まずは原文から!
波路(なみじ)やすけく直江津(なおえつ)に
かへりてきけば越中(えっちゅう)の
伏木(ふしき)にかよふ汽船(きせん)あり
いざ乘(の)りかへて渡海(とかい)せん
さらに読みやすく!
波路(なみじ)やすけく直江津(なおえつ)に
かえりてきけば越中(えっちゅう)の
伏木(ふしき)にかよう汽船(きせん)あり
いざ乗りかえて渡海(とかい)せん
さあ、歌ってみよう!
♪なーみじやすけく なおえつにー
♪かえりてきけばー えっちゅうの
♪ふしきにかーよう きせんありー
♪いざのりかえてー とかいせんー
(佐渡汽船)
小木港→直江津港
(えちごトキメキ鉄道日本海ひすいライン)
直江津駅→糸魚川駅→市振駅
(あいの風とやま鉄道線)
市振駅→泊駅→入善駅→黒部駅→新魚津駅→滑川駅→富山駅
(北陸新幹線)
上越妙高駅→糸魚川駅→黒部宇奈月温泉地駅→富山駅
※直江津から富山へ鉄道で移動する際の主なルートを表記
佐渡の観光を終えると、また船に乗って直江津 (なおえつ)に戻ってくることになります。
新潟県佐渡市(さどし)の小木港(おぎこう)から直江津港(なおえつこう)までは、佐渡汽船(さどきせん)によるフェリーが出ています。
2等席で大人1人3,380円です。(2023年現在)
所要時間は約2時間40分、1日わずか2便(10時台と17時台)ですので、時刻には注意が必要です。
ただし、小木港までゆくバス自体も本数が限られていて、また17時台のフェリーに乗れても直江津港への到着が夜の20時であり、調べたところそこから直江津駅(または上越妙高駅)までのバスも出ていないようです(直江津駅までのタクシー代をポンと出せる人は関係ないかもしれませんが)。
なので、鉄道唱歌の旅にこだわる場合は小木港までバスでゆき、直江津港からは夜道をタクシー等で直江津駅まで戻るのもアリでしょう。
しかし、バスやフェリーの便数の多さや宿泊の便利さ、道順のシンプルさなどを考えると、来た道をそのままバスで両津港まで戻る→夕方のフェリーで新潟港まで戻る→その日の夜は新潟で1泊→翌朝に新潟駅を特急「しらゆき」などで出発→直江津駅または上越妙高駅まで行く、という道順の方が無難かもしれません。
小木港(おぎこう)は新潟県佐渡市(さどし)、つまり佐渡島の南端にある港であり、かつては「西廻り航路」の寄港地としても栄えました。
「西廻り航路」は江戸時代に整備された海上ルートで、秋田県の酒田(さかた)を出発して小木港を経由し、日本海を反時計回りに大回りし、山口県の関門海峡から瀬戸内海に入り、やがて大坂(大阪)へ至るルートです。
なぜこんな海上ルートができたのかというと、江戸時代は貨物列車や長距離トラック、航空機などがなかったので、船で大量に運んだ方が効率がよかったのです。
また、本州の真ん中は山岳地帯なので、本州を縦貫(じゅうかん)する運河・水路は造れず、仕方なく本州を大廻りする海路が採られたのでしょう。
また、江戸時代に佐渡金山で大量にとれた金はここ小木港から舟で運ばれ、直江津からは北国街道(ほっこくかいどう)を経由して金は運ばれました。
直江津(なおえつ)とは、来た道でも解説しましたが、新潟県上越市(じょうえつし)にある、日本海側の港町として発展した街です。
かつては直江津市(なおえつし)といっていましたが、現代は合併して上越市となっています。
「やすけく」とは古語で、「心安らか」などの意味です。
つまり佐渡の観光を終えてまったりと船で出て、ゆっくりと船で直江津まで帰ってくる、みたいな意味でしょう。
もし先述の通り、両津港→新潟港→(1泊)→新潟駅→特急しらゆき→直江津駅という道順で戻ってきた人も、とりあえずはお疲れさまです。
そして、直江津に戻ってくるのは今回の旅では2回目のことです。
