かけがわえき、掛川市)のように、一つの市に一つの駅というケースもあるのです。
これだけ駅間距離が長いと、たとえ快速列車を設定したところで、大した時間的な短縮にはなりません。
近年の静岡県の普通列車は、スピードもかなり速い?
また、私の気のせいかもしれませんが、近年の静岡県の普通列車は、とてもスピードアップしているような気がしています。
静岡県では、普通列車のスピードが、昔と比べてとても速く感じるのです。
これはおそらく車両のバージョンアップや、技術向上などの要因もあるのでしょう。
なので近年は、普通列車で移動していても
- 「あっという間に着いたなぁ」
- 「もう静岡駅に着いたの!?」
と感じることが多くなりました。
理由2 地元民にはメリットが無いから
青春18きっぷユーザーにとってはメリットありずきな静岡県の快速列車は、地元民にとってはメリットが無いものとなります。
例えば、現在もし1時間に3本の普通列車が設定されていたとして、もしそのうちの1本を快速列車に変えてしまったとしましょう。
すると、地元民の通勤・通学・買い物などに大きな影響が出てしまいます。
せっかく駅でいつもの列車を待っていても、それまで乗っていた普通列車が「快速列車」に変わったことで、目の前で激しく通過されてしまったら、地元民としてはかなり不平不満の原因となってしまうでしょう。
「草薙駅」「東静岡駅」などの、通勤通学客にも配慮
例えば、快速列車の停車駅を、以下のように設定・仮定します。
(※現在でも朝の通勤時間限定で設定されているホームライナーの停車駅を参考にしています)
しかし、これだと静岡駅に近い
- 草薙駅(くさなぎえき、静岡市)
- 東静岡駅(ひがししずおかえき、静岡市)
- 焼津駅(やいづえき、焼津市)
などといった、比較的人口や利用者が多い地域の駅から乗る地元住民にとっては、メリットがありません。
むしろそれまで乗れていた列車が通過してしまって、地元民にとってはストレスでしかありません。
焼津市民からも不平不満のクレームの声が上がることでしょう。
またこれだと、浜松駅にも近い
- 高塚駅(たかつかえき、浜松市)
- 天竜川駅(てんりゅうがわえき、浜松市)
- 豊田町駅(とよだちょうえき、磐田市)
の近隣に住む住民にとっても同じことになるでしょう。
一年の大半は、地元ユーザーが利用する
今と違って「年中青春18きっぷの期間」となるのであれば話は別ですが、その他の「何でもない期間(閑散期)」は、主に地元民が利用者の中心です。
ほとんど誰も乗らないのに通過する快速列車は、地元民にとってはほぼ意味がないといっていいでしょう。
理由3 競合他社路線が無いから
では逆に、
について考えていってみましょう。
大都市では、ライバルの私鉄が多い!
それは、
です。
なので、JR社は快速列車を走らせないと、速くて便利な私鉄の「急行」や「特急」などにお客様を奪われてしまい、負けてしまうからです。
快速列車を設定しないと、私鉄に負けてしまう
私鉄会社は「急行」や「特急」などの速達列車をバンバン設定してきます。
そのため、私鉄はとても速くて便利です。
もしJR社が普通列車だけの運用だと、お客様をみな私鉄会社に取られてしまいます。国鉄のときとは違い、JR社は利益を出していかなくてはならないため、儲からないことにははじまりません。
なので都市部においては、JR社はある意味で「仕方なく(←この表現は語弊があるかもしれませんが)」快速列車を設定して、走らせているという側面もあるわけです。
かつて国鉄時代の名古屋は、名鉄線の天下だった
例えば名古屋周辺エリアも、昔は私鉄である名鉄線(めいてつせん)の圧倒的天下でした。
国鉄時代はほぼ普通列車のみの運用だったため、お客様はみんな速くて便利な名鉄線に流れてしまい、国鉄の列車には誰も乗りませんでした。
そもそも国鉄は「国の組織」なので、儲かろうが儲かるまいが、国からお金が下りていたので関係無かったからです。
JR社として民営化されてから、私鉄と競わざるをえなくなった
しかし1987年に国鉄がJR社として「民営化」されると、国の組織ではなくなり「民間の株式会社」となりました。
こうなると、JR社は世の中にたくさんある民間の会社と同じように、利益を出していかなければなりません。
しかし、今のままでは名鉄線をはじめとする私鉄の急行・特急列車にお客様を奪われっぱなしの状況です。
なのでJR社は、やむを得ない形で快速列車を新設・増発させてゆき、名鉄線などの私鉄会社に対抗してゆきました。
競合私鉄のいない静岡県 やはり新幹線に乗るのがベターか
このように東京・名古屋・大阪などの都市部では人口も多いため私鉄も多いです。
