「神社めぐり」をするときに役立つ、様々な神社の用語(祭り・神話・儀式・参拝関連など)について、わかりやすく解説してゆきます!
意外と難しい!神社の用語を、基本から
「神社めぐり」をするときに、どうしてもわかりにくい用語にぶち当たってしまうことは、誰しもよくあることと思います。
今回は、そんな難しい神社の用語の数々について、わかりやすくまとめてみました!
全部わかったあなたは「神社めぐりマスター」かも!?
意外と読めない!?基本的な神社の用語
まずは意外と読めない(?)、神社の基本的な用語からです!
建物や「神様の居場所」に関する用語
神社の建物にも、それぞれ役割や「流派」のような造りがあります。
- 境内:神社の敷地全体のことです。「きょうない」とは読みません。
- 参道:鳥居からお社まで続く道のことをいいます。真ん中は神様が通る道となっています。
- 狛犬:あらゆる邪気を払うために置かれた、獅子に似た想像上の動物です。
- 回廊:建物やお庭を囲むように作られた、屋根のある長い廊下のことです。広島の厳島神社にある、海に浮かぶ回廊は印象的ですね。
- 社殿:神社にある建物の総称です。
- 本殿:上記の社殿のうち、神様が実際にいらっしゃる、一番奥に存在する最も神聖な建物です。
- 拝殿:私たちが一番手前で「お参り」をするための、お賽銭箱がある建物のことをいます。
- 神明造:三重県の伊勢神宮や愛知県の熱田神宮などに代表される、最も古くから日本に存在するシンプルな神社の建築様式です。
- 荘厳:重々しく、立派で、神聖な雰囲気が漂っている様子。伊勢神宮などはまさに荘厳な雰囲気がありますよね!
- 御厨:神様に捧げる食べ物を育てるための、神様専用の畑や領地のことをいいます。
- 授与所:お守り、お札、御朱印などを「いただく」ための場所のことです。
- 社務所:神主さんが事務仕事をしたり、または休憩したりする建物のことです。
神社の設備やその役割などに関する用語
- 本宮:その神社のメインの建物のことをいいます。
- 奥宮:山奥などにある、より神聖な「離れ」となるお社です。本宮よりもさらに奥に、主に山の上や神域の深部にあるお社です。
- 中宮:本宮と奥宮の真ん中に存在するお社です。
- 摂社:その神社の神様と縁が深い(別の)神様を祀るための、境内の小さなお社です。
- 末社:摂社よりは縁が薄いけれど、客分として招かれた(別の)神様を祀るためのお社です。
神社の参拝などに関する用語
- 玉串:儀式のときに、神様に捧げるための榊と呼ばれる木の枝のことをいいます。
- 奉納:お酒やお米、あるいは神楽などを神様に「捧げる」ことをいいます。
- 神楽:神様をなぐさめ、楽しませるために奉納される歌や踊りをいいます。
- 御神籤:神様の意志を占うためのくじです。ひらがなではお馴染みですが、漢字で書くと一気に難しくなりますね!
