鉄道唱歌 東海道編 第60番 大阪駅を出発し、尼崎方面へ 淀川、神崎川を渡る

まずは原文から!

大阪(おおさか)いでゝ右左(みぎひだり)
菜種(なたね)ならざる畑(はた)もなし
神崎川(かんざきがわ)のながれのみ
淺黄(あさぎ)にゆくぞ美うつくしき

さらに読みやすく!

大阪(おおさか)いでて右左(みぎひだり)
菜種(なたね)ならざる畑(はた)もなし
神崎川(かんざきがわ)のながれのみ
浅黄(あさぎ)にゆくぞ美うつくしき

さあ、歌ってみよう!

♪おおさかいーでて みぎひだりー
♪なーたねならざる はたもなしー
♪かんざきがーわの ながれのみー
♪あさぎにゆくぞー うつくしきー

(東海道線)
米原駅→彦根駅→能登川駅→近江八幡駅→野洲駅→守山駅→草津駅→南草津駅→瀬田駅→石山駅→大津駅→山科駅→京都駅→山崎駅→高槻駅→茨木駅→吹田駅→新大阪駅→大阪駅→尼崎駅→芦屋駅→三ノ宮駅→神戸駅

※鉄道唱歌に関連する駅と、新快速列車が停車する駅などを表記
※この区間は「琵琶湖線」「京都線」「神戸線」などの愛称あり

今回で、いよいよ大阪を出ることになります。
大阪駅から三ノ宮(神戸)姫路方面へ向かうには、新快速列車が15分に一本出ており、また三ノ宮まで約20分ちょっとで着くので便利です。
ここから先、姫路方面へは阪神本線阪急神戸線との競合もあるため、交通手段は豊富で選択肢も多く、充実しています。

大阪駅を出ると、やはり大都会の駅とあって、周りはビルばかりの景色となります。
そして大阪駅を少し過ぎた所には、なんと高速道路がビルを貫通する光景がみられます。
これの高速道路が貫通しているビルを「TKPゲートタワービル」といいます。

ビルを貫通する高速道路(TKPゲートタワービル)(大阪市)

高速道路がビルを貫通しなければならないほど、大阪駅周辺はビルが所狭しと建ち並んでいるわけです。つまり、それだけ高速道路をスペースが無いくらい、大阪駅周辺は大都会だということです。

歌詞にある「菜種ならざる畑もなし」とは慣れるまで意味が難しいのですが、簡単にいえば
アブラナも咲いてすらないような畑もない(それほど都会だ)
という意味になります。

菜種(なたね)とは、アブラナの種のことです。
また菜種(なたね)というフレーズは古くから歌に使われる言葉で、春という季節を表す「季語(きご)」としても使われます。
つまり、菜種は春を表す季語となります。

大阪駅の周辺はあまりの都会なので、まるで花も咲かないな畑すらないため、神崎川の流れのみが(アブラナのように黄色くて美しい、という意味でしょう。
現代では上記の高速道路貫通ビルがあるほど高層ビルが建ち並び、もちろん大阪駅周辺は都会なのですが、それは鉄道唱歌が出来た明治時代からも変わらないようです。

そして、列車は再び淀川を渡ります。
淀川は新大阪駅から大阪駅に向かう途中で一度渡っているのですが、列車は再び北西(尼崎方面)へ向かうため、もう一度淀川を渡ることになるのです。
今回の歌詞の内容から神崎川を渡っているのと勘違いしやすいのですが、最初に渡るのは淀川であり、神崎川はその次に渡る川になります。

淀川を渡ると、列車は塚本駅(つかもとえき、大阪市淀川区塚本)を過ぎます。

塚本江崎グリコの本社がある場所であり、塚本駅を過ぎるとほどなくして、窓の左側にはグリコの大きなロゴが登場します。

グリコの本社も過ぎると、加島駅(かしまえき、大阪市淀川区加島)を過ぎ、列車はやがて神崎川(かんざきがわ)を渡ります。
そして、大阪府はここまでであり、兵庫県に入ります。

神崎川。左は大阪府、右は兵庫県

神崎川(かんざきがわ)はかつて「神崎川の渡し」といって、橋を思うようにかけられない時代(江戸時代など)に川を渡っていた舟がありました。
渡し船(わたしぶね)」というのは、橋を架ける代わりに航行していた舟のことです。
昔は大雨などで川が氾濫がした時に橋が簡単に流されていたので、「どうせ流されるぐらいだったら最初から橋をかけない」ということにしたのです。その代わりに舟で渡っていたわけです。
もちろん、江戸幕府の意向により軍事的にかけられなかった橋もあります。

次は、尼崎駅に止まります!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
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