まずは原文から!
くだる道(みち)には追分(おいわけ)の
原(はら)とよばるゝ廣野(ひろの)あり
桔梗(ききょう)かるかや女郎花(おみなめし)
秋(あき)の旅路(たびじ)はおもしろや
さらに読みやすく!
くだる道(みち)には追分(おいわけ)の
原(はら)とよばるる広野(ひろの)あり
桔梗(ききょう)かるかや女郎花(おみなめし)
秋(あき)の旅路(たびじ)はおもしろや
さあ、歌ってみよう!
♪くーだるみちには おいわけのー
♪はらとよばるるー ひろのありー
♪ききょうかるかや おみなえしー
♪あーきのたびじも おもしろやー
(しなの鉄道線)
軽井沢駅→信濃追分駅→御代田駅→小諸駅→大屋駅→上田駅→坂城駅→千曲駅→屋代駅→篠ノ井駅
(信越本線)
篠ノ井駅→川中島駅→長野駅
※鉄道唱歌に関連する主要駅のみ表記
軽井沢からは、本格的に長野・信濃の旅へ
軽井沢駅(かるいざわえき、長野県北佐久郡軽井沢町)より西は、いよいよ長野県・信濃国(しなののくに)の鉄道旅になります。
また、軽井沢駅より西は前回も説明したように、JR線ではなく「しなの鉄道線」という第三セクターの路線に乗って進むことになります。
「しなの鉄道線」は元々はJR信越本線(しんえつほんせん)の一部でしたが、北陸新幹線の開業に伴って第三セクターに経営が移管された区間になります。
したがって、前回も解説したように「しなの鉄道線」はJR線ではないため、「青春18きっぷ」や「北海道&東日本パス」では乗車することはできません。そのため、別途乗車券を購入する必要がでてきますので、このことを念頭に置いて予算計画を立てましょう。
参考までに、軽井沢駅→篠ノ井駅までは1,470円になります。
東京スカイツリーよりも高い、標高900mを下ってゆく
歌詞に「くだる道には~」とありますが、ここから先は坂道を下ってゆくため、標高がどんどん低くなってゆきます。
ちなみにここから先の各駅の標高は、以下のようになります。
軽井沢駅:標高940m
御代田駅(みよたえき):標高819m
小諸駅(こもろえき):標高663m
上田駅(うえだえき):標高445m
坂城駅(さかきえき):標高396m
千曲駅(ちくまえき):標高369m
篠ノ井駅(しののいえき):標高356m
川中島駅(かわなかじまえき):標高362m
長野駅(ながのえき):標高361m
このように、軽井沢駅より西は次々に坂を下ってゆくことがわかります。
小諸駅の段階で、まだ東京スカイツリーよりも標高が高いんですね(^^;)
東京スカイツリーの高さは634mです。
また、こうしてみると長野県は標高が高い、いわゆる高原地帯がとても多いことがわかります。
これだけの高原地帯なので、冬は相当寒くなるそうで気候も厳しいそうです。
ちなみに県庁所在地の長野市は、日本一標高の高い県庁所在地として知られます。
あと軽井沢駅と長野駅で、同じ長野県同士なのに東京スカイツリー約1つ分の標高差があることも驚きです(^^;)
北国街道と、中山道の「追分」
やや話が逸脱しましたが、話を元に戻します。
軽井沢から先は、中山道(なかせんどう)と北国街道(ほっこくかいどう)の分岐点である追分(おいわけ)という場所があります。
追分(おいわけ)とは、一般的には「分かれ道」のことをいいます。昔は分かれ道のことを「追分」と呼んでいたのです。
しかし、それに由来して、そのまま地名や駅名などになっているケースも存在します。
しなの鉄道線(旧・信越本線)では、信濃追分駅(しなのおいわけえき、長野県北佐久郡軽井沢町追分)が該当します。
似たような言葉に「辻(つじ)」があり、これは交差点のことを意味します。
神奈川県の辻堂(つじどう)とは、交差点に立っていたお堂(お寺)に由来します。
北国街道(ほっこくかいどう)とは、軽井沢の中山道・追分宿(おいわけしゅく)から北西へ分岐して、長野の善光寺平(ぜんこうじだいら。長野市がある平野のこと)を通り、やがて新潟県の直江津(なおえつ)にまで至る江戸時代までの街道です。
昔の人々にとっては鉄道も高速道路なども無かったので、こうした街道を何日もかけて徒歩または馬で移動していたのでした。
途中に泊まる町のことを、宿場町といいます。
北国街道は参勤交代にも使われたほか、佐渡島(さどがしま)にあった佐渡金山の「金」を運ぶための道としても使われました。
佐渡島から直江津まで舟で運ばれ、直江津からは北国街道に沿って軽井沢の追分へ、そして中山道で江戸まで運ばれていたわけですね。
追分宿(おいわけしゅく)は、ここまで説明してきたように、中山道の宿場町でありました。
中山道は、ここ追分より南西へ、諏訪湖(すわこ)方面へ向かって進んでゆきます。
途中、和田峠(わだとうげ)という難所区間が控えています。
中山道は東海道に比べて山岳地帯や難所区間が多いので、旅人たちの負担を減らすために多くの宿場が短い間隔で置かれていました。
そのため、中山道は六十九次(ろくじゅうきゅうつぎ)であり、東海道の五十三次(ごじゅうさんつぎ)よりも宿場数が多くなっています。
また、鉄道唱歌 北陸編の旅は、ここまでは中山道沿いに鉄道路線を進んできました。
しかし中山道沿いの鉄道の旅はここで終了となり、ここから先は北国街道沿い(旧・信越本線)のルートとなります。
浅間山のふもとの、自然豊かな景色を進んでゆく
さて、しなの鉄道のこの区間は、右手に浅間山(あさまやま)を眺めながら進んでいくことになります。
その間、秋の旅路がすごく面白いものになります。
歌詞にある「桔梗(ききょう)」「刈萱(かるかや)」「女郎花(おみなえし)」とは、いずれも秋に咲く花のことです。
これらは、いわゆる「秋の七草」とのうちに含まれます。
秋の七草は、以下の7つのことをいいます。
桔梗(ききょう)
刈萱(かるかや)
女郎花(おみなえし)
薄(すすき)
撫子(なでしこ)
葛(くず)
萩(はぎ)
藤袴(ふじばかま)
線路の右側には、こうした秋の植物が並ぶ野原が壮観となります。
そして、御代田(みよた)・小諸(こもろ)方面へ進んでゆきます。
注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
コメント