- 直会:儀式が終わった後に、神様と同じもの(お供えしたお酒や食べ物)を食べることで、神様のパワーを体内に取り入れるための大切な行事・宴会のことです。
- 二礼二拍手一礼:昭和から平成にかけて広まった、現在のスタンダードでよく知られる参拝マナー(作法)のことです。
- 御朱印:参拝の証として、神社の印と名前を墨書きでいただくもの。
- 絵馬:願い事を書いて、奉納する木の板をいいます。
- 山車:お祭りで引いて歩く、豊作などを願って、神様に降りてきていただくための、豪華な飾りのついた大きな「動く屋台」のことです。
神社の役職に関する用語
- 神主:神様と人間をそれぞれ繋ぐためのプロフェッショナルのことです。
- 神職:神主さんなど、神様に仕えるお仕事の人たちの総称です。
- 巫女:神職を補助し、神楽(神社の祭礼で神様へ奉納するための歌舞のこと)を舞ったり、授与所において参拝客の受付をしたり、お守りなどの「縁起物」の授与などを行ったりする女性のことです。
- 祭主:伊勢神宮の特別な祭儀を司る、皇族出身の方が務める役職です。
- 大宮司:伊勢神宮や熱田神宮といった特に重要視される、特別な神社のトップの呼び名のことです。
三種の神器など、「御神体」に関する用語など
- 三種の神器:日本に古くから伝わる神聖な鏡・剣・玉(以下でも解説します)のことです。歴代の天皇が受け継いできた宝物のことです。
- 草薙剣:三種の神器の一つで、愛知県の熱田神宮にあるとされる剣です。かつて神話で、島根県の奥出雲でスサノオがヤマタノオロチを倒して手に入れたものですね。
- 八咫鏡:同じくか三種の神器」の一つで、三重県の伊勢神宮の内宮にある、最も尊いとされる鏡です。
- 八尺瓊勾玉:同じく「三種の神器」の一つで、東京都千代田区の皇居にあるとされる、美しい曲線を持った宝石(玉)のことです。
- 御神体:神様が宿る依代(鏡や剣、山など)のことをいいます。上記の「三種の神器」などは、まさにその「御神体」にあたります。
儀式や「特別な行事」に関する用語
これらはテレビのニュースなどでも時々耳にする、非常に重要な言葉です。
- 式年遷宮:一定の年数ごとに社殿を新しく作り替え、神様にお引っ越しいただく行事です。
- 宮中祭祀:天皇陛下が皇居の中で、国や国民の幸せを祈って行う儀式のことをいいます。
- 新嘗祭:その年の収穫に感謝して、新しいお米を神様に供える11月の祭典。現在の11月23日(勤労感謝の日)のルーツであり、一年のうちで最も大切なお祭りの一つです。
- 勅使:天皇陛下の使いとして、神社に派遣される特別な方。
- お蔭参り:江戸時代に爆発的に流行した、伊勢神宮への集団参拝のこと。
- 神祇体系:日本の多くの神様を、一つのまとまりとして捉える考え方のことです。
- 公的祭祀:個人の願いではなく、国や地域の平和を祈る「公(おおやけ)」の儀式のことです。
神社の「歴史・ルール」に関する用語
明治時代やそれ以前の、少し難しい歴史の言葉たちです。
- 創祀:神社が初めて作られ、神様をお祀りし始めたことをいいます。
- 式内社:平安時代の名簿(延喜式)に載っている、由緒ある古い神社のことをいいます。
- 神仏習合:日本では歴史的に、神様と仏様は「同じもの」として一緒に信仰してきたことをいいます。
- 神仏分離令:明治時代に「神と仏をはっきり分けなさい」と出された命令のことです。
- 廃仏毀釈:分離令の勢いで、お寺や仏像が壊されてしまったという、少し悲しい運動のことです。
登場人物や「神話」に関する用語
神話の物語を形作り、日本の成り立ちを説明する、ドラマチックな出来事や神様たちです。
- 神道:日本古来の伝統的な信仰のことです。
- 天照大御神:日本の神様の頂点に立つ、現在の天皇陛下のはるか遠い祖先でもある太陽の女神です。
- 天孫降臨:ニニギノミコトが、高天原(つまり、天界にある神様たちが住む国)から地上、すなわち宮崎県の高千穂へ降りてきたことをいいます。
- 国譲り:大国主命が、戦いに負けたことで地上の支配権を先述の天照大神に対して譲った物語です。
- 神議:神様たちが集まって会議を開くこと。出雲大社では毎年10月に、人々の「縁」を決めるためこの会議を行っています。
- 神霊:神様の尊い「魂」や、不思議な力の源のことです。
