まずは原文から!
建築材に必要の
石切り出(い)だす登別(のぼりべつ)
山には全國(ぜんこく)たぐひなき
壯觀奇絶(そうかんきぜつ)の出湯(いでゆ)あり
さらに読みやすく!
建築材に必要の
石切り出(い)だす登別(のぼりべつ)
山には全国類いなき
壮観奇絶(そうかんきぜつ)の出湯(いでゆ)あり
さあ、歌ってみよう!
♪けんちくざーいに ひつようのー
♪いしきりいーだす のぼりべつー
♪やまにはぜんこく たぐいなきー
♪そうかんきぜつの いでゆありー
(室蘭本線)
岩見沢駅→栗山駅→由仁駅→追分駅→早来駅→沼ノ端駅→苫小牧駅→白老駅→登別駅→幌別駅→東室蘭駅→輪西駅→室蘭駅
※鉄道唱歌に関係ある主要駅のみ表示
白老駅(しらおいえき)から室蘭本線でさらに西へ進むと、登別駅(のぼりべつえき、北海道登別市)に到着します。
北海道登別市(のぼりべつし)は、歌詞にあるように全国トップクラスの温泉である登別温泉(のぼりべつおんせん)を擁する街であり、隣の室蘭市とも近く工業都市としての性格を持つ街でもあります。
歌詞によると、登別は建築材料(石材)に必要となる石が採れる街というふうにあります。
石材は、建築物や防壁、墓石などに広く用いられます。
江戸時代までの日本は主に木造建築が主流でしたが、明治時代に入り西洋建築が日本にも入ってくると、徐々に頑丈かつ屈強な石材による建物が増えるようになってきました。
それまでの日本において石材はあくまで墓石や防壁(戦における敵の攻撃を防ぐ壁)などに用いられてきたにすぎませんでしたが、明治時代以降はさらに頑丈かつ屈強な石材建築が主流になったきたわけですね。鉄道唱歌の歌詞にあるように、石材が豊富に採れたであろう登別は、採掘の重要拠点となったことでしょう。
なお、1936年に完成した国会議事堂の建物は、全国選りすぐりの石材が使用されていることで知られています。
登別温泉をはじめとする全国各地に存在する温泉は、古来から娯楽、怪我や病を癒やすためのものとして重宝されてきました。
昔は現在ほど医学が発展していなかったため、「温泉に入ったら怪我や病気が治った」という経験則や成功体験から、古くから温泉には神が宿るとされてきたり、また医学が十分に発展してなかった時代において怪我や病気を治すために欠かせないものでした。なお、温泉の力を使って怪我や病気を治すために温泉地に1週間以上滞在することを「湯治(とうじ)」といいます。昔は戦乱の世の中で負傷する兵士も多かった上、原因不明の病も多かったでしょうから、湯治はそれだけ重要でした。
鉄道唱歌にも、湯治については歌われています。
「長岡(ながおか)降りて飯坂(いいざか)の
湯治(とうじ)にまわる人もあり」
-鉄道唱歌奥州・磐城編第24番より
なお、長岡とは現在の伊達駅(だてえき、福島県伊達市)のことであり、また「飯坂温泉(いいざかおんせん)」は福島県のこの地域の有名な温泉地です。
温泉は歴代の武将や将軍からもこよなく愛されてきた歴史があります。
例えば、徳川家康は無類の風呂好きで、熱海(現在の静岡県熱海市)の温泉に頻繁に通い、湯治を行っていたそうです。
豊臣秀吉も、有馬温泉(現在の兵庫県神戸市北区有馬町)に頻繁に通うなど、日本人の温泉との歴史的な関わりは深いのです。
日本は世界有数の火山大国であり、火山の被害に悩まされてきましたが、その一方で火山から湧き出る温泉という自然の恵みが与えられたわけです。
また、登別温泉はドリフターズの「いい湯だな」という曲でも歌われていますよね。
「いい湯だな」は、元々は1966年に群馬県の温泉について歌われたご当地ソングですが(唄:デューク・エイセス)、1967年のドリフターズのカバーによって全国版にアレンジされ、有名になったとのことです。
オリジナルの群馬県版で歌われている温泉は、「草津温泉(くさつおんせん)」「伊香保温泉(いかほおんせん)」「万座温泉(まんざおんせん)」「水上温泉(みなかみおんせん)」であり、伊香保温泉は鉄道唱歌北陸編第13番でも歌われていますね。
また、ドリフターズの全国版で歌われている温泉は、「登別温泉(北海道登別市)」「草津温泉(群馬県吾妻郡草津町)」「南紀白浜温泉(なんきしらはまおんせん、和歌山県西牟婁郡白浜町)」「別府温泉(べっぷおんせん、大分県別府市)」です。
温泉には血行を促して、体の中の老廃物を出すデトックス効果や、精神を落ち着かせる効果や美容にも効果がありますから、やはりお湯はいいもんです。寒い冬は温泉に限ります。
登別を過ぎると、いよいよ鉄道唱歌ではラストでありゴール地点の室蘭に到着します。
次は、室蘭に止まります!
注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
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