静岡県沼津市において、なぜ干物が盛んなのか!?その理由を様々な観点から、わかりやすく解説してゆきます!!
はじめに

沼津の干物・魚の宝庫、駿河湾(静岡県沼津市)
今回は、沼津の名物・干物について学んでゆきましょう!
沼津の干物は、なんと生産量が日本一というわけですよ!
駿河湾でとれた新鮮な魚を、富士山から吹きつける強く乾いた風と、太陽の光によって干し上げる。
すなわち、自然の恵みがギュッと凝縮されているのです。
この知識を深めることで、沼津の観光・旅行が、より充実したものとなってくれることでしょう!
沼津の名物・干物
そもそも「干物(ひもの)」とは?
干物は、魚を塩水に漬け、乾燥させた保存食のことであり、静岡県沼津市ぬまづし△の名物となっています。
沼津のように、雨が少なく、晴れが多い地域ではこの「干物」が名物となります!
静岡県沼津市の基本的知識については、以下の記事でも解説していますので、ごご覧ください。

沼津で「干物」が最強な理由
後ほどお話しするように、沼津という土地には
- 「富士山おろし」
- 「少ない雨」
- 「良質な湧き水」
の3つの要因が揃っているからこそ、沼津の干物は「日本一美味しい」と言われているわけです!
沼津で干物が盛んな理由
沼津といえば「アジの干物ひもの△」が特に全国的に有名ですが、これには沼津ならではの、独特の気候と知恵が関係しています。
富士山から吹き付ける、「乾燥した強い風」

沼津の干物・魚の宝庫、駿河湾と富士山(静岡県沼津市)
まず、冬場になると、沼津(特に海に近い地域)では、体ごと吹き飛ばされそうなほど、おそろしく強い風が吹きます。
これは富士山から吹き下ろす冷たく乾燥した風であり、「富士山おろし」といいます。
この「富士山おろし」が自然のドライヤーの役割を果たし、乾燥が何よりも重要な干物(のアジ/魚)を乾かすのに最適でした。
良質な水と塩と、保存の知恵
また、沼津には昔から、
- 魚の洗浄(つまり、魚を洗う)
- 魚の味付け
に欠かせない水が豊富でした。
昔は水道などのインフラはありませんでしたから、自然の水に頼るしかありませんでした。
しかし、沼津には富士山から湧き出る地下水がたくさんありました。
そのため、質の高い加工が可能でした。
このように、かつては大量に獲れた魚たちを決して無駄にはせず(腐らせたりせず)、その上で長く美味しく保存するために、その「干物」の技術が編み出され、磨かれていったというわけです。
すなわち、昔からの「自然の力」と「職人の技術」がそれぞれ合わさって、現在の「干物の聖地・沼津」が作られたのですね!
干物を育む風「富士山おろし」とは
富士山から強く吹き下ろす風である、「富士山おろし」。
この言葉、その響きからしていかにも「寒そう」ですが、実は沼津の干物作りにはとても不可欠な恩恵となっています。
冷たく乾燥した風
この沼津独特のとても強い乾いた風も、ハイクオリティな干物を作るためには、充分な「乾燥」の要素が混じっています。
すなわち、「自然のドライヤー」の役割を果たす風であるというわけです。
天然の乾燥機
この乾燥した風が、魚の体にたっぷり含まれた水分を、素早く吹き飛ばしてゆくことになります。
そのため、魚や干物の旨味をギュッと凝縮させてくれます。
すなわち、富士山の風が作り出すこの「天然の乾燥機」があるからこそ、あの美味しい干物が出来上がるわけですね!
「干物」にする理由とメリット・デメリット
あえて魚を乾かすのには、昔の人の知恵と、現代にも通じる驚きの理由があります!
メリット:保存性が高まる、味もうまく変わる
まず、水分が多いと腐りやすいですが、干物のように乾燥させることで菌が繁殖しにくくなります。
これにより、魚を長く保存させることができるようになるというけです。
また、魚からあえて水分を抜くことで、魚が持つアミノ酸などの旨味成分が、ギュッと濃くなってゆきす。
これにより、食べたときのうまさがアップするというわけです。
すなわち、生で食べるのとはまた違った、濃厚な味わいになりますね!
デメリット:干物で気をつける点は?
