【静岡・清水町】柿田川遊水池を探訪!富士山の水が湧き出る土地

今回は、静岡県・清水町にある、富士山の湧き水が出てくる柿田川公園についてわかりやすく解説してゆきます!

柿田川公園のある、静岡県・清水町

清水町(しみずちょう、駿東郡)は、富士山のやや南東・静岡県の東部にある町であり、ラブライブ!で有名な沼津市(ぬまづし)、そして伊豆への入口・三島市(みしまし)のちょうど間くらいにある町になります。そして今回メインで紹介する柿田川(かきたがわ)が流れる町でもあります。

なので静岡県の「清水」はいっても、ちびまる子ちゃんで有名な静岡市の清水区(しみずく)とは異なります。清水区は県庁所在地・静岡市の一部であり、元々は清水市だったのですが、2003年に静岡市と合併して「清水区」となりました。

今回メインの清水町は、お隣りの沼津市や三島市のベッドタウンとして、1960年代の高度経済成長期以降に急速に発展してきました。沼津・三島に近いことに加えて「サントムーン柿田川」という大きなショッピングモールもあるため、家族連暮らしの世帯の方々にとってはとても暮らしやすい町なのではないかと思われます。

富士山からの「湧き水」からなる、柿田川

柿田川(かきたがわ)は、富士山の南東に位置する清水町から湧き出る川です。それは、富士山の雪が溶けて、地面深くに沈み混み、長い年月をかけて地上に出てきた水からなる川になります。

柿田川はなんと数十カ所から湧き出てくる大量の「湧き水」が水源となっています。このたくさんの湧き水こそが、川の水の源になっているというわけです。

柿田川の水はとてもキレイであることから「清流(せいりゅう)」として知られており、岐阜県の長良川(ながらがわ)・高知県の四万十川(しまんとがわ)とともに「日本三大清流」の一つに数えられています。

柿田川の水はとてもキレイで人々の生活や工業などにも欠かせないものとなっています。そして沼津市や三島市の人々の「飲み水」として提供されているほど重要なため、後述のように「一級河川(いっきゅうかせん)」に指定されています。

「日本一短い一級河川」柿田川

柿田川の全長は南へわずか約1.2kmであり、いわゆる「一級河川」の中ではなんと「日本で最も短い川」となっています。つまり、清水町で水が湧き出てから、すぐ南1.2kmの地点で狩野川と合流して終わってしまうため、これだけ距離が短いというわけです。

一級河川(いっきゅうかせん)」とは、国土交通省によって「この川は最もその地域に、人々の暮らしや経済に大きな影響を与えている」と認定された川です。なので、ただ「長い」というだけでは、ただちに一級河川に認定されるとは限りません。すごく極端な例を出すと、約1,000kmくらいあるめっちゃくちゃ長い川とかであっても、仮に川の周辺に民家や工場が無くて誰も住んでいなければ、誰も川の水を使って農業・工業・洗濯・炊事・入浴などをすることはないため、人々の生活になんら影響を与えていないことになります。そのため、長いからといって必ずしも「一級河川」とはならないわけです。

そして「一級河川」は流域に住んでいる人々に対する影響力が大きいため、適切な管理をしないとあっという間に洪水・氾濫の大被害のリスクがあります。また、工場排水などによって水のキレイさが脅かされると、そこに住む鳥・虫などの生態系にも影響がでてきます。もしその「鳥」が、南の島や外国からやってくる「渡り鳥」だったら、川が汚いせいで死んでしまったら外国から苦情がきてしまいますよね。

なので一級河川は、国によって(国の予算を投入してまで)常に管理されているわけです。もちろん国の予算には限りあるため、「特に重点的に管理しなければならない川」を「一級河川」として指定しているというわけですね。

高度経済成長期には、工場排水でピンチに陥った柿田川

このように、柿田川ではとてもキレイな水が大量にあふれてくることで知られていました。そのため、工場にとってはとても素晴らしい立地たったのです。

工場は、たくさんの水を必要とします。

  • 機械を冷やすために必要な冷却用水
  • 商品(飲料水など)を作るために必要な原料となる水
  • 機械を洗浄するために必要な水
  • 工場を掃除するために必要な水
  • ボイラーなどを動かすために沸かすための水

このため、工場が進出してくるためには、とにかく水が豊富にある地域が選ばれやすかったのでした。例えば富士市に紙の工場(製紙工場)が多いのも、富士山から出てくる大量の湧き水に期待してのことです。

そのため、豊富な水を求めて、かつて多くの工場が柿田川の地域に次々に進出してきました。しかし工場から出される排水の「たれ流し」によって、川が汚染され水質が悪化してしまいました。そのため、魚もまともに住めないような状態になったのでした。魚が住めないとなると、それを食べる鳥も住めなくなってしまいます。

