鉄道唱歌 北海道編 北の巻第6番 札幌市内を観光!

まずは原文から!

春は圓山(まるやま)官幣社(かんぺいしゃ)
秋は中島(なかじま)遊園地
豐平橋(とよひらばし)の月の夜 
藻岩(もいわ)の山の雪の朝

さらに読みやすく!

春は円山(まるやま)官幣社(かんぺいしゃ)
秋は中島(なかじま)遊園地
豊平橋(とよひらばし)の月の夜 
藻岩(もいわ)の山の雪の朝

さあ、歌ってみよう!

♪はーるはまるやま かんぺいしゃー
♪あーきはなかじま ゆうえんちー
♪とよひらばーしの つきのよるー
♪もいわのやまのー ゆきのあさー

(函館本線)
小樽駅→(熊碓トンネル)→銭函駅→手稲駅→琴似駅→札幌駅→厚別駅→野幌駅→江別駅→幌向駅→岩見沢駅→峰延駅→美唄駅→奈井江駅→砂川駅→(神居古潭)→旭川駅

※鉄道唱歌に関係ある主要駅のみ表示

今回は、札幌市内観光編です。札幌の観光といえば、やはり「さっぽろテレビ塔」「札幌時計台」、羊ヶ丘展望台の「丘の上のクラーク」などが代表的なものでしょう。
皆さんは、どんな札幌観光がお好きでしょうか。

札幌時計台(北海道札幌市)

円山官幣社(まるやまかんぺいしゃ)」とは、札幌駅から南西約3キロの位置にある、「北海道神宮(ほっかいどうじんぐう)」のことです。
札幌市営地下鉄東西線「円山公園駅」が最寄り駅で、さっぽろ駅大通駅から比較的容易に行くことができます。

官幣社というのは、かつての日本における神社の社格、つまりどれだけ尊い神社であるかのランキングのようなものです。
日本には、全国に約8万8000の神社があるといわれていますが、全てが同等というわけではなく、「近代社格制度(きんだいしゃかくせいど)」という仕組みでランク分けされていました。近代社格制度は明治時代に定められたものです。

官幣大社(かんぺいたいしゃ)は、そのランク付けのうちで最も位の高い神社のことで、明治政府から最も手厚く優遇された神社になります。なお、日本一位の高い神社は三重県にある伊勢神宮だと言われており、官幣大社よりも格が上であり社格すらついていません。
北海道神宮も、その官幣大社の1つで、重要な神社です。

北海道神宮は、1869年に創建されました。
これまで何度も説明してきた通り、北海道は日本の一番端に存在するため、常に外国からの侵略の危機にありました(これは九州も同じ)。
この1869年というのは、明治時代に入ってさあ、北海道を諸外国の侵略に備えて農業・産業・交通の面で強い土地にしよう!開拓を進めていたときでした。
ちょうどそんな時、当時のロシアが樺太や千島列島に向けて進出していた時でした。ロシアはとても寒い土地であり(マイナス20度くらいは普通にいきます)、港はみな凍ってしまい船(軍艦含む)が動かせないため、少しでも緯度が低い南の土地に港が欲しく「南下政策」を取っていた訳です。また、樺太には石炭など重要な資源なども眠っており、ニシンなど漁業にも適した土地でしたから、ロシアとしてはここが欲しかったわけですね。
こうしたロシアの樺太千島進出を危惧して、お守りのために建てられたのが北海道神宮だったというわけです。

また、余談ですが、こうした「何かを守るための神を祀る」という神社の1つに、兵庫県の湊川神社(みなとがわじんじゃ)があります。湊川神社に祀られているのは、楠木正成(くすのき まさしげ)公です。
楠木正成公は、「たとえ7回生まれ変わっても、朝敵(天皇陛下の敵)から国を守ってみせる。」という名言を残され、湊川神社でその生涯を終えたとされています。
このことは、鉄道唱歌 東海道編 第64番にも唄われています。

話を元に戻します。

中島遊園地とは、札幌の歓楽街「すすきの」の南にほぼ直結した現在の「中島公園」のことです。札幌市営地下鉄南北線「中島公園駅」が最寄り駅で便利です。

中島公園(北海道札幌市)
中島公園(北海道札幌市)右奥の白い建物は、「プレミアホテル 中島公園 札幌」。

元々は、1886年に開拓使が風光明媚な地形を生かした景勝地を作る目的で作った「中島遊園地」でしたが、1910年に現在の「中島公園」に変わったようです。
鉄道唱歌ができたのは1906年ですから、歌詞ではまだ「中島遊園地」となっているわけですね。
元々は「中島」というくらいだから、本当に島だったようです。では何に囲まれた島かというと、それは隣接する豊平川(とよひらがわ)です。

豊平川(北海道札幌市)

豊平川(とよひらがわ)は、札幌市内を流れる大きな川で、「札幌」の名前の由来にもなった川です。
元々、豊平川はたくさんの分流がありました。複数の流れがあり、それぞれの流れに挟まれた地形がこの中島だったわけですね。現在ではそれらの分流の川は存在しませんが(埋め立てなどが理由?)、地図で確認するとなんとなく中島公園周辺の元々あった川の流れが想像できます。

豊平橋(とよひらばし)というのは、中島公園のやや北東にある、豊平川にかかる橋のことです。
中島公園の南にある「幌平橋(ほろひらばし)」とは名前が似ていますが別物なので注意しましょう。
どちらも豊平川にかかる橋で、豊平橋は幌平橋のやや北東にあります。

豊平川(北海道札幌市)

これまで何度も説明してきましたが、「札幌」の地名は豊平川に由来しています
アイヌ民族は、歴史的にいかに素晴らしい川を見つけ、そこで効率よくお魚を釣ることで暮らしてきた民族ですから、アイヌ民族にとって川の存在は彼らの生活に欠かせない貴重なものだったと思います。そのため、北海道の地名は川に由来する地名が多いのです。

」は、アイヌ語で「ペッ(別)」「ナイ(内)」などといいます。北海道に「~別」「~内」という地名が多いのはそのためですね。
さらに、「(ホロ、ポロ)」は「大きな」という意味がありますから、単純に「幌別(ほろべつ)」「幌内(ほろない)」は「大きな川」という意味があるのです。なお、幌別という同じ地名は北海道各地に存在します。

アイヌの人々は、豊平川のことを「乾いた大きな川だ!」という感想を抱いたため、

乾いた→サッ→札
大きな→ポロ→幌
川→ペッ→別

と、札幌という地名の由来になりました。
しかし、実際には「別」の文字は地名に入らず、「札幌」となっています。「札幌別」とすると3文字で長くなるからでしょうか。

豊平川(写真左側)、藻岩山(写真右奥) 札幌市

藻岩山(もいわやま、標高531m)は、札幌駅から南西約5kmの位置にある山です。
藻岩山ロープウェイ」で頂上に登り、そこからの札幌市の夜景は、函館山や小樽の旭山からの夜景に匹敵する、素晴らしい眺めではないでしょうか。

皆さんは、札幌の一日をどのようにお過ごしでしょうか。

次は、札幌を出て厚別(あつべつ)方面へ向かいます!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
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