まずあえて干物にするデメリットとしては、塩分が気になることです。
作るときの過程で塩水に漬けるということをするため、どうしても塩分が高くなりがちです。
そしてもう1つは、酸化しやすい点です。
空気(酸素)に触れてしまう面が多いため、古くなるにつれて脂が酸化してゆき、その結果、味が落ちてしまうことがあります。
したがって、まだ新鮮なうちに正しく保存された干物をバランスよく食べるというのが、一番の贅沢というわけですよ!
沼津の降水量と干物の関係
では、沼津の少ない降水量と、干物には関係あるのか?についてみてゆきましょう。
結論から申し上げますと、「降水量が少ないこと」は、沼津において干物が盛んになった極めて重要な理由の一つです!
降水量の少なさが干物に味方する理由
まず前提として、干物作りには、適度な「乾燥」が欠かせません。
そのため、沼津における
- 冬は特に、雨が少ない
- 太陽が照りつける晴れの日もとても多い:アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の由来ですね!
- 富士山からの乾いた風がとても強い
- 富士山からの湧き水(地下水)がとても多い→昔は「沼」が多く、「沼津」の由来になった
という沼津の独特の気候は、まさに干物のためにあるような好条件が揃っています。
「太陽の光」で干すのに最適な気候
先述の通り、沼津は年間を通しても日当たりが良く、雨がとても少ない地域です。
特に冬場はずーっと晴天の日が多く、強く照りつける太陽の光によって、でじっくり魚を乾かすことができます。
湿度が低いと美味しくなる
また、例えば雨はわかり降って湿度が高くなるような地域と、魚がなかなか思うように乾かず、傷んだり「臭み」が出たりしやすくなります。
しかし、沼津は降水量が少なく空気が乾いていることで、魚の表面を素早く乾燥させることができ、中に旨味を閉じ込めることができるのです!
したがって、このような沼津の「晴れやすさ」こそが、あの高品質な干物を支える土台になっているわけですね。
「少ない雨」+「強い風」のコンボ
さらに面白いのが、単に雨が少ないだけでなく、先ほどお話しした富士山おろし(強い風)が加わることです。
これによって、乾燥のスピードがさらにアップするというわけです。
また、雨が降りにくいという乾燥した空気の中において、そこをさらに強い風が吹きつけることで、魚の水分をどんどん吹っ飛ばしていくことができます。
冷たい風によって、鮮度をキープ
沼津独特の冬の乾いた冷たい風は、魚が腐るのを防ぎながら乾燥させてくれることができます。
そのたま、安心・安全で美味しい干物が出来上がるというわけです。
すなわち、沼津はまるで、
のような場所だったということですね!
豆知識:現在の干物作り
また、現在では機械(除湿乾燥機)を使って、より衛生的に作るということも増えています。
しかし、それでもやはり沼津の職人さんたちは、その日の「気温」や「湿度」を読みながらその時のコンディションに合わせて、「漬け込み」のための時間や、乾燥の具合を、実にきめ細かく調整したりしています。
まさに、長年にわたったこの地の気候と向き合ってきたからこそ成せる、機械には再現できないような、プロの人間ならではの「職人技」ですね!
冬の沼津が「晴天続き」になる理由
沼津を含めた静岡県側(太平洋側)は、冬に驚くほど晴天の日が多くなります。
つまりずーっと晴れの日・暖かい日が続き、強い太陽が照りつけ、「雪」などまず降ることはありません。
これには、日本特有の「冬型の気圧配置」と、沼津の北側にある、富士山やアルプスなどをはじめとする日本の背骨とも言える大きな山脈が関係しています。
乾いた風の通り道 山が湿気をブロック
冬になると、北の大陸から、とても冷たく湿った季節風が、日本列島に向かって吹きつけてきます。
まず、この風が日本海側(新潟県・富山県など)でたくさん雪を降らせた後、今度は高い山々(日本アルプスなど)を越えて、太平洋側にまでやってこようとします。
山を越えるとカラカラに
しかし、山を越えようとする時に、雲たちは高い山々にぶつかってしまい、水分をすべて出し切ってしまうため、沼津にまで風が届くときには、もはや雲ひとつないような「乾ききった風」に変わってしまうのです。
その代わり、新潟県の山側は、あり得ないほどの豪雪地帯になってしまうわけです。
したがって、冬の沼津は「乾燥した晴天」が続くことになります。
この抜けるような青空と、雪を被った白い富士山のコントラストは、本当に見事ですよ!
