静岡県沼津市・沼津港の名物である深海魚とそのヒミツや生態・歴史などについて、基本からわかりやすく解説してゆきます!
はじめに

深海魚たちが暮らす日本一深い駿河湾(静岡県沼津市)
今回は、沼津港・深海魚の地理・歴史を学んでゆきましょう!
沼津の目の前に広がる駿河湾は、最深部が2500mにも達するという、日本一深い湾なんですよ。
深海の世界がすぐそばにあるなんて、ワクワクしますね!
この独特な地形があったからこそ、港には見たこともない不思議な姿の深海魚たちが「水揚げ」されてきたのです。
これらの知識を学ぶ事で、より沼津港の観光・旅行・探訪が、さらに面白くなることでしょう!
静岡県沼津市に関する基本的知識については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

沼津港と深海魚の基本的知識
沼津で深海魚がよく取り沙汰される理由

深海魚たちが暮らす日本一深い駿河湾(静岡県沼津市)
沼津といえば、最近は「深海魚の聖地」として知られていますよね。
日本一深い「駿河湾」がもたらす、深海魚のめぐみ
沼津に深海魚がいるのは、やはり日本一の深さを誇る駿河湾の存在が大きいです。
駿河湾は、湾の最も深いところは、水深約2,500mにも達します。
普通、海は岸から遠く離れるほど深くなってゆきますが、駿河湾は岸からわずか数kmほど進むだけで、急激に深海(水深200m以上)が始まっています。
すなわち、漁師さんが港を出てからすぐに深海魚たちのいる場所にたどり着けるため、新鮮な状態で深海魚を「水揚げ」することができるのですね!
このようなことから、沼津港は世界でも珍しい「深海魚が身近な港」になれたというわけです。
駿河湾については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

また、沼津港の南西にある戸田という地域の歴史も深く関わっています。
戸田:沼津市のかなり南西に位置する港町であり、日本で初めて深海魚の底引き網漁を始めた場所です。
「トロール漁」が盛ん
また、沼津においてはいわゆる「トロール漁」が盛んに行われています。
これは、いわゆる大きな網を海底に沈めて引く「底引き網漁」と呼ばれる魚の釣り方です。
そして、これが昔から行われており、そのときに偶然、たくさんの深海魚が網に入っていていたのでした。
底引き網漁:大きな網を海の底に沈めて、船で引きながら、魚を捕まえる漁法のこと。
日本初の深海水族館
また、沼津港のあたりに日本初・国内初の沼津港深海水族館が誕生したことで、
- それまで「見た目が怖い」と思われていた魚たちが、
- 「個性的で可愛い!」と注目されるようになった
というわけです。
もちろん深海魚を展示している水族館は他にもありますが、「深海」をメインテーマに掲げている「深海魚専門」の水族館としては、2011年にオープンした沼津港深海水族館が日本で初めてとなります。
食べてもおいしい(深海魚)
また沼津港では、例えばメヒカリやタカアシガニなど、実はとっても美味しい深海魚が豊富に獲れるのも大きな魅力・理由ですね!
メヒカリ:目が大きく光って見える深海魚です。
脂が乗っていて、唐揚げがおいしくて絶品です。
タカアシガニ:世界最大のカニで、駿河湾の深い海に住んでいます。
脚を全開に広げると、なんと3メートルを超えることもあります。
このように、沼津の深海魚には見た目はびっくりするような姿の魚も多いですが、一度食べるとその美味しさに驚いてしまいますよ!
貴重な「タンパク源」としての歴史
また、かつて深海魚は貴重な「タンパク源」「栄養源」として、は「普通の魚」が獲れないときの貴重な食材(サブの食材)として食べられていた歴史がありまさた。
しかし深海魚は、今やそのおいしさから、沼津港の観光の目玉になっています。
沼津港と深海魚:深海水族館がそれまで無かった理由
では、沼津よりも以前は、なぜ深海水族館がそれまで無かったのでしょうか。
これについては実は、かつて深海に住む生き物を連れてきて生きたまま展示するということは、技術的にものすごく難しいことだったんです!
深海魚をなかなか飼えなかった理由:水圧と温度の壁をクリアできなった
まず、深海魚が生きている深海は、ものすごい圧力(水圧)がかかり、しかも温度(水温)も非常に低いです。
水圧:水の重さによってかかる圧力のことです。
深い場所になるほど、体にかかる力は強くなります。
深海魚は、天敵から逃れるためにあえてこんな過酷な環境に住んでいるわけですが、このような過酷な水圧に耐えられるような、独特な体をしています。
そのため、いざ深海魚を地上に連れてくると、その環境の変化に耐えられず、すぐに死んでしまう魚がほとんどでした。
深海魚をなかなか飼えなかった理由:輸送技術と飼育技術不足をクリアできなった
このように、深海魚は深い海からいきなり連れてくると、地上の急激な気圧の変化に耐えられずにすぐ死んでしまうわけです。
そのため、ゆっくりと時間をかけて引き上げてゆき、さらには冷たい水温を保つための専用の設備が必要でした。
したがって、深海魚を飼うためには、そのための技術が整うまでに、とても時間がかかったというわけですね。
すなわち、沼津港深海水族館は、最新の技術と情熱によって、ようやく「未知の世界」を私たちに見せてくれるようになったのです!
深海魚が深い海で暮らす理由
ではなぜ、深海魚はわざわざ、深海という暗くて冷たい過酷な場所に住んでいるのでしょうか?
深海魚が過酷な深海で暮らす理由:天敵から逃れるため
それは先程も少し説明しましたが、一番大きな理由は「天敵から逃れるため」です。
まず浅い海であれば、大きなサメや鳥などがウヨウヨいるため、自分を食べてしまうような天敵がたくさんいるわけです。
しかし一方で、暗い深海は、身を守るための最高の安全な隠れ家になります。
深海魚が過酷な深海で暮らす理由:競争を避けるため
もう一つ、深海魚があえて深い海に暮らす理由としては、「競争を避けるため」というものがあります。
浅い海は食べ物やプランクトンなどの栄養源も確かに多いですが、ライバル(競合)も多いです。
そのため、深海魚たちは「独自の進化」をして、過酷な環境の深海に対してうまく適応することで、自分たちの居場所を確保したというわけですね!
深海魚の見た目がいびつな理由とメリット
また、深海魚の持っている、怖いくらいの
- 「大きな目」→真っ暗な深海でも、獲物を探しやすくする
- 「巨大な口」→数少ない獲物を、一発で仕留める
は、厳しい環境で生き残るための「進化の結晶」なんです。
わずかな光を捉えるため
まず、深海では光がほとんど届かない真っ暗な環境であるため、例え少しの光でも見えるように目が巨大化したり、感度を上げたりしています。
一度掴んだ獲物を逃さないため
また、深海では食べ物・獲物にうまく出会えるチャンスは滅多にありません。
そのため、一度出会った獲物を確実に捕らえられるよう、自分の体よりも「大きな口」や、「鋭い牙」を持っています。
すなわち、あの不思議な見た目は、深海という「極限状態」において、生き抜くための究極の機能の発達・進化なんですね!
沼津港のスゴさ
次に、沼津港のスゴさについてさらに深く考えてゆきましょう!
銚子港と沼津港の「数」の比較について
また、例えば、千葉県・銚子市の銚子港は「水揚げ量(魚の重さ)」で10年以上日本一を誇っていますが、未だに沼津も負けてはいません!
銚子港:千葉県の東端に位置する銚子市にある港で、10年以上も連続で日本一の水揚げ量を誇る、活気あふれる巨大な港です。
銚子については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

