鉄道唱歌 北陸編 第11番 新町・倉賀野も過ぎて、やがて群馬県・高崎市へ

鉄道唱歌 北陸編の歌詞を、わかりやすく解説してゆきます!
高崎・倉賀野の歴史などを、初心者でも楽しめるよう解説してゆきます!

↓まずは原文から!

はや新町しんまち倉賀野くらがの
またゝくひまに行きすぎて
いま上州じょうしゅう高崎たかさき
繁華はんかの町につきにける

さらに読みやすく!

はや新町しんまちも 倉賀野くらがの
またたくひまに 行きすぎて
いま上州じょうしゅう 高崎たかさき
繁華はんかの町に つきにける

さあ、歌ってみよう!

♪はやしんまーちも くらがのもー
♪またたくひまにー ゆきすぎてー
♪いまぞじょうしゅう たかさきのー
♪はんかのまちにー つきにけるー
(東北本線)
上野駅→田端駅→王子駅→赤羽駅→蕨駅→浦和駅→大宮駅

(高崎線)
上尾駅→桶川駅→鴻巣駅→吹上駅→熊谷駅→深谷駅→本庄駅→神保原駅→新町駅→倉賀野駅→高崎駅

※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記

群馬県に入り、新町駅・倉賀野駅を過ぎ行く

神保原駅じんぼはらえき(埼玉県児玉郡上里町)を過ぎると、埼玉県と群馬県との県境を越え、群馬県に入ってゆきます

このとき、県境となる川を神流川かんながわといいます。

この川を越えると、群馬県(高崎市)です。

そして、

  • 新町駅しんまちえき(群馬県高崎市新町)
  • 倉賀野駅くらがのえき(群馬県高崎市倉賀野)

を過ぎていくと、いよいよ上野国こうづけのくに(群馬県)最大の都市である高崎市たかさきしの中心駅・高崎駅たかさきえきに着きます。

新町駅(群馬県高崎市新町)

新町駅(群馬県高崎市新町)

倉賀野駅(群馬県高崎市倉賀野)

倉賀野駅(群馬県高崎市倉賀野)

倉賀野駅から分岐する、八高線

倉賀野駅くらがのえきは、八高線はちこうせんとの分岐点です。


八高線はちこうせんは、群馬県と東京・八王子はちおうじの生糸や織物などを運ぶためにできた鉄道路線です。

群馬県も、八王子とともに

  • 生糸きいと
  • 織物おりもの

が盛んで有名な街でした。


特に明治時代には、

  1. これらを大量生産して、
  2. いかに海外へ輸出して
  3. 大きな利益を挙げるか

というのが、当時の日本としての大きな課題だったのでした。

八王子で造られた織物などは、横浜線よこはませんで横浜まで運ばれ、横浜港から船に載せて輸出されていました。

八王子から分岐する、横浜線

横浜線よこはませんは、八王子駅をスタートし、途中で将来のリニア建設予定地である神奈川県橋本市はしもとしを通ります。

その後、

  • 神奈川県相模原市さがみはらし
  • 東京都町田市まちだし

を経て、東海道新幹線との交差駅である新横浜駅しんよこはまえきを過ぎます。

やがて、

  1. 東神奈川駅ひがしかながわえきで東海道本線と合流して、
  2. 現代の横浜駅から根岸線ねぎしせん(当時の東海道線)に入り、
  3. 初代の横浜駅だった桜木町駅さくらぎちょうえきに至る

という形になります。

当時はここから赤レンガ倉庫のあたりまで線路が延びていたため、船に荷物を載せ替えて海外へ輸出したのですね。

このように、八王子で生産された生糸織物は、横浜線を通って横浜港まで運ばれていたのでした。
それも、東京を経由しない縦一直線のルートです。

戦前、群馬県の生糸を、いかにして横浜港へ運んだか

一方、群馬県で生産されていた生糸織物は、どのようにして横浜港まで運んでいたのでしょうか。

恐らく、鉄道唱歌の時代(西暦1900年頃)は

高崎→大宮→浦和→赤羽→目白・目黒(現代でいう山手線内回り→品川→川崎→神奈川→横浜

というルートで運んでいたのでしょう。

当時はまだ、田端~品川間がつながっていませんでした。

また、神奈川駅かながわえきという当時の東海道・神奈川宿かながわしゅくという宿場町の中心だった駅があったという前提です。

神奈川駅は、現在は存在しません。
ただし、京急本線に同名の駅は存在します。

(初代)横浜駅とは、現代の桜木町駅のことをいいます。

つまり、群馬県で生産された生糸織物は、明治時代はいったん「東京を経由して」運ばれていたのでした。


しかし、1930年代以降に戦争が激化し、東京がもし戦禍に巻き込まれた場合に東京の線路が使えなくなると、群馬県と横浜港との間での貨物輸送ができなくなる恐れがありました。

