鉄道唱歌 奥州・磐城編 第15番 再び宇都宮へ戻り、那須塩原方面へ北上してゆく

まずは原文から!

又(また)立ちかへる宇都宮(うつのみや)
急げば早(はや)も西那須野(にしなすの)
こゝよりゆけば鹽原(しおばら)の
温泉わづか五里(ごり)あまり

さらに読みやすく!

又(また)立ちかえる宇都宮(うつのみや)
急げば早(はや)も西那須野(にしなすの)
ここよりゆけば塩原(しおばら)の
温泉わずか五里(ごり)あまり

さあ、歌ってみよう!

♪またたちかーえる うつのみやー
♪いそげばはやもー にしなすのー
♪ここよりゆーけば しおばらのー
♪おんせんわずかー ごりあまりー

(東北本線)
宇都宮駅→西那須野駅→那須塩原駅→黒磯駅→黒田原駅→新白河駅→白河駅→泉崎駅→矢吹駅→須賀川駅→郡山駅→日和田駅→本宮駅→二本松駅→安達駅→松川駅→福島駅

※鉄道唱歌に関係ある主要駅のみ抜粋

日光の観光を終え、再び宇都宮駅へ 那須塩原・黒磯方面へ向かう

日光(にっこう)の観光を終えると、また宇都宮に戻って、東北本線に乗り換えて那須塩原(なすしおばら)・黒磯(くろいそ)方面へと向かいます。

宇都宮駅(栃木県宇都宮市)

宇都宮は、ギョーザの名所

なお、宇都宮の観光などについてあまり触れていなかったため、少し触れておきます。

宇都宮はギョーザ(餃子)の名物として有名ですが、それは戦時中に満州(まんしゅう)にいた兵士たちが日本に戻ってきたとき、「宇都宮でもギョーザを広めたい(食べたい)」ということで持ち帰られたものだそうです。
これは同じくギョーザが名物である静岡県浜松市にも同じことがいえます。

なお、ギョーザの名をめぐって宇都宮市と浜松市はライバル関係にあり、競合関係にあります。
宇都宮駅周辺には探すのに困らないほど、ギョーザのお店がたくさんあります。私もギョーザ定食をいただいたことがあります。
是非、静岡県浜松市のギョーザ定食と比較して食べてみましょう。

余談ですが、浜松市は「日本一暑い街」の座をめぐって、岐阜県多治見市とも競合関係・ライバル関係にあります。
浜松市は多方面に観光関連において、ライバル多しですね。

静岡県浜松市の観光的魅力については鉄道唱歌 東海道編 第27番で歌われています。以下の記事でわかりやすく解説していますので、ご覧ください。

鉄道唱歌 東海道編 第27番 「出世の街」「楽器の街」浜松に到着!そして舞阪も過ぎゆく

岐阜県多治見市については、中央線鉄道唱歌 第64番でも歌われています。以下の記事でわかりやすく解説していますので、ご覧ください

中央線鉄道唱歌 第64番 多治見へ到着!虎渓山永保寺、美濃焼、そしてアニメの聖地

また、ギョーザを食べなくとも、宇都宮駅周辺はスタバやマクドナルドなどの飲食店も充実しており、駅向かい側の大きな商業施設である「トナリエ宇都宮」には100均もありますので、これからの長い旅に備えて必要品を買っておきましょう(人にもよりますが、例えばマスク、ティッシュ、簡単なお菓子類、電池、携帯トイレなど)。

昔の栃木県・下野国の安寧を守り続けてきた、二荒山神社

宇都宮の真ん中に立つ立派な神社が、「二荒山神社(ふたあらやまじんじゃ)」です。
この二荒山神社は、栃木県が「下野国(しもつけのくに)」と呼ばれていた時代から、下野国の平和や安全を守り続けてきた(これを「鎮護(ちんご)」「鎮守(ちんじゅ)」などのようにいいます)重要な神社です。

東北本線に乗り込もう 岡本駅・鬼怒川を過ぎ行く

さて、宇都宮で観光や食事、買い物などを済ませると、いよいよ東北本線に乗り、那須塩原(なすしおばら)・黒磯(くろいそ)方面へ向かいます。
宇都宮駅から乗る場合、「東北本線・黒磯行き」に乗ることになると思います。

宇都宮駅を出発し、一つ隣の岡本駅(おかもとえき、栃木県宇都宮市下岡本町)を過ぎると、鬼怒川(きぬがわ)という大きな川を渡ります。

鬼怒川(きぬがわ)を渡ると、烏山線(からすやません)との分岐駅である宝積寺駅(ほうしゃくじえき、栃木県塩谷郡高根沢町宝積寺)に着きます。

烏山線との分岐駅・宝積寺駅

烏山線(からすやません)は、宝積寺駅と烏山駅(からすやまえき、栃木県那須烏山市)を東西に結ぶ路線です。東北本線から東へ分岐していく路線になりますが、烏山駅でストップしており、そこから先の路線が続いておりません。
こうした「先が続いてない路線」のことを、いわゆる「盲腸線(もうちょうせん)」といいます

