鉄道唱歌 東海道編の歌詞(御殿場の観光・歴史など)について、鉄道に詳しくない方にもわかりやすく解説してゆきます!
まずは原文から!
われも登山をこゝろみん
高さは一萬數千尺
十三州もたゞ一目
さらに読みやすく!
われも登山を こころみん
高さは一万数千尺
十三州も ただ一目
さあ、歌ってみよう!
♪わーれもとざんを こころみんー
♪たかさはいちまん すせんじゃく
♪じゅうさんしゅうも ただひとめ
国府津駅→上大井駅→松田駅→山北駅→谷峨駅→駿河小山駅→足柄駅→御殿場駅→富士岡駅→裾野駅→下土狩駅(旧・三島駅)→大岡駅→沼津駅
※御殿場線は、鉄道唱歌の当時の東海道線
※上記は全駅ではなく、筆者の独断と偏見で主な駅をピックアップしたもの
前方に巨大な富士山が登場
足柄駅(静岡県駿東郡小山町)を出ると、御殿場方面へ向とかってゆくことになります。
すると、列車の前方には超巨大でド迫力な富士山が登場します。
御殿場線は、富士山のすぐ麓を走るため、富士山間近の眺めは超凄まじいものになります。
これぞ御殿場線ならではの最強の景色であり、このために御殿場線に乗る価値は充分ありすぎだと思います。

御殿場線ならではの、ド迫力な富士山の眺め。写真の左奥方向に進めば御殿場駅だ(静岡県)
富士登山の拠点・御殿場に到着
富士山を窓の右に眺めながら進むと、やがて御殿場線メインの駅である、
- 御殿場駅(静岡県御殿場市)
に到着します。

御殿場駅(静岡県御殿場市)

御殿場駅(静岡県御殿場市)
御殿場駅で、やや長い「休憩時間」あり?
ここで、御殿場駅では、約10分ほど停車する場合があります。
2022年のダイヤで、国府津駅を10:50発または11:50発の列車に乗った場合は、御殿場駅で約10分~約20分近く停車します。
この場合、青春18きっぷの方はぜひ駅の外に出て、軽く気分転換しましょう(ただし発車時間は充分確認し、乗り遅れないよう注意しましょう)。
また、約5分ほどの停車の場合も、駅の外に出る余裕はさすがにありませんが、列車から降りてJR東海ならではのオレンジ色の車両を撮影したり、駅ホームを軽く散策するなどの楽しみもあります(同じく、乗り遅れには充分注意。また、撮影などの際には他のお客さんに迷惑がかからない範囲で)。

御殿場市の景観。街のど真ん中から、これだけ大きな富士山が眺められるのも珍しい。(静岡県御殿場市)

御殿場駅前「マイロード商店街」。駅前の商店街で、これだけ大きく綺麗な富士山が登場する景色も珍しい。(静岡県御殿場市)
富士登山の拠点・御殿場
静岡県御殿場市は、富士登山の拠点として栄えてきた街です。
東海道線は、鉄道唱歌のできた明治時代は、箱根の山を貫くことが技術的にできなかったのでした。
そのため、箱根の山を北へ大きく迂回する、御殿場市を通るルートとなりました(現在の御殿場線のルート)。
これにより、東京方面から御殿場市まで鉄道で向かうことが容易になり、富士山へ登るための拠点の街として、多くの観光客で賑わいました。
1934年に東海道線のルートから外れ、「御殿場線」の名前が残った
しかし、1934年に丹那トンネルが熱海~三島間で開通すると、東海道線は
- 国府津→小田原→熱海→三島→沼津
というルートに変更され、御殿場市は東海道線のルートから外れてしまい、街が衰退するリスクがあったのでした。
かつての(御殿場経由の)東海道線は、ローカル線という扱いとなったため、衰退のリスクのあった御殿場市に配慮して、「御殿場線」という新たな名前がつけられたのでした。
しかし、御殿場市は現在でも富士登山の拠点として重要な役割を占めます。
小田急線では、新宿駅を出発して御殿場線へと直通する特急「ふじさん」が運行されています。
また御殿場駅からは、富士登山のバスが出ています。
富士登山の拠点・御殿場
「高さは一万数千尺(約3,776m)」富士山への登山
鉄道唱歌の歌詞では、夏になれば御殿場駅で降りて、富士登山をやってみよう、というわけです。
「高さは一万数千尺」とありますが、昔の長さの単位でだいたい
- 1尺=約0.3m
となります。
仮に富士山の高さを12,500尺と仮定すると、
- 12,500尺 × 約0.3 = 3,750m
となり、富士山の高さ(3,776m)とほぼ一致します。
逆にいえば、富士山は鉄道唱歌の歌詞で歌われているのとほぼ同じ、約12,500尺の高さともいえます。
他の山の場合(長さの単位)
他にも、鉄道唱歌に関係あるところで例を紹介します。
富山県の立山(たてやま)の場合
- 9,900尺 × 約0.3=2,970m
これは、立山の実際の標高3,015mとほぼ一致します。
(北陸編・第51番)
富山の立山については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

