鉄道唱歌 東海道編 第29番 右は雄大な浜名湖、左は遠州灘 やがて愛知県へ

まずは原文から!

右は入海(いりうみ)しづかにて
空には富士の雪しろし
左は遠州洋(えんしゅうなだ)ちかく
山なす波ぞ碎(くだ)けちる

さらに読みやすく!

右は入海(いりうみ)しずかにて
空には富士の雪しろし
左は遠州灘(えんしゅうなだ)近く
山なす波ぞ砕け散る

さあ、歌ってみよう!

♪みーぎはいりうみ しづかにてー
♪そらにはふじのー ゆきしろしー
♪ひだりはえんしゅう なだちかくー
♪やまなすなみぞー くだけちるー

(東海道線)
浜松駅→舞阪駅→弁天島駅→豊橋駅→蒲郡駅→岡崎駅→南大高駅→大高駅→熱田駅→名古屋駅→岐阜駅→大垣駅→関ヶ原駅→米原駅

※鉄道唱歌に関係ある主要駅のみ抜粋

浜名湖の景色を堪能 歌詞の意味について確認

まず、歌詞の内容から確認していきましょう。

入り海」というのは恐らく、浜名湖(静岡県浜松市、湖西市)で間違いないでしょう。

浜名湖(はまなこ)は、元々は本当に湖であり、現在のように海とは繋がっていませんでした。しかし、1498年の明応地震によって海(遠州灘)に近い部分が決壊してしまい、現在のように海と繋がってしまいました。
そのため、浜名湖は海水(塩水)と淡水(真水)が混じった、「汽水湖(きすいこ)」ということになります。

浜名湖。奥側(南側)が、遠州灘に通じる「すき間」部分で、今切(いまぎれ)という

次に、「空には富士の雪白し」です。
浜名湖のある位置は、富士山からはかなり遠い位置にあるため、富士山はちょっとやそっとでは眺めることはできません。
しかし、非常に天気のいい雲一つ無い青空では、この地域からもはるか後方に、すごく小さい富士山を眺めることができます。本当に、運がよければ、のレベルです。

西ははるか渥美半島にまで至る、遠州灘

現代の遠州灘では、風力発電などが盛んです。
そのため風車がたくさん見受けられます。

愛知県・蒲郡の海(三河湾)からはるか遠くに眺める、渥美半島(※写真は三河湾であり、遠州灘ではありません)

遠州灘とは西は渥美半島(あつみはんとう)の方まで至る、長い海岸です。
渥美半島とは、愛知県豊橋市の西に大きく突き出た半島で、豊鉄渥美線(とよてつあつみせん)で田原市(たはらし)方面へ向かうことができます。渥美半島の最先端部分は伊良湖岬(いらこみさき)といい、ここは三重県鳥羽市(とばし)とかなり接近する部分になるので、船で伊勢湾を渡り、鳥羽市まで向かうことができます。
伊勢湾はまるで「C」の文字の形をしており、右上の先端が伊良湖岬、右下の先端が鳥羽市です。また、「C」の文字の左上は名古屋市、間左は四日市、左下は津市あたりになります。

歌詞の内容は、まるで遠州灘の海岸に、「山のように押し寄せてくる波が砕け散る」という意味でしょう。

かつて江戸時代、浜名湖の北を通っていた「姫街道」

浜名湖には昔、女性の方が多く通った「姫街道(ひめかいどう)」というものがありました。姫街道とは、浜名湖の北を大きく迂回するルートのことをいいます。
なぜ女性の方が誰が多く通ったかと言うと、浜名湖の関所である新居関所(あらいせきしょ)が厳しかったからだと言われています。
昔の関所は「入り鉄砲に出女(いりでっぽうにでおんな)」といって、参勤交代において江戸に人質になっている大名の妻が江戸から出ていくのを厳しく取り締まったのです。

浜名湖を過ぎて、新所原駅へ 静岡県はここまで

そして浜名湖も過ぎて静岡県湖西市(こさいし)を過ぎていくと、新所原駅(しんじょはらえき、静岡県湖西市新所原)に着きます。ここは静岡県最西端となります
また天気がとてもよかったら、このあたりまでギリギリ富士山を眺めることも可能です。ただし、難易度はかなり高いです。
熱海市も静岡県、下田市も静岡県、湖西市も静岡県・・・。静岡県は横に非常に長いので、これらの地域では同じ静岡県であっても雰囲気は大きく異なります。

新所原駅を過ぎると、長かった静岡県はようやくここで終わりここからは愛知県に入ります
昔は静岡県の青春18きっぷでの旅は長く感じられたものですが(私の知識不足経験不足も原因)、今ではスマホの進化・ネットによる知識やノウハウの向上・列車の高性能化やスピードアップなどもあって、昔ほど静岡県の普通列車の旅は長く感じませんし苦痛ではなくなりました。「えっ、もう浜松に着いたの!?」みたいな。何より、鉄道唱歌の歌詞に沿って旅をすれば静岡県の鉄道の旅は楽しい以外の何者でもありません。私は鉄道唱歌を知ってから静岡県のみならず日本全国の普通列車の旅が楽しく感じられるようになりました。これもみな、文明の進化の賜物(たまもの)といえるでしょう。
このブログを読んで少しでも多くの方が鉄道で静岡県の旅に出てもらうきっかけになれば幸いです。

二川駅を過ぎて、愛知県・豊橋駅に到着

ここから二川駅(ふたがわえき、愛知県豊橋市)をさらに過ぎると、いよいよ豊橋駅に近づいてきます。

次は、豊橋駅に止まります!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

コメント