まずは原文から!
黒煙天に靡(なび)かせて
出で行く汽車の窓ちかく
見かへる小樽(おたる)の港には
集まる船舶(せんぱく)四時(しじ)絶えず
さらに読みやすく!
黒煙天になびかせて
出で行く汽車の窓近く
見返る小樽(おたる)の港には
集まる船舶(せんぱく)四時(しじ)絶えず
さあ、歌ってみよう!
♪こくえんてーんに なびかせてー
♪いでゆくきしゃの まどちかくー
♪みかえるおたるの みなとにはー
♪あつまるせんぱく しじたえずー
(函館本線)
小樽駅→(熊碓トンネル)→銭函駅→手稲駅→琴似駅→札幌駅→厚別駅→野幌駅→江別駅→幌向駅→岩見沢駅→峰延駅→美唄駅→奈井江駅→砂川駅→(神居古潭)→旭川駅
※鉄道唱歌に関係ある主要駅のみ表示
北海道小樽市(おたるし)は、「小樽運河」や「旭展望台夜景」「天狗山夜景」などで有名な、言わずと知れた北海道有数の港町にして、北海道有数の観光地です。
小樽港は、当時の北海道の主要産物である「石炭」「ニシン」などを本州などの他地域に向けて船に乗せて運ぶために栄えました。
現代でも、小樽から京都府の舞鶴市までの船が出ていますよね。
なぜ石炭を大量に運ぶ必要があったのかというと、19世紀後半~高度経済成長期前までは石炭が主要エネルギーだったからです。
現在の主要エネルギーは電気や石油、ガソリン等ですから、これらがなければ現在の我々の生活は成立しませんよね。
(もちろん、地球温暖化防止の観点から、様々な再生可能エネルギーが発案されています)
北海道が開拓(かいたく)されだした頃は石炭が当時の主流のエネルギー源だったことから、後述する「北海道の真ん中辺り(幌内(ほろない)地方など)」で捕れた石炭を小樽港から運ぶ必要があったわけです(官営幌内鉄道)。
幌内は「ほろない」と読みます。
幌内炭鉱は、明治時代の北海道の、名だたる炭鉱の一つであり、かつて現在の岩見沢駅(いわみざわえき、北海道岩見沢市)から、幌内線(ほろないせん)という炭鉱に続く鉄道路線が存在しました(現在は廃止)。
また、現在の大量輸送(たくさんの荷物を運ぶ方法)は航空機だったり長距離トラックだったりしますが、20世紀初頭は航空機や高速道路・自動車がまだ主流ではなく、鉄道による貨物輸送が主流でした。
しかし、もっと昔に遡り鉄道すらない時代だと、一度に大量に物を運ぶためには船に荷物を乗せて運ぶ、いわゆる「海運」が主流でした。
しかし、町中には当然ながら海がないため、まともにやっては、船に大量の荷物を乗せて運ぶわけにはいきませんよね。
そのため、町中に流れる川を有効利用したり、「運河」を作って人工的に船が通る川を作って船を通したりしたわけです。
小樽運河は、このような経緯でできたものと思われます。
もちろん、小樽以外にも全国各地にも運河はあったものと思われますが、現在では用済みとなって埋め立てられてしまい、現在は存在しない運河もたくさんあったと思います。
(または暗渠(あんきょ)化といって、地下に現存しているケースなども。)
余談ですが、川の水は昔の人々にとっては飲み水やお風呂の水になったりもしたので、ここを船が通り、船から出た汚れや廃棄物の混じった水を人々が飲むことによって健康を損なうという、現代でいうところの公害病も起こり、古くから人々の悩みの種でした。江戸・東京の神田上水で明治時代に起きたコレラ伝染病などが有名です。
現代は上水(飲み水)、下水(廃棄物)、浄水場なとのインフラや法律・規制などが完備・充実しているので、このようなことは起こりません。
先述の通り、小樽市では、古くは北海道の真ん中辺りにある炭鉱(幌内炭鉱など)で大量に掘り出した石炭を貨物列車に積んで小樽まで西へ西へと運び、小樽港から本州あたりまで舟に石炭を積んで運んでいたようです。
この時の鉄道を「官営幌内鉄道(かんえいほろないてつどう)」といい、明治時代の初期の北海道開拓の時から国が力を挙げて石炭を運ぶために作り上げた鉄道です。
また、小樽周辺の名物として、前々回でも説明したニシン(鰊)という魚があります。ニシンは、寒い海を好む、北海道ならではのお魚です。
小樽周辺の海で捕れた大量のニシンなどのお魚を、小樽港から舟に乗せて本州などに運んでいたものと思われます。
小樽運河の周りにレンガ倉庫が多いのは、この時に大量に扱っていた石炭やニシンなどの産物を保管・保存するために存在していたものと思われます。
現在の小樽運河のレンガ倉庫は函館や横浜の赤レンガ倉庫などと同様に観光地化されていて、レンガ倉庫の中にショップやカフェがあったりしますよね。明治時代あたりに建てられた建物ですから、現在の建築基準法や耐震基準などを満たすよう改良されて、出店に至っているようです。
上記の説明を、以下にまとめます。
・官営幌内鉄道(かんえいほろないてつどう)
明治時代に、幌内炭鉱などで採れた石炭を運ぶために、当時の政府によって国を挙げて作られた鉄道。北海道最初の鉄道の1つともされる。
・幌内炭鉱(ほろないたんこう)
北海道の真ん中あたりにある、明治時代の北海道の名だたる炭鉱の1つ。
・ニシン
寒い海域を好む、北海道ならではの魚。
・エネルギー源
明治時代は石炭だったが、1960年代の高度経済成長期あたりから石油にシフトし、それに伴い炭鉱は次々に衰退し閉鎖に追い込まれた。
・小樽港
石炭やニシン等を、小樽以外の地域に船で運ぶ役割を果たした。
・水運
船で大量の荷物を運ぶこと。長距離トラックや航空輸送、貨物列車などが無かった時代は、これが最も効率的な輸送方法だった。
・運河
街の中に作った、水運のための船を通すための人工的な川。
・倉庫
石炭やニシンなど、水運で運ぶための物資を保管・保存するための建物。
次も、小樽の解説です!
注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
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