- ニニギノミコト(瓊瓊杵尊):天照大御神の孫で、地上を治めるために九州・宮崎の高千穂に降りてきた神様です。コノハナサクヤヒメに一目惚れして結婚しました。
- スサノオ(素戔嗚尊):奥出雲にある、島根県・斐伊川の上流にてヤマタノオロチという怪物を退治した、力強く荒々しい神様です。主に京都の八坂神社や、埼玉・大宮の氷川神社などの神社にて祀られてます。
- 大国主命:因幡の白兎を助け、出雲大社に祀られている、強くても心優しい神様です。
- 神武天皇:日本の初代天皇です。日向国(宮崎県)から東へ進んで、やがて奈良県の橿原において日本の「初代天皇」として即位した、伝説の王です。
神社の歴史的な儀式などにまつわる用語
- 榊:神棚や儀式で使われる、神聖な常緑樹の枝のことです。
- 斎宮(または「さいぐう」): かつて伊勢神宮に仕えた、皇室の未婚の女性のことをいいます。現代では廃止されています。
- 宗廟:皇室の先祖を祀る場所のことをいいます。特に伊勢神宮を指すことが多いです。
- 八幡宮:武運の神様として知られる「八幡様」を祀る神社のことをいいます。
- 例幣使:毎年、朝廷から決まった「お供え物」を届けるために送られた使いのことです。
神社の「ランク」や「歴史」に関する用語
昔は国が神社にランクをつけていた時期がありました。
したがって、名前に「大社」や「一宮」と付くのには理由があるのです。
- 一宮:その地域(昔の国単位)で一番格式が高い神社のことです。
- 官幣大社:明治以降、皇室から直接「お供え物」をいただいた格の高い神社のことをいいます。
- 国幣大社:国から「お供え物」をいただいた、地域を代表する神社のことをいいます。
- 近代社格制度:明治から戦前まであった、神社のランク付けのルールのことをいいます。
- 神階:神様自身に贈られた「位」のこと。正一位など。
- 総氏神:日本人全員、あるいはその地域全員を守る大きな神様。天照大神などが該当します。
- 総鎮守:その土地全体を、外敵や災いから守ってくれる神様のことです。徳川家康は、栃木県の日光東照宮において、関東の平和を守る総鎮守となっています。
さらに難しい!他にもある「神社あるある」な難読漢字
せっかくですので、よく見かけるけれど「あれ?」となりやすい漢字をいくつか挙げておきますね。
これを読めた方は、あなたはかなりの神社めぐりマスターでしょう。
- 祝詞:神様に対して、感謝や願いを伝えるために奏上される独特のリズムを持った言葉のことです。神主さんが神様の前で唱える言葉をいいます。
- 注連縄:鳥居や木などに巻いてある、聖域を示す縄のことです。各地(主に三重県)にある二見浦にある夫婦岩では、2つの仲良しな岩がこの「注連縄」で結ばれています。
- 手水舎(てみずや/ちょうずや):参拝前に身を清めるために、手を洗う場所のことをいいます。
- 幣帛:神様への「お供え物」の総称のことです。
浄化と神様のパワーに関する用語
- 禊:水を浴びて、体についた汚れや罪を洗い流すこと。
- 御祓:災いや汚れを取り除くための儀式。大祓とも言います。
- 御稜威:神様の持つ、絶大で神聖なパワーや威厳のこと。
- 主祭神:その神社で、一番メインにお祀りされている神様のこと。
- 神勅:神様が下した「命令」や「お告げ」のこと。
なぜ神社の用語や漢字は、こんなに難しいのか?
以上、こうした神社に関連する様々な用語が「読みにくい!」と感じるのには、実はちゃんとした理由があります。
文化として「言霊(ことだま)」を大切にするから
まず、「言葉には魂が宿る」と考えられている(考えられてきた)ため、神社の用語においてはあえて重々しく、神聖な意味を持つ漢字が選ばれてきたという歴史・経緯がありました。
歴史が古すぎるから
現代の漢字(新字体)が決まるずっと前からある言葉なので、どうしても旧字体や難しい組み合わせが残ってしまうのです。
独自の専門用語が多いから
また、神社を学ぶ・神社の話題を出すにあたっては、日本の古くからの宗教である神道という、まるで一つの「学問」のような側面があるため、専門的な用語がそのまま使われ続けているというわけです。専門的な用語をあえて用いることで権威性を高めるという効果ももたらされているというわけです。
すなわち、こうした難しい漢字を使っているということ自体が、その場所の「歴史の深さ」を証明しているのだとも言えますね!
「重箱読み」や「湯桶読み」の宝庫となっているから
また、神社の用語には、いわゆる「音読み」と「訓読み」がそれぞれ混ざった読み方が非常に多くなっています。
例:
- 奥宮(おく[訓] + の + みや[訓])に対し、
- 本宮(ほん[音] + ぐう[音])
と、たとえ同じ「宮」であっても「みや」「くう」といった具合で読み方が変わります。
古語(こご)がそのまま残っているから
あと、神社の用語には、いわゆる昔からの古語が、今に至るまでそのまま残っているからという理由もあります。
すなわち、平安時代やそれ以前から使われている言葉が、まるで化石のように現代に至るまで残っているというわけです。
こうしたことから、神社の用語には、まるで現代の言葉のルール(つまり常用漢字の読み方)に当てはまらないものが多いのです!
「特別な敬意の表現」のため
また、神様に関わることなので、あえて日常とは違う「特別な響き」を持たせることで、聖域としての威厳を保っている側面もあります。
ちょっとしたコツ(神社の用語・読み方)
もしこうした神社の用語に関する読み方に迷ったら、以下のルールを覚えておくと少し楽になるかもしれません。
「宮」がつくときは、音読み「くう」「ぐう」が多い
まず、「宮」がつくときは、音読みである「くう」「ぐう」が多くなっています。例えば
- 本宮
- 奥宮(※これは混ざっていますが)
- 外宮
- 内宮
などのようになります。
儀式の動作は「漢語」
また、例えば再拝、二拍手など、主に動作を表す言葉は「音読み」が基本となります。
実は「神主」は愛称のようなもの?
正式な呼称は神職(しんしょく)
日常的には「神主さん」と呼びますが、実はこれは正式な職業名というよりは、あくまでも古くからの呼び名(職名)に近いものとなっています。
そのため、神社本庁などの組織の中では、「神主」ではなくあくまで「神職」と呼ぶのが一般的です。
役職による違い
大きな神社に行くと、この「神職」の階級はさらに細かいランクに分かれています。
- 宮司:その神社の責任者(いわば社長さんのような立場)。
- 権宮司:その宮司を助ける副責任者。
- 少宮司:宮司、権宮司に次ぐ、大きな神社における幹部の役職のことをいいます。
- 禰宜:宮司を支える中心的な役職。
- 権禰宜:一般の神職の方々。
禰宜は「ねぎらう」という言葉が語源とも言われ、神様の心を和ませるという意味が込められています。
神社めぐり:「初心者向け」から「上級者」へ向けて
「授与所」と「社務所」の違い
また、大きな神社では「授与所」と「社務所」がそれぞれ(役割ごとに)分かれています。すなわち、
- 窓口があるのが「授与所」
- 奥にある事務所が「社務所」
ということになります。
すなわち、お守りを買う時は「授与所」へ向かうのが正解です!
拝殿と本殿の関係
次に、拝殿と本殿の関係についてです。
私たちが参拝のときに手を合わせるのが「拝殿」、そのさらに奥に神様がいらっしゃる場所が「本殿」です。
したがって、私たちが普段参拝するときには、
- 「拝殿越しに、本殿に向かってお祈りしている」
ということになりますね。
奉納(ほうのう)の心
最後に、奉納の心についてです。
例えばおみくじや「絵馬」などは「買う」のではなく「奉納する(神様に捧げる)」という気持ちを持つことが、神社においては望ましい姿勢であるといえるでしょう。
お守りも「買う」ではなく「受ける」「授かる」と言うと、さらに「通」な感じがしますよ!
おわりに・まとめ
いかがだったでしょうか。
「神社めぐり」の際に難しい漢字が並んでいると、少し身構えてしまいますよね。
しかしその意味を一つひとつ紐解いていくと、昔の人がどんな想いで神様に向き合っていたかが見えてきて、とても興味深いですよ!
確かに漢字こそ難しいですが、意味を知ると「なるほど!」と納得できるものばかりであることがおわかりいただけたかと思います。
これであなたも、神社めぐりの「通」に一歩近づいてきたのではないでしょうか。
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