柿田川を守るための地元運動 今はキレイな川に

こうした1960年代における工場排水による柿田川の汚染を受け、1970年代からは地元住民による自然保護のための運動がどんどん活発化していったのでした。そして1980年代にかけて、地元の有志の人々によって自然環境のために「土地の買い上げ」が行われていったのでした。

つまり、これ以上「開発行為」をさせないために土地の買い上げが行われているというわけです。そうすれば、誰かが好き勝手に工場を建てたくても、土地を売ってもらえないために、新たな開発行為が防止できるというわけです。

ただ、最初はこうした活動がなかなか理解されず、周辺の自治体もあまり協力的ではなかったそうです。というのも、柿田川には例えば「源頼朝がここで水を飲んだ場所だ!」みたいな超有名歴史的エピソードなどが存在しないために、「なんでわざわざ」といった具合で地元の人々も最初はあまり乗り気がしなかったようです。
確かに「源頼朝」みたいな誰もが知るわかりやすい歴史的名所や史跡であれば地元民の協力を得やすいのかもしれませんが、そうでもない場所や地域を維持していく場合は、周囲の理解や協力を得るのは困難なのだということがわかります。

しかし地元有志たちはそんな逆境にもめげず、懸命な「講演活動」などによって柿田川の自然保護を重要性を説明してゆくことで、多くの人々の理解が得られるようになってゆきました。そうして、地元の人々によって川をキレイにするための清掃活動が行われていったことで、やがてカワセミ等の鳥も生きていけるという環境が出来上がっていったのでした。

キレイな川の象徴の鳥・カワセミ

カワセミ(翡翠)は、美しい緑色青色が印象的な鳥の一種です。まるで宝石のヒスイ(翡翠)のような美しい見た目の鳥です。ちなみに気付くと思いますが、「カワセミ」「ヒスイ」は漢字で書くとどちらも「翡翠」になります。これについては後述します。

カワセミはもちろん、決して夏に鳴くセミ(蝉)とは関係ありません。カワセミのことを蝉の一種だと思っていた天然ボケは、たとえ世界広しといえども私(筆者)だけでしょう。

カワセミは主に海岸や川・湖・池などの水辺(水のあるあたり)に生息しており、また都市部であっても「公園の池」などであれば住んでいたりします。主に、水に住む魚などを捕まえて食べています。

カワセミは、かつて昔は「町の中」でも普通に見られるような鳥でした。しかし1960年代以降の高度経済成長期には、生活排水や工場排水などが原因で、多くの川が汚れてしまったために、カワセミは住みかを追われてしまい、都心部や町の中では見られなくなりました。

しかしながら時代とともに先述の柿田川のような自然保護活動が行われていった結果、川の水質改善もどんどん進んでいくようになりました。こうして川は再びキレイさを取り戻し、例えば東京都心部といった大都会の公園などでもカワセミが再び見られるようになってきています。

宝石のヒスイは、カワセミの色に由来して名付けられました。ヒスイはまるでカワセミのように美しい緑色を放つため、このような名前になったのですね。
漢字の「翡翠」は、カワセミ・ヒスイどちらでも読むことができます。

宝石のヒスイは、新潟県糸魚川市(いといがわし)の名物でもあります。
詳しくは以下の記事をご覧ください。

糸魚川に到着!ヒスイの名産地【東北・日本海側の旅・番外編1】

500系新幹線の形状のヒントとなったカワセミ

カワセミは、エサを取るときに水に思いっきり飛び込みます。このとき、水に飛び込むと地上よりも1000倍もの抵抗差が生まれるため、その時に大きな衝撃が生まれてしまいます。しかし、カワセミは非常にシャープなくちばしをしているため、水に飛び込むときの抵抗を最小限に抑えているのです。

このカワセミの性質にヒントを得て利用したのが、500系新幹線です。

500系新幹線は、非常にシャープで美しい見た目が印象的で、私(筆者)が最も好きな新幹線のデザインでもあります。

500系新幹線が出きる前、トンネルに入ったときの衝撃音が高速運転における悩みの種となっていました。そこで注目されたのが、上記のカワセミのようなシャープな形状だったのです。

そして500系新幹線のパンタグラフ(=列車の屋根についている、電線と接触して車両に電気を供給する部位)には、なんとフクロウの羽からヒントを得て騒音を減らす工夫がされているなど、「自然に生きる鳥」の力が新幹線のノウハウに生かされているというのはスゴいですね!

以上、雑学・トリビアでした。

柿田川公園は、自然たっぷりで癒される

柿田川公園は、とても緑にあふれていて、また柿田川の景色もとてもキレイなため、癒されます。

今回はここまでです。

お疲れ様でした!

【注意】
この記事は、「旅行初心者に教える」ことを目的地として書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
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