盲腸線(もうちょうせん)ができる理由は、本来はもっと先まで延長して大都市まで至る路線とする計画が、沿線の人口減少やモータリゼーション(高度経済成長期以降に自動車が一般家庭に普及し、それに伴い鉄道の利用者が減るなどの現象が起こる)などの影響で利用者が見込めなくなった場合に、先の路線が建設されずに途中までの路線が残ってしまう、というのが一般的です。

烏山線の場合も、元々は水郡線(すいぐんせん)の常陸大子駅(ひたちだいごえき、茨城県久慈郡大子町大子)まで続く計画があったとする説や、水戸方面まで伸ばす計画があったそうですが、それが頓挫(とんざ)してしまい、現在の宝積寺駅~烏山駅間のみが残り、盲腸線となったようです。

氏家駅・矢板駅・野崎駅を過ぎて、やがて西那須野駅へ

宝積寺駅を過ぎると、氏家駅(うじきええき、栃木県さくら市氏家)、矢板駅(やいたえき、栃木県矢板市)、野崎駅(のざきえき、栃木県大田原市)などの駅を過ぎて、歌詞にあるように西那須野駅(にしなすのえき、栃木県那須塩原市)に至ります。

西那須野駅(栃木県那須塩原市)

栃木県さくら市は、主要駅である氏家駅のある氏家町(うじいえまち)と周辺の町である喜連川町(きつれがわまち)が2005年に合併してできた街です。
氏家町は、かつて奥州街道の宿場町である「氏家宿」があった町でもあります。
周辺に鬼怒川など桜の名所が多かったことから、「さくら市」と名付けられたそうです。
また、北関東圏で同じ桜の名所といえば、奈良の吉野と比肩する桜の名所である茨城県桜川市(さくらがわし)があります。最寄駅は、水戸線岩瀬駅(いわせえき)です。
さらに、さくら市と読み方が全く同じ千葉県佐倉市(さくらし)とは全く別の自治体となります。
栃木県さくら市のように、2000年代以降に新しくできた市は、ひらがなでおしゃれな市名が多い印象ですね!

窓の左側には、徐々に那須の山々が登場 那須塩原駅に到着

西那須野駅を過ぎたあたりから、窓の左側にはいよいよ標高約1,500m~2,000mにも及ぶ那須(なす)の山々が姿を現すようになります。
標高が高いため、真冬の時期にこの地域を旅行すると、早速山々が白い雪をかぶった状態になってきます。
そして、新幹線も停車する重要駅であり、那須への観光の入り口ともいうべき那須塩原駅(なすしおばらえき、栃木県那須塩原市)に到着します。

那須塩原駅(栃木県那須塩原市)

「塩原」の名前の由来 昔は「塩」がよく採れた場所だった?

塩原(しおばら)の由来には諸説ありますが、昔はこの地域まで海岸線が来ており、そこから豊富な塩がとれたことから「塩原」とする説があります。
現在の海岸線と大昔の海岸線が違うというのはよくある話なのです。
例えば、昔は東京湾の水面が高かったことから、さいたま市見沼(みぬま)あたりまで海岸線がきていたため(奥東京湾)、「浦和(うらわ)」という地名の由来になったり、江戸城のある辺りまで入り江(日比谷入江)がきていたことから、入り江の戸口という意味で「江戸」という地名の由来になったりなど、諸説あるものの過去の海岸線に由来する地名は少なからずあると考えられます。

全国各地にある、「塩」に由来する地名

なお、昔は「塩」は非常に重要なものと考えられていたため(現在でも重要ですが)、「塩」に由来する地名はとても多いです。

例えば、長野県塩尻市(しおじりし)の「塩尻」という地名は、越後(新潟県)の方から来た人が塩が採れない内陸部まで行って塩を売っていたときに、塩尻市のあたりで塩の在庫が切れてしまい、「塩が途切れる場所」という意味で「塩尻」という地名になったとする説があります。

塩尻の東にある甲斐国(かいのくに。現在の山梨県)は内陸部であるため、東海地方から塩を輸入するしかなく、武田信玄の時代に深刻な塩不足に陥り、甲斐国の人々の生活に影響を及ぼしたこたから、越後国(えちごのくに。新潟県)の上杉謙信が敵国であるはずの甲斐国の人々を救うために塩を送ったというエピソードがあります。
これが「敵に塩を送る」という言葉の語源になったとされています。

西那須野から西へ約20km、塩原温泉郷

・・・話がずれてしまいすみません。

塩原温泉郷(しおばらおんせんきょう)は、西那須野駅から約20kmほど西にいったところにある温泉街です。
歌詞では「ここ(西那須野)よりゆけば塩原の温泉わずか五里あまり」とあります。
一里は約4kmですから、4km × 5里= 20kmで大体計算が合うと思います。

次は、那須(なす)の解説をします!

注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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