長野県の富士見駅(ふじみえき)の場合
- 3,200尺 × 約0.3=960m
これは、富士見駅の標高955.2mとほぼ一致します。
(中央線・第29番)
富士見駅については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

昔の人は、かなり高い精度で標高を測っていたんですね!
「十三州」とは?富士山頂から眺められる13の国々
歌詞にある「十三州」とは、恐らく一般的な用語ではなく厳密な定義は無いかと思います。
しかし、富士山の頂上から見渡せるおおよそ13の国ということで、恐らく以下の13国あたりが該当するかなと思います。
- 01 駿河国・・・静岡県中部
- 02 遠江国・・・静岡県西部
- 03 伊豆国・・・静岡県伊豆半島地域
- 04 甲斐国・・・山梨県
- 05 相模国・・・神奈川県
- 06 武蔵国・・・東京都、埼玉県
- 07 信濃国・・・長野県
- 08 下総国・・・千葉県北部
- 09 上総国・・・千葉県中部
- 11 安房国・・・千葉県南部
- 11 常陸国・・・茨城県
- 12 上野国・・・群馬県
- 13 下野国・・・栃木県
上記の13国がおおよそ、富士山の頂上から見渡せる射程範囲(?)です。
逆にいえば、上記のエリアならば、富士山が眺められる地域ということになります(遠くてギリギリの範囲を含む)。
果たして、どのエリアまでが富士山を見渡せる?
上記の表を作っていて、栃木県はちょっと遠くてやや厳しいかな?と思いました。
また、最後の13番目は愛知県東部地域にあたる三河国も入るかな?とも考えました。
ちなみに鉄道唱歌 関西・参宮・南海編 第28番では、
とあります。
つまり、三重県伊勢地域と志摩地域に跨がる朝熊山からも(非常に遠い)富士山が眺められるそうです。
なので、上記13州には、
- 伊勢国
- 志摩国
も候補として挙がるのかな?とも考えました。
伊勢の朝熊山については、以下の記事でも解説していますので、ご覧ください。

