北海道札幌市手稲区にある、「ほしみ駅」という珍しい「ひらがな3文字の駅」について、その地理・歴史をわかりやすく解説してゆきます!
北海道・ほしみ駅
ほしみ駅:境界線に立つ「星」の駅

ほしみ駅(北海道札幌市)
今回は、北海道の札幌市と小樽市のほぼ境目に位置する駅であるほしみ駅(北海道札幌市手稲区)について、興味深いエピソードをまとめました!
札幌市:北海道の道庁所在地で、約190万人が暮らす大都市です。
したがって、経済や文化の中心地となっています。
札幌市については、以下の各記事でも解説していますので、ご覧ください。
↓札幌市の基本的な知識

↓札幌市の観光・名所など

↓札幌時計台などの名所など

小樽市:歴史的な運河や石造りの倉庫群が有名な港町です。
小樽市については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

ほしみ駅に関する基本的知識
まずは、この駅のプロフィールから見ていきましょう。
JR函館本線の駅であり、同調所在地の中心駅である札幌駅のやや北西に位置する手稲区に存在し、札幌からみたら小樽方面にあります。
おおよそ手稲駅と銭函駅の間(※)にあります。
- 手稲駅は、札幌市・手稲区の中心にある大きな駅です。
- 銭函駅は、名前の通り「銭の箱」という縁起の良い名前を持つ駅です。
実際には、ほしみ駅と手稲駅との間に、稲穂駅と星置駅(いずれも札幌市の駅)といった、札幌市の住民にとって重要な駅が存在します。
「ほしみ駅」が存在する手稲区(ていねく)

ほしみ駅が存在する「手稲区」の中心駅・手稲駅(北海道札幌市手稲区)
「ほしみ駅」や「手稲駅」などが存在する手稲区は、札幌市中心部へと通勤・通学する方々にとって、非常に重要な「ベッドタウン」としての役割を担っています。
札幌駅まで列車で約10分前後ほどで到着できるという、市街地への抜群のアクセスの良さが魅力です。
したがって、駅の周辺には大規模な住宅街が広がっており、朝・晩は多くの通勤客・通学客の方々で賑わいます。
アイヌ語で「テイネ・イ(=濡れた台地/湿地帯)」
手稲区の由来は、そのシンボル的な山である「手稲山」が深く関わっています。
「手稲」という地名は、アイヌ語の「テイネ・イ(濡れている場所=湿地帯)」に由来すると言われています。
元々は、手稲山のふもとに広がっていたふもとの湿地帯・平地を指していた言葉「テイネ・イ」が、そのまま「手稲山」や「手稲区」の地域の名前になりました。
したがって、標高1,000メートルを超える雄大な手稲山は、手稲区のシンボルとして住民に親しまれています。
冬にはスキー場としても有名で、1972年の札幌オリンピックの会場にもなった、歴史ある山なんですよ!
この地域(手稲区周辺)の鉄道旅については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