加工場の密集度では、沼津がいまだトップクラス
ただし、加工場の密集度においては、沼津がいまだトップクラスという地位にあります。
また、「干物の生産量」という点においては、沼津は日本最大級の拠点です。
特にアジの干物に関しては、全国シェアの約半分を占めていた時期もあるほどなんですよ!
沼津の干物については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

銚子の強み
一方、銚子(千葉県)には大型船が入れるほどの大きな港があり、イワシやサバなどといった魚が、大量に水揚げされます。
そのため、大規模な缶詰工場や冷凍工場が非常に多いのが特徴です。
したがって、全体の数で競うというよりは、
- 「干物の沼津」
- 「大量水揚げの銚子」
というように、得意分野が少し違うんですね!
水揚げ量:漁船が海から獲ってきて、港に下ろした魚の合計の重さのことをいいます。
沼津港の衰退と、時代の変化
そして、時代の変化とともに、沼津港も他の地方港と同じように、以下のような様々な要因から厳しい現実に直面しています。
悲しいことではありますが、それにはいくつかの大きな要因が重なっています。
コストと人手の問題
まず、コストと人手の問題は、港の衰退の大きな原因となっています。
すなわち、
- 燃料高騰による、出船コストの増加
- 若者が(就職などで)都会へ出てしまうことによる、後継者不足
などといった問題は、本当に深刻となっています。
拠点の集約(コンパクト化)
また、現代においては、
- かつてのように、各地に小さな港がバラバラに点在しているよりも、
- あえて焼津(静岡県)や銚子(千葉県)のような巨大な拠点港に対して、
- 設備を集中・集約させておいた方が、コスト的にも効率が良くなってしまう
という現象が起きています。
焼津港:静岡県中部にある、日本屈指の漁港です。
カツオやマグロの水揚げが非常に有名です。
集約:それまでバラバラに存在していたものを、一箇所にまとめて、効率を良くすることです。
焼津の港については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

沼津港 観光へのシフト
しかし、沼津は「漁業の港」から、深海魚やグルメを楽しむ「観光の港」へと見事に生まれ変わることで、再びまた新しい活気を見出しています!
すなわち、かつての昔のような「運送拠点」としての勢いは減ったとしても、新たな「観光地」としての賑わいを作ろうと頑張っている最中なのですね!
おわりに・まとめ
沼津港と深海魚の基本・歴史を学んでみていかがだったでしょうか。
かつては「未利用魚」とも呼ばれてきた深海魚たちが、今では水族館や名物料理として、街を支える宝物になっているというわけです。
また、その歴史をたどれば、厳しい環境で生き抜く魚たちと、それを活かそうとしてきた人々の熱意が見えてきます。
したがって、次に沼津港を訪れる際は、深い青色の海に思いを馳せながら、その魅力を全身で味わってみてくださいね!
コメント