富士登山のための、ちょっとした知識 安易に登るのは危険!万全の準備を
ここからは、富士山への登山について少し話していきます。
富士山を登るのはそう簡単ではなく、間違った登山方法や浅い知識・経験で登ると遭難の危機にあったり、死亡リスクまでありえます。
まず、富士山は夏の期間しか登ることができず、シーズンオフ中(冬など)の登山は原則厳禁です。
富士山上部では猛烈な吹雪がふき、凍死のリスクが常にあるからです。
また、富士山上部では夏でも気温が10度を下回るため、冬のような気温になります。そのため、装備の充実が不可欠です。
「酸素が薄い」「高山病」に注意
また、富士山は標高3,000m以上の高度地域になるため、常に「酸素が薄い」などのリスクがあります。
つまり「高山病」といって、頭痛や吐き気などの症状に悩まされます。人によっては、2,500m程度登ったところで高山病にかかる人もいるそうです。
高山病は死亡リスクもあるため、もし体調に異変を感じたら直ちに山を下りる必要があります。
また、富士山は5合目(標高約2,300m)までは車やバスで行けるため、なるべくこの標高で体を慣らす必要があります。
富士山は山頂までの道のりが長いため、一日で登って降りるのは容易ではなく、何日間かにかけて登って降りる必要があります。
そのための簡易な宿泊施設が、「山小屋」と呼ばれるものです。
しかし、非常に多くの登山客が利用するため、寝るスペースも限られている上に標高が高いため、酸素が薄いのに慣れている必要もあります。
さらに、「落石」や「急に天気が悪くなる」、「他の登山者との行き違い、混雑」などのリスクもありますから、ここも気を付けなければなりません。
富士登山には、充分な知識と装備を持って挑もう
ここまで色々とびびらせるようなことを書いたかもしれませんが、富士山は登山に関する正しい知識とそれなりの心構えや装備があれば、十分に登頂可能な山であると考えます。
実際に毎年、多くの登山客が登頂を成し得ています。
富士登山に興味がある方は、万全の態勢をもって「日本一高い山」の頂上を目指しましょう!
富士登山の様々なルート
富士登山には様々なスタート地点があります。
いくつかありますが、メジャーなものは「御殿場ルート」「吉田ルート」「富士宮ルート」などです。
最も難易度が低くて、登山客が多いのは山梨県側からアタックする「吉田ルート」や「富士宮ルート」とされています。
一方、「御殿場ルート」は最も距離が長く、かなり体力を使うので「健脚」向けとされています。その代わり人も少ないので、混雑のリスクは少ないとされています。
御殿場→沼津
御殿場駅を出て、裾野・沼津方面へ 富士山の絶景スポット・富士岡駅
また、御殿場駅を過ぎても、なお窓右側には綺麗な富士山が眺められます。
そして、富士岡駅(静岡県御殿場市)に到着します。
富士岡駅は、ホームからの富士山の景色の眺めがとてもよい駅です!

富士岡駅(静岡県御殿場市)。この駅のホームからの富士山の眺めは抜群だ

富士岡駅からの富士山の眺め。YouTubeでべーやんさんがアップされている「鉄道唱歌 東海道編」の動画のサムネイルも、この景色ですね!
富士山のふもと・裾野市
富士岡駅をさらに過ぎると、次は裾野駅(静岡県裾野市)に到着します。
静岡県裾野市は、文字通り富士山の裾野にある街です。「裾野」とは、「麓」と同じ意味になります。
駅名から市名が決まった市
また、裾野市は「駅名から市名が決まった」という珍しい駅でもあります。
元々、裾野駅は「佐野駅」という駅名で開業しました。
しかし、これだと栃木県佐野市の「佐野駅」と混同しがちで紛らわしいということで、富士山の裾野にあるから「裾野駅」に変更となったのでした。
また、後に市名も駅名に合わせて「裾野市」に変更された経緯があります。
また、他にも「駅名から市名が決まった街」の例として、栃木県那須塩原市があります。
東北新幹線が1982年に開業してから「那須塩原駅」が誕生しましたが、2005年の合併で新しい市名を決める際に、新幹線の駅名から「那須塩原市」に決定した経緯があります。
佐野市と那須塩原市は、いずれも栃木県の街です。
裾野市と栃木県に何らかの繋がりを連想するのは私だけでしょうか(^^;)
私はこれら都市が姉妹友好提携関係を結んでいても驚きません(^^;)
愛鷹山の横を通り、沼津市へ 初代三島駅だった、下土狩駅を過ぎる
裾野駅を過ぎると、どんどん平野部へ下っていき、海にほど近い東海道の宿場町だった沼津市が近づいてきます。
富士山は徐々に下半身が愛鷹山に隠れ、沼津市に近づくにつれ、窓の景色もだんだん都会的になってきます。
途中、初代三島駅であった下土狩駅を過ぎ、大岡駅から沼津市に入ります。
やがて御殿場線の終着駅である沼津駅(静岡県沼津市)に至ります。
下土狩駅は、初代の三島駅にあたります。
次回は、三島市の話題へ
おわりに:次は、多くの文豪から愛された街であり、また伊豆箱根鉄道駿豆線との分岐駅でもある三島市の解説をします!
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