しかし、静岡県ではこれといった競合路線は存在しないため、JR社としてもわざわざ快速列車を設置する理由がないともいえます。
もし競合路線があるといえば、同じJR東海の「東海道新幹線」くらいです。
JR同士で競合させても仕方ないため、例えば浜松~静岡や、掛川~静岡の移動であれば「新幹線の利用をオススメしたい」というのが、JR東海の本音ベースでの立場といえるでしょう。
理由4 お客様を新幹線に誘導できなくなるから
確かに、静岡~浜松や三島~静岡などの区間で、もし快速列車が通常運転されるとしましょう。
すると、普通列車と同じ料金で移動できるため、新幹線よりも安くなってオトクかもしれません。
しかしJR東海としては、それでは困ります。
なぜなら、新幹線の利益が大きく減ってしまうからです。
会社としては、どうしても「利益」を出していかないといけない
JR社は慈善事業(じぜんじぎょう)やボランティアでは決してないのです。
あくまで「企業」である以上、利益を出していかなければなりません。
そして赤字も極力出さないようにしていかなければならないのです。これが「会社」というものです。
もし快速列車を設定してみんなが快速列車に乗ってしまうと、JR東海としては新幹線の売り上げが下がってしまい、困ることになります。
しかし、これだけだとJR東海のわがままだとも受けとれかねません。
静岡県では、新幹線の料金が安く設定されている 本数も多い
その代わり、静岡県内での「こだま」の特急料金は、(私の体感では)安く設定されているように感じます。
他の地域の2割~3割は安い印象です。
しかも静岡県における各駅停車の新幹線である「こだま号」は1時間に2本もあり、これは全国他の地域と比べれば多いです。
過疎地域の新幹線だと、数時間に1本という「秘境駅」も珍しくないからです。
つまり静岡県の新幹線は、他の地域に比べて安くて本数が多く、便利なのです。
というのが、JR東海の本音ベースでのオススメとなるでしょう。
理由5 快速があると、コストが上がり、料金に跳ね返ってくる
ここでもし、
というのがあったとしましょう。
快速が出来ると、通過される駅とクレームが続出
しかし、先述の通り、例えば東静岡駅・草薙駅・焼津駅といった、利用者や人口が多いにも関わらず通過されてしまう駅からすれば、不平不満のクレームが続出してしまうことになります。
快速が出来ると、コストも増加
では、かといって「既存の普通列車はそのままに、新たに快速列車を設定する」という方法であれば、今度はコストがはね上がってしまいます。
列車をもう1本余分に走らせることになるため、JR東海としてはコスト的にも業務負担的にもはね上がってしまうことになります。
そして、そのシワ寄せは利用者の乗車券の「値上げ」という形ではね返ってしまいます。
みんなが快速に乗ってしまったら、新幹線の利用者も減少、赤字に
- 普段の期間では地域住民のほとんどの人は快速列車に乗らない
- もしみんなが快速に乗ってしまったら、新幹線「こだま」の売り上げは激減
- 結果として、JR東海は、大赤字のリスク
になってしまいます。
「値上げ」により、JR社へクレームの嵐に
そして「値上げ」された地域住民からは批判クレームの嵐で、JR東海は一日中クレーム対応に追われてしまいます。
こうなると、本来やらなきゃいけない業務ができなくなってしまい、サービスの低下につながってしまいます。
これだと、青春18きっぷユーザーにとっても好ましいものではないですよね。
会社はクレーム対応に追われると、本来業務が回らなくなる
一日中クレーム対応に追われ続けると、その日にやるべきはずだった仕事は「残業でカバー」することになります。
そのため、長時間労働により社員の体調は崩れてゆき、うつ病や過労死などの労働災害のリスクが高まってしまいます。
結局、誰の幸せにもならない
今は厳しいため、こうした労働災害が世の中にバレてしまうと、あっという間にニュースになってしまいます。
すると、企業は謝罪と賠償などを要求されることになってしまいます。
結局、誰の幸せにもなりません。
まとめ:世の中、「なぜ」と思うことにも、ちゃんとした理由がある
いかがだったでしょうか。
世の中、一見したらおかしいと思うものでも、よくよく考えたらちゃんとした理由があるものです。
今回の記事で、静岡県に快速列車が存在しない理由に考えるきっかけになれば幸いです。
青春18きっぷの旅の楽しみ方については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

今回はここまでです。
お疲れ様でした!
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