特急ふじかわ30周年記念!「特急ふじかわ」についてわかりやすく解説!

今年で30周年を迎えた特急ふじかわについて、基本・歴史・身延線沿線上の旅も含めて、わかりやすく解説してゆきます!

はじめに

今回は、​特急ふじかわの「基本」や「歴史」を楽しく学んでいきましょう!

特急ふじかわが傍を走る、富士川(静岡県)

特急ふじかわが傍を走る、富士川(静岡県)

​この列車が​富士川ふじかわ沿いを走り、かつて物流の​大動脈だった​舟運しゅううんの歴史を受け継いでいることが分かれば、きっと面白くなりますよ!

​すなわち、特急ふじかわを単なる移動手段として見るだけでなく、その背景を知ることで、車窓の景色停車駅一つひとつが、特別な意味を持つようになります。

​したがって、この知識が、あなたの​観光、​旅行、​探訪を、より深く、豊かなものにしてくれるはずです!

特急ふじかわ 30周年!

​1995年の運転開始から、30周年について

​​特急ふじかわは、1995年(平成7年)に運転を開始しました。
すなわち、2025年に30周年を迎えることになります。

​この列車は、それまで走っていた急行列車だった​富士川の役割を、引き継ぐという形で1995年に登場したのでした。

​すなわち、1995年から実に30年もの長きにわたり、山梨県静岡県をそれぞれ結ぶ重要な交通手段として、地元の人々に愛され続けてきた、ということですね!

とても​素晴らしいことだと思います。

​そもそも「特急ふじかわ」とは?

​​特急ふじかわは、JR東海が運行する特急列車です。

すなわち、

  • ​山梨県の​甲府駅こうふえき(山梨県甲府市)
  • 静岡県の​静岡駅しずおかえき(静岡県静岡市)

との間を、それぞれJR身延線みのぶせんを経由して結んでいます。

​したがって、

  • 海側の東海道新幹線とうかいどうしんかんせん
  • 内陸部の中央本線ちゅうおうほんせん

の主要都市との間を、それぞれ直接つないでいるのです。

​また、

  • 富士山ふじさん
  • 富士川ふじかわ沿い

の、風光明媚ふうこうめいびな景色を楽しめるのも、大きな魅力の一つですよ!

特急ふじかわも通る身延線からの富士山(静岡県)

特急ふじかわも通る身延線からの富士山(静岡県)

​特急ふじかわが、30年間続けられた理由

このように、​30年間も運行が続けられた最大の理由は、その「利便性」にあると考えられます。

​つまり、​甲府と​静岡という、両県の主要都市間を乗り換えなしで移動できる、貴重な交通手段だからです。
すなわち、これがもし鈍行どんこう普通列車のみだと、かなり大変な道のりですからね・・・ましてや、山岳地帯の険しい身延線ですからね。

すなわち、​このルートは、身延線沿線の住民にとって、生活ビジネス不可欠な移動手段なのです。
つまり、地域の人々の確かな需要・ニーズに支えられてきた特急列車、と言えるでしょう。

​これからも、長く活躍してほしいものですね!

特急ふじかわについて、さらに詳しく!

​富士駅で「スイッチバック」している?

​​特急ふじかわは、​富士駅ふじえき(静岡県富士市)で、いわゆる「スイッチバック」という動作を行います。

​つまり、

  1. 列車はいったん停車し、
  2. 進行方向を変える

というわけです。

スイッチバック:急な勾配こうばいを避けたり、反対方向へ進むためなどの理由から、列車が進行方向をにして走行するという、まるで「人の文字」のような線路および、その線路構造に対処するための運転方法のこと。

​なぜかスイッチバック運転をするのかというと、

  1. 静岡を出て東海道本線とうかいどうほんせんを東へ進み、
  2. 富士駅で身延線みのぶせんへと乗り入れるときに、
  3. 反対方向へ進む構造のため、
  4. 列車が方向転換する必要がある

というわけです。

​すなわち、このときの一手間が、静岡・山梨の両地域を結ぶルートを可能にしているのですね!