鉄道唱歌 北陸編において最初に直江津に来たのは、長野・妙高高原(みょうこうこうげん)方面から山を下りてやってきた時でしたね。
それまではずっと内陸部や山間部を旅してきたため、直江津まで来てようやく海の景色に出会えた、という感じの内容でした。
また、歌詞によると「直江津港からは、伏木(ふしき)に通う船が出ている」ということが言及されています。
伏木(ふしき)とは、富山県高岡市(たかおかし)にある地名です。
鉄道唱歌の当時は、直江津から西へ富山まで続く鉄道がまだ開通していなかったため、船で海を渡り、富山まで行くという流れになっています。
伏木(ふしき)には、かつて越中国(えっちゅうのくに)の国府(こくふ)がありました。
越中国(えっちゅうのくに)とは、現在でいうところの富山県にあたります。
国府(こくふ)とは、現在の都道府県庁にあたり、その国の政治の中心となった機関のことです。
つまり、かつての越中国の政治の中心は、伏木(ふしき)にあったということになります。
そして伏木には、かつて万葉集の作家として知られた大伴家持(おおとものやかもち)が赴任した場所としても知られます。
大伴家持(おおとものやかもち)とは、奈良時代に万葉集を編纂した人のことです。
万葉集は、奈良時代にできた歌の集まりのことです。
なので、「万葉の時代から」 という表現があったとすると、これは奈良時代から(約1300年前の大昔から)というような意味になります。
現在では直江津駅からは、えちごトキめき鉄道「日本海ひすいライン」でシンプルに普通列車で向かう方法があります。
直江津→糸魚川(いといがわ)→親不知(おやしらず)→市振(いちぶり)→泊(とまり)→入善(にゅうぜん)→黒部(くろべ)→魚津(うおつ)→滑川(なめりかわ)→富山
の順で進んでゆきます。
鉄道の歴史ではわりと後の時代にできたからか、真っ直ぐな線形でトンネルが多い印象です。
「親不知(おやしらず)」は、これまで何回か説明してきた断崖絶壁です。
「市振(いちぶり)」は、「えちごトキめき鉄道」と「あいの風とやま鉄道」の境界線となる駅です。
「泊(とまり)」は鳥取県にもある駅名であり、だいたい宿場が元々あった場所とかそういったとこから由来してる地名であることが多いです。
「入善(にゅうぜん)」より西は、富山に近づくにつれて大きな経済圏を成している地域に入ります。
上記のルートで普通列車で富山至るほか、もちろん現代では新幹線というものがあるので、上越妙高駅から富山駅まで北陸新幹線で向かう選択肢もあります。
「日本海ひすいライン」と「あいの風とやま鉄道」は青春18きっぷでは乗れません。
(新幹線に乗る場合)
直江津→(妙高はねうまライン)→上越妙高→(北陸新幹線)→富山
約1時間9分、4,960円
(乗車券:2,320円、自由席特急券:2,640円)
(新幹線に乗らない場合)
直江津→(日本海ひすいライン)→富山
約2時間、2,490円
値段が倍になれば、所要時間が半分になるようなイメージです。
お金に余裕あって体力的にきつい場合は新幹線、お金に余裕なくてスケジュールに余裕ある場合は普通列車にしましょう。
どっちにも余裕がない場合は、春日山駅で降りて、快活CLUB上越市役所前店に頼るという手もあります。
完全鍵付個室が夜間8時間パックで2,110円です。
こうして体力・日程・予算などに応じて臨機応変に旅行プランを選択するのも、旅行者としての腕・センスの見せどころです。
次回から富山駅からのスタートで、本格的に北陸地方の旅ということになります!
注意
この記事は、「小学生の頃の私(筆者)に教える」というイメージで書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
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