沼津の晴天を支える「地形」の秘密
さらに、冬の沼津に晴れの日が多いのは、沼津ならではの特有の理由も重なっています。
富士山が北風をガード
まず、北側にそびえる巨大な富士山や愛鷹山が、それぞれ冷たい北風の直撃を和らげてくれたり、雪雲・雨雲の流れを「あさっての方向に」変えたりしてくれます。
駿河湾の存在
そして、沼津の目の前に広がる駿河湾は、冬でも比較的水温が下がりすぎることなく安定しているため、陸地が極端に冷えすぎるのを防いでくれるという効果もあります。
すなわち、地形の恩恵をフルに受けているからこそ、沼津の冬は暖かく、そして晴れが多いのですね!
洗濯物や干物がよく乾くのも、この「山越えの乾いた風」のおかげというわけです。
そして、冬の沼津は空気が澄んでいて、また富士山が一年で一番綺麗に見える季節でもあります。
駿河湾については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」のタイトルと、沼津の気候の関連性
アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』と沼津の晴天には、実は非常に深いつながりがあります!
作品のタイトルやテーマに、なぜ「サンシャイン(日光・輝き)」という言葉が選ばれたのか、そこには沼津ならではの理由があります。
日照時間の長さと「輝き」
先ほどお話しした通り、沼津は冬を中心にとても晴れの日が多く、年間を通して日照時間がとても長い地域になります。
日照時間:太陽の光が地面を照らしている時間のことです。
静岡県は全国でもトップクラスに長くなっています。
このように、キラキラと輝く海や、太陽に照らされた沼津の明るい街並みこそが、主人公の高海千歌ちゃんたちの、明るく前向きな性格も投影されています。
すなわち、沼津の暖かい気候そのものが、彼女たちのキャラクター性を作り上げているのですね!
したがって、タイトルは単なる名前ではなく、沼津の自然環境そのものを表現していると言っても過言ではありません!
沼津の干物とアニメの深い関係
また、『ラブライブ!サンシャイン!!』には干物が非常に重要なアイテムとして登場しますね!
すなわち、アニメを通じて「沼津=干物」というイメージが若い世代にも定着したのですね!
沼津にたくさんあった沼
そして、沼津における
- 降水量は少ないのに、なぜか水は豊富
という不思議な矛盾は、富士山という巨大な天然のダムのおかげで解決されています。
富士山の地下水が「水不足」を救った
まず、もともと沼津周辺は、いわゆる一般的な「雨として降ってくる水」よりも、「地下から湧き出してくる水」の方が、昔から圧倒的に豊かな地域でした。
柿田川(かきたがわ)などの巨大な湧水群
そして、沼津のすぐ隣にある町である清水町には、富士山の雪解け水が1日に100万トン以上も湧き出るという、柿田川があります。
つまり歴史的に、これだけの量があれば、もはや魚を洗ったり加工したりするのに、必要な水がなくなるという心配は、ほとんど無かったというわけです。
柿田川については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

町中の「わくわく」する湧き水
かつての沼津市内には、至るところに湧き水や池(沼)があり、人々はこれらの水を使って生活していました。
もちろん今は「ダム」や「水道」などのインフラに置き換わっているため、これらの沼は埋め立てられており、多くは存在・現存していません。
また、「沼津」の地名の由来にもなっている「浮島沼」のように、湿地帯が広がるほど水が溢れていたのです。
なぜ「沼」が多かったのか
沼津という名前に「沼」という字が入っていることからも分かる通り、かつてこの地域には
- 「水が溜まっている場所(沼)」
が非常に多い地形でした。
地形の受け皿 排水が難しかった
そして、富士山からの(雪が溶けてできた)地下水が、一気に地上へ吹き出します。
先人たちはこの豊富な湧き水を、生活用水としてだけでなく、干物という名物に対して、賢く活用したというわけです。
すなわち、歴史的に沼津では決して一般的な「雨」だけに頼らず、山(富士山)の恵みともいえる地下水によって魚を育み、加工してきたというわけです。
沼津という土地は、本当に富士山と一心同体というわけですね!
おわりに・まとめ
沼津の干物について学んでみていかがだったでしょうか。
これらには昔ながらの職人の技と、そしてアニメの聖地としての想いが重なっていることがわかったと思います。
したがって、次に沼津港を訪れる際は、ぜひ潮風の香りとともに、その深い味わいを楽しんでくださいね。
今回の知識により、さらに沼津の観光が充実したものとなれば嬉しい限りです!
コメント