「ほしみ駅」の由来
少し話題が反れましたが、本題の「ほしみ駅」に戻りましょう。
ほしみ駅は快速列車も止まるほどの便利な駅であり、この地域にお住まいの方々の通勤や通学のための要所として、毎日多くの人々によって利用されている駅となります。
「ほしみ駅」の名前の由来は、
- 近くを流れる「星置川」
- 「見通しが良い」こと
をそれぞれ組み合わせた造語だということです。
ひらがなで「ほしみ」という響き、なんだか夜空を見上げたくなるような、ロマンチックで素敵な名前ですよね!
地理:札幌と小樽のほぼ「境界線」に位置する駅
この駅の地理的な特徴は、なんといってもその場所にあります。
すなわち札幌市と小樽市の境界線にほぼ近く、駅のちょっと西に行けば、そこはもう小樽市になります。
また、駅のやや南側においては、後述する星置川が両方の市の境界線となっています。
星置川(ほしおきがわ)とは
ほしみ駅のすぐそばを流れる、星置川
駅のすぐ横を流れる星置川が、両方の市の境界線になっているわけです。
星置川は、札幌と小樽の境界線を流れる、自然豊かな川です。
秋にはサケがこの川をさかのぼって遡上することもあり、「天敵の少ない場所で卵を産んで育ててやるんだ」という、命のたくましさをとても間近に感じられるという、特別な川ですね。
サケが遡上(そじょう)する理由は?
ちなみにサケが川を遡上して登っていく理由は、天敵から逃れて卵を産んで育てるためです。
海で卵を産むとそれらが食べられる危険性があるかです。
また、サケは自分が生まれた川の匂いを覚えていて、卵を産むために戻ってくるというわけです。
遡上:魚が産卵などのために、海から川の流れに逆らって上流へのぼっていくことですよ。
したがって、次の世代に命をつなぐという大切な使命のために、過酷な旅をするのです。
故郷の川に戻る本能には、いつも感動してしまいますね!
星置川は石狩湾に流れる?石狩川からもサケは遡上する?
星置川は、やがて北の広大な石狩湾に流れ込みます。
また、石狩川は北海道を代表するとても大きな川であり、毎年たくさんのサケが遡上することで有名ですよ。
ほしみ駅の歴史:地域住民の熱意で生まれた「請願駅」
実は、この駅は最初から計画されていたわけではありませんでした。
1995年に、周辺の住民や企業の強い要望によって作られた「請願駅」です。
請願駅:鉄道会社ではなく、地方自治体や地元の住民などが自身で費用を負担して作ってもらう駅のことです。
すなわち、みんなの「ここに駅が欲しい!」という願いが形になった駅なのです。
ほしみ駅が請願駅になった理由は?
ちなみに、ほしみ駅が請願駅になった理由は、1980年代後半から周辺の手稲区などで宅地開発が進んでゆき、沢山の家が建てられ人口が急増してゆき、札幌方面への通勤客・通学客の人々が多く増えたことが大きな理由です。
すなわち、住民の皆さんの「もっと便利に!」という熱い願いが、JRを動かしたのですね。
それまでは、既存の周辺の駅(銭函駅など)まで、わざわざ長い距離を移動しなければなりませんでした。
しかし、不便さを解消するために地域が動いたという歴史を知ると、駅への愛着がさらに湧いてきますね!
その他にも実在する「ひらがな駅」たち(ほしみ駅関連)
その他にも、これら「ひらがなの駅」たちが持つ、それぞれの物語を少しだけご紹介させてください。
- JR常磐線/磐越東線・いわき駅(福島県いわき市)
- 札幌市営地下鉄南北線/東西線/東豊線・さっぽろ駅(北海道札幌市中央区・北区)
- JR吉都線・えびの駅(宮崎県えびの市)
- JR久大本線・うきは駅(福岡県うきは市)
- 土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線・のいち駅(高知県香南市)
- JR予讃線・みの駅(香川県三豊市)
いわき駅(福島県・JR常磐線など)
いわき駅(福島県いわき市)の場合、かつては「平駅」でしたが、合併して誕生した「いわき市」の名前に合わせ、約30年経ってから「いわき駅」に改称されました。
合併により「いわき市」が誕生する前は平市、さらにその前は平町でした。
すなわち、かつての城下町としての中心地が「平」という場所だったのです。
いわき市および平駅の地理・歴史については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

さっぽろ駅(北海道)札幌市営地下鉄
次に、札幌市営地下鉄の「さっぽろ駅」です。
JRの「札幌駅」は漢字ですが、地下鉄はひらがなです。
したがって、
- JR線の駅と地下鉄線の駅を、それぞれ区別しやすくするため
- かつ、親しみやすくするため
といった理由から、この「ひらがな」表記になりました!
えびの駅(宮崎県)JR吉都線
また、宮崎県のやや内陸部の吉都線にある「えびの駅(宮崎県えびの市)」は、かつては「飯野駅」という漢字でした。
しかし、えびの市の誕生に合わせて、ひらがな表記になりました。
霧島連山の麓にある街・駅であり、どこか素朴で温かい響きですね。
JR吉都線:鹿児島県の吉松駅と宮崎県の都城駅を結ぶ、霧島連山の麓を走る、のどかな路線のことです。
吉都線については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

うきは駅(福岡県)JR久大本線
うきは駅(福岡県うきは市)は、JR久大本線の駅です。
福岡県うきは市は、久留米市のやや東にある街です。
ここも、元々は「筑後千足駅」という難しい名前から、うきは市に合わせて改称されました。
すなわち、誰にでも読みやすく、地域のブランドを高めるために、「ひらがな」が選ばれたのです!
地域ブランド:その土地ならではの魅力や、価値を高めるための、特別なイメージのことです。
観光PRや移住促進などにおいてこの「地域ブランド」は不可欠なものですね!
のいち駅(高知県)土佐くろしお鉄道
のいち駅は、高知県・香南市にある、土佐くろしお鉄道の駅です。
後免駅でお馴染みの南国市のやや東にある駅・街です。
「野市」という漢字をあえてひらがなにしています。
駅近くは動物園(高知県立のいち動物公園)もあり、家族連れの方々が訪れる場所として、柔らかい印象がぴったりですね。
土佐くろしお鉄道:高知県の海岸沿いを走る、美しい海の景色で有名な鉄道会社のことですよ。
みの駅(香川県)JR予讃線
「みの駅」は、香川県三豊市にある、予讃線の駅です。
この「みの駅」は、丸亀駅・多度津駅のやや南西側(愛媛県寄り)にあります。
元々は漢字表記の「三野駅」から変更されたという、四国では先述の「のいち駅」と同じく珍しい「ひらがな」表記の駅名です。
他にもまだまだある!「ひらがな」の駅
ちなみに「ひらがな」の駅は、以下のように探せば他にもまだまだあります。
- JR北上線・ほっとゆだ駅(岩手県和賀郡西和賀町)
- つくばエクスプレス・つくば駅(茨城県つくば市)
- 平成筑豊鉄道伊田線・あかぢ駅(福岡県福智町)
- 土佐くろしお鉄道・よしかわ駅(高知県香南市)
- 土佐くろしお鉄道・あかおか駅(高知県香南市)
- 松浦鉄道・すえたちばな駅(長崎県佐世保市)
- 松浦鉄道・いのつき駅(長崎県佐世保市)
番外編:カタカナのみの駅
- 函館本線・ニセコ駅(北海道虻田郡ニセコ町)
- 石勝線・トマム駅(北海道勇払郡占冠村)
- 札沼線(学園都市線)・ロイズタウン駅(北海道石狩郡当別町)
- 予讃線・オレンジタウン駅(香川県さぬき市)
- 鹿児島本線・スペースワールド駅(福岡県北九州市八幡東区)
- 大村線・ハウステンボス駅(長崎県佐世保市)
番外編:「ひらがな」「カタカナ」どちらも入っている駅
- 長崎本線・バルーンさが駅(佐賀県佐賀市) ※臨時駅
ほしみ駅と仲間たちの「共通点」
以上、こうして見ると、ほしみ駅を含むこれらの「ひらがな」だけで構成されている駅には、ある一つの共通点が見えてきます。
どの駅も、古い伝統を守るだけでなく
という地元の人々の願いから生まれているというわけです。
したがって、漢字が本来持っている伝統的な雰囲気や重厚さを保っておくことよりも、あえて「ひらがな」の持つ「優しさ」や「分かりやすさ」を大切にしているというわけですね。
また、偶然にも北海道に2つ(ほしみ、さっぽろ)(カタカナも合わせるせるともっと)あるというのも、広大な北の大地における、懐の深さというものを感じさせますね!
ひらがな駅名になる理由の一つ「漢字で書くと難しすぎるため」
また、上記の「ひらがな」だけの駅名になったのは、それなりの充分な理由が存在しています。
例えば、「みの駅」や「うきは駅」などは、
- そもそもの漢字表記だと、読み方が難しい・覚えられにくい
- 漢字で書くにしても、「複数の書き方」があったりして、漢字表記が難しい
などの様々な要因・事情から、あえて平易なひらがなに統一されたというわけです。
親しみやすから「ひらがな」の駅名になった
また、先述の「さっぽろ駅」や「いわき駅(旧・平駅)」は、カタカナの「サッポロ」や漢字の「平」から、それぞれ自治体名へと合わせた「親しみやすい」表記へと変更されたというう歴史もあるわけです。
したがって、どの駅も「地域の誰もが読みやすく、愛されるように」という願いが込められているのは共通していますね!
柔らかいひらがなの並びは、やはりどこかリズムが良く、温かみを感じて素敵ですね。
全国的にそもそも「ひらがな」の駅名が少なく珍しくなる理由
ではなぜ、「ひらがな」の駅名が、あまり多くなくて珍しいのでしょうか。
それは、日本の駅名は、元々は古くからの地名を由来とするものが多いため、漢字表記が基本となっているからです。
すなわち歴史ある地名には、その土地の由来を漢字に込めているためです。
したがって、あえて「ひらがな」にするのは、新しく作られた駅や、市町村合併のときにおいて、あえて「平易な名前」を選んだ場合に限られることが多いといえます。
そのため、ロマンチックな名前のほしみ駅が、いかに特別な思いを込めて命名されたかのが、この希少性からも伝わってきますね!
おわりに・まとめ
ほしみ駅の地理・歴史を学んでみていかがだったでしょうか。
全国でも数少ない「ひらがな3文字」の駅名に込められた願いなどを知ると、一味違う感動がありますね!
すなわち、これらを学ぶ事で、より観光・旅行・探訪が面白くなり、ワクワク感はさらに深まることとなるでしょう。
次にこの駅を訪れる際は、ぜひとも境界線の星置川の流れや、名前の由来となった星空をぜひロマンチックに見上げてみてくださいね!
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