​特急ふじかわの停車駅は?

​​特急ふじかわは、以下の主要駅に停車します。

  • ​​静岡駅しずおかえき(静岡県静岡市葵区)
  • ​​清水駅しみずえき(静岡県静岡市清水区)
  • ​​富士駅ふじえき(静岡県富士市)→この駅でスイッチバック身延線へ。
  • ​​富士宮駅ふじのみやえき(静岡県富士宮市)→ここから先は、険しい山岳地帯へ。また、ここから先は山梨県へ。
  • ​​内船駅うつぶなえき(山梨県南巨摩郡南部町内船)→南部町なんぶちょうの中心駅。​​
  • 身延駅みのぶえき(山梨県​南巨摩郡身延町)→身延山・久遠寺くおんじへの参拝および、身延町への観光の拠点。
  • ​​下部温泉駅しもべおんせんえき(山梨県​南巨摩郡身延町)
  • ​​甲斐岩間駅かいいわまえき(山梨県​西八代郡にしやつしろぐん市川三郷町)
  • ​​鰍沢口駅かじかざわぐちえき(山梨県​南巨摩郡富士川町)→ここからは、広大な甲府盆地へ。
  • 市川大門駅いちかわだいもんえき(山梨県​西八代郡市川三郷町)
  • ​​東花輪駅ひがしはなわえき(山梨県中央市)
  • ​​南甲府駅みなみこうふえき(山梨県甲府市)
  • ​​甲府駅こうふえき(山梨県甲府市)​

すなわち、静岡から山梨へ向かう身延線沿線の主要な地域を、しっかりとカバーしているのですね!

​特急ふじかわが出来る300年前(江戸時代)は、まさかの「舟運」だった!?

​江戸時代、現在の​特急ふじかわが走るルートとほぼ同じ区間は、「富士川ふじかわ舟運しゅううんでした。

​すなわち、

  1. 山梨の甲府盆地の南端にあたる​鰍沢かじかざわなどから、
  2. などといったモノ・商品などが、
  3. 高瀬舟たかせぶねとよばれる大きな船に積まれて川を下り、
  4. 静岡県富士市にある​岩淵いわぶちという船乗り場まで運ばれていた
  5. さらに西の清水港しみずこうまで運ばれ、
  6. 太平洋を通って江戸まで運ばれた

というわけです。

​なんと、鉄道ができる前には約300年間も、富士川が主要な交通手段だったとは、驚きですね!🚢​

舟運しゅううん: まだトラック貨物列車も無かった時代に、船を使って人や物を運んだこと。

高瀬舟たかせぶね: 川での航行に適した、多くの荷物を運べるような、昔の細長い船のこと。

富士川舟運については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください

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険しい山岳地帯を潜り抜ける特急ふじかわ 性能がとても良い列車?

​​特急ふじかわに使われている「373系電車」は、身延線のような険しい山岳路線を走るために、とても優れた性能を持っています!

身延線みのぶせんは、カーブや勾配こうばいが多い路線です。
つまり、この373系は、急な上り坂でも力強く走行できる、高い登坂能力とうはんのうりょくを持っているのです。

​さらに、電車なのに座席の幅が広く、快適な旅を提供してくれる、まさに頼れる車両なわけですよ!

​​登坂能力とうはんのうりょく: 坂道を上るための力の強さや、坂を登る性能のこと。

​​勾配こうばい: 坂道の傾きの度合い(坂のきつさ)のこと。

身延線に急なカーブや勾配が多い理由については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください

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おわりに・まとめ

​​特急ふじかわの「基本」と「歴史」を学んでみて、いかがだったでしょうか。

​すなわち、この列車が、

  • 厳しい山岳地帯を越える高い性能を持っていること
  • 江戸時代から続く、​富士川の交通ルートを、現代に引き継いでいること

が分かったと思います。

​これらの知識を持つことで、あなたの​観光、​旅行、​探訪は、間違いなく何倍も面白くなりますよ!
ぜひ、次の旅で活用してみてくださいね!

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