そのため、東京を経由せずとも群馬県と横浜港を結ぶことができるバックアップ経路として、八高線はちこうせんが1930年代にできたのでした。


八高線はちこうせんの説明が長くなって、逆にわかりにくくなってしまったら申し訳ないのですが、とりあえず、

八高線は、戦争で万一東京が戦禍に巻き込まれたときに、東京を経由せずに群馬県と横浜港を結ぶためにできた路線」

のように覚えておけば問題ないでしょう。

群馬県最大の駅・高崎駅に到着

その八高線との分岐駅である倉賀野駅くらがのえきを過ぎると、窓の景色はいよいよ大都会の様相を呈してきます。

群馬県最大の駅であり、新幹線も止まる重要駅である、

  • 高崎駅たかさきえき(群馬県高崎市)

に到着です。

高崎駅(群馬県高崎市)

高崎駅(群馬県高崎市)

群馬県高崎市たかさきしは、県庁所在地ではありませんが人口36万人を誇る群馬県最大の都市になります。

なお、群馬県の県庁所在地は前橋市まえばししであり、人口は約33万人になります。

「上野国」「上州」群馬県

上州じょうしゅうとは上野国こうずけのくに、つまり現代の群馬県のことです。

  • 群馬県:上野国こうづけのくに
  • 栃木県:下野国しもつけのくに

また、群馬県のことを「上毛じょうもう」ということもあります。

また、下野国のことを「下毛野国しもつけのくに」と書くこともあります。

下毛」とは一般的に書かないようです。

なので、「両毛線りょうもうせん」というと群馬県と栃木県を結ぶ路線という意味になります。

上毛じょうもう」「下毛野国しもつけのくに」を結ぶ路線だからですね。

高崎駅から分かれる、たくさんの路線

高崎駅からは以下のように、非常にたくさんの路線が分かれています

(以下、高崎線は除く。)

  • 信越本線しんえつほんせん→西へ進み、長野方面へ向かう。
    鉄道唱歌のルート。
  • 上越線じょうえつせん→北へ進み、新潟県へ続く。
  • 両毛線りょうもうせん→東へ進み、栃木県小山市おやましまで続く。
  • 八高線はちこうせん→南へ進み、東京都八王子市はちおうじしまで続く。
  • 吾妻線あがつません→北へ進み、有名な草津温泉くさつおんせんや、万座温泉まんざおんせん方面へ進む。
  • 上越新幹線じょうえつしんかんせん→北へ進み、新潟県へ素速く向かう。
  • 北陸新幹線ほくりくしんかんせん→西へ進み、長野県・富山県・金沢方面へ素速く向かう。
  • 上信電鉄じょうしんでんてつ→南西へ進み、富岡製糸場(富岡市)の方面へ進む。
    私鉄路線。

※上記各路線は、必ずしも高崎駅が起点というわけではありません。

高崎駅はこのように、(高崎線を含め)実に9つもの鉄道路線が分かれています

それだけ高崎駅は群馬県の中でも特に重要な駅だということができます。

上越新幹線の「上越」とは、どんな意味?

なお、上越新幹線の「上越」とは、群馬県と新潟県を結ぶという意味になります。

  • 上:上野国こうずけのくに(群馬県)
  • 越:越後国えちごのくに(新潟県)

つまり、上越新幹線は上野国と越後国をスピーディーに結ぶための新幹線という意味になります。

このことを知らないと、新潟県上越市じょうえつし上越妙高駅じょうえつみょうこうえきは、なぜ上越新幹線でなく、北陸新幹線の駅なの?という疑問が生まれてくることになります。

新潟県上越市の「上越」とは、以下のような意味からきます。

  • 上越じょうえつ:上越市あたり
  • 中越ちゅうえつ:長岡市あたり
  • 下越かえつ:新潟市あたり

新潟県はとても広いので、京都に近い順に上越・中越・下越と分かれています。

あくまで「京都に近い順」なので、地図上では上下が入れ代わるので注意しましょう。
つまり、地図上では下にある方が「上越」となる、というわけです。

こちらは、新潟県のあたりでまた改めて解説します。

信越本線しんえつほんせんは、元々はまだ上越線が無かった時代に、長野県を経由してはるばると新潟県へ向かうための路線だったのです!

大都会・高崎駅で降りて休憩

とりあえず、高崎駅周辺は大都会なので、ここから先の道中は山岳地帯も多くなりますから、しっかり飲食店や買い物などで休憩したり、旅の準備をしておきましょう。

また、信越本線はここから先、西の碓氷峠うすいとうげも控えているので、横川駅からうまくバスに乗って軽井沢まで行けるよう、高崎駅での信越本線の発車時刻も気をつけましょう。

ただし、鉄道唱歌の旅では一旦、両毛線に寄り道をします!

ちゅうい!おわりに

この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。
そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。
再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。
何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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