鉄道唱歌 北海道編 北の巻第9番 岩見沢と、かつての幌内炭鉱への道

まずは原文から!

幌向原野(ほろむいげんや)岩見澤(いわみざわ)
眞直(まっすぐ)に行けば幾春別(いくしゅんべつ)
幌内太(ほろないぶと)と幌内(ほろない)と
三炭山(さんたんざん)のありどころ

さらに読みやすく!

幌向原野(ほろむいげんや)岩見沢(いわみざわ)
真っ直ぐに行けば幾春別(いくしゅんべつ)
幌内太(ほろないぶと)と幌内(ほろない)と
三炭山(さんたんざん)のありどころ

さあ、歌ってみよう!

♪ほろむいげーんや いわみざわー
♪まっすぐにゆけば いくしゅんべつ
♪ほろないぶーとと ほろないとー
♪さんたんざんのー ありどころー

(函館本線)
小樽駅→(熊碓トンネル)→銭函駅→手稲駅→琴似駅→札幌駅→厚別駅→野幌駅→江別駅→幌向駅→岩見沢駅→峰延駅→美唄駅→奈井江駅→砂川駅→(神居古潭)→旭川駅

(幌内線/1987年廃止
岩見沢駅→三笠駅(→幌内駅(貨物支線))→幾春別駅

※鉄道唱歌に関係ある主要駅のみ表示

歌詞にある「幌向原野(ほろむいげんや)」とは、幌向駅(ほろむいえき、北海道岩見沢市)を過ぎた辺りから岩見沢市周辺に広がる平野のことではないかと思います。歌詞では「原野(げんや)」と呼ばれているくらいですから、もしかしたら当時はまだ開拓間もない頃で、手つかずの土地も多かったのかもしれませんが、今は立派にインフラも整い、岩見沢市をはじめとする空知(そらち)地方の重要な地域です。

やがて、岩見沢駅(いわみざわえき、北海道岩見沢市)に到着します。

岩見沢駅(北海道岩見沢市)
岩見沢駅(北海道岩見沢市)

北海道岩見沢市(いわみざわし)は、札幌駅から特急列車で約25分、普通列車で約40~50分ほどで来られる、札幌市のベッドタウンとしても発展している都市です。
かつては後述するように、炭鉱から掘り出した石炭を運ぶための拠点として発展した街で、旭川市と同様に北海道では珍しくアイヌ語に由来しない地名です。

これまで何度も説明してきたように、北海道にはかつて沢山の炭鉱があり、特に北海道の真ん中あたりで採れた大量の石炭を小樽まで運び、そこから海を経由して本州など各地へ運ぶ必要がありました。この鉄道路線を「官営幌内鉄道(かんえいほろないてつどう)」といいます。
その主たる炭鉱が、歌詞にある「幾春別(いくしゅんべつ)」「幌内太(ほろないぶと)」「幌内(ほろない)」という3つの炭鉱でした。

なぜ大量の石炭が必要だったかというと、明治時代当時は石炭が主要エネルギーだったからです。現代では電気・石油・ガソリンなどが主力エネルギーであり、これらがないと我々の生活は成り立ちませんが、当時は石炭が主力エネルギーでした。何を動かすにも石炭が必要だったため、石炭が採れる鉱山を切り開き、それらを運ぶ貨物列車が必要でした。それが、現在は廃線となった、幌内線(ほろないせん。1987年廃止)というわけです。
幌内線は、現在の岩見沢駅からやや北東に向かって現在の三笠市にある幾春別町(いくしゅんべつちょう)まで延びていました。しかし戦後、特に1960年代の高度経済成長期以降、主力エネルギーがどんどん石油に変わり、また安い輸入品の台頭で北海道で採れた大半の石炭は売れないものとなり、また炭鉱で数多く発生した事故も問題化していくことで、次々に炭鉱は閉鎖していきました。幌内線も同じような運命を辿り、炭鉱が閉鎖していくと運ぶ石炭もなくなり、またそこに住んでいた人も新たな職を求めてその町からいなくなってしまうため、沿線の利用客も激減し、幌内線は1987年に廃止となりました。

話を元に戻しますが、明治時代になると北海道の開拓と同時に「日本を欧米列強に負けない強い国にするぞ!」という機運が高まり、特に歌詞にある幾春別幌内太幌内で採れた大量の石炭は文明の発展や軍事力の強化のために必要だったわけです。
貨物列車に大量に積まれた石炭は、幌内線を経由し、一旦岩見沢駅を経由して、現在の函館本線を経由して小樽まで運ばれ、さらに小樽から海上輸送で本州など各地に運ばれていきました。
当時これらの貨物路線は先述のように「官営幌内鉄道」と呼ばれました。官営というくらいですから、当時の明治政府が国力強化のために国を挙げて作った鉄道というわけですね。そして国鉄時代を経て、現在のJR函館本線となるわけです。そしてこの官営幌内鉄道は北海道で最初に出来た鉄道路線ということで、現在の小樽にある手宮線跡にも「北海道最初の鉄道路線」という風に紹介されていると思います。

岩見沢駅(北海道岩見沢市)

岩見沢駅は、この官営幌内鉄道の通過点に位置する駅なので、当然ながら岩見沢市はかつてより炭鉱に従事する人達の交通拠点として賑わい、発展してきたわけです。

次は、峰延駅美